経営の健全性・効率性について
.収益的収支率.経費回収率毎年、経費回収率は類似団体の平均値を下回っているが、平成30年以降からは低下傾向がより顕著に見られている。また、それに比例して収益的収支率は同時期より大幅に低下しているため、経費回収を積極的に行わなければ今後も常態化する可能性がある。④企業債残高対事業規模比率例年と同様に令和2年度においても新規の企業債の借り入れは無い。ただ、隣接自治体と共同で運営している処理施設の大規模な改修・修繕を行う予定があるため、今後は比率が増加する見込み。⑥汚水処理原価汚水処理原価についても平成30年より増加しているが、処理施設の共同運営費用の分担比率を改定したためと思われる。今後は施設の大規模改修を行うため、処理能力の効率化により原価及び収益的収支率の改善が期待できる。⑦施設利用率については、運営主体が隣接自治体のため、当該値は無し。⑧水洗化率例年、水洗化率は類似団体の平均値を上回っており、90%前後の状態を維持している。平成中期という比較的近年に急速な整備を行ったため高い水洗化率を保っているのだと思われるが、今後の人口減の進展によりどのように変化していくか注視したい。
老朽化の状況について
下水道の供用開始から10年以上が経過しているが、管渠施設については令和2年度になっても目立った不具合は生じていない。マンホールポンプについてはオーバーホールを平成29年度から適宜行っており、令和4年度には一通り終了する予定であるため、それ以降の修繕費用は低下すると思われる。真空ユニットについては効率的な修繕を行うためにも過去の修繕記録を確認しながら今後修繕が必要となり得る真空ユニットを把握し適宜効率的な修繕を行いたい。
全体総括
当自治体は人口減少により過疎地域に指定されており、今後も類似自治体と同様に大幅な人口減少に見舞われる可能性は非常に高い。また、管渠施設は比較的古くは無いが、現時点でも収益は赤字となっている。今後施設の老朽化と更なる人口減少が進んでいけば、特環事業の経営を単独で行うことは困難になるのではないかと思われる。中長期的に見れば使用料の値上げや広域化・共同化の推進など諸々の解決策を検討する必要があると思われる。