経営の健全性・効率性について
累積欠損金及び企業債残高がないこと、流動比率が全国平均より高いこと、経常収支比率が100%を超えていることなどから、経営は健全であると考えられる。一方、平成29年度から令和元年度まで経常収支比率が緩やかに低下しているが、これは施設の老朽化対策工事及び耐震化対策工事による固定資産除却費増によるものである。また、流動比率における数値の変動は、主に年度末の工事費支払が当年度払か翌年度払かの違いである。又、料金回収率については全国平均を下回る年もあるため、料金改定の検討を含め、今後経営改善を図っていく。一方、契約率及び施設利用率は全国平均を下回っているので、新規ユーザー獲得に向けた取り組みを図っていく。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却比率及び管路経年劣化率が全国平均と比較して高いことから、老朽化が進んでいることがわかる。なお、管路等一部設備においては、健全性調査を行った結果、更新期間を延長している部分(一部の管路)もある。今後、各事業における施設の重要度、老朽化具合等を加味して、強靭化・耐震化等を計画的に実施していく予定である。
全体総括
現在経営は健全と言えるが、今後、施設の老朽化(強靭化含む)に伴う更新が必須である。これを実施していくにあたっては、工事の優先度を定め、計画的に実施する必要がある。その際、事業継続の必要性や老朽化度合だけでなく工事期間中の固定資産除却費増、資産化後の減価償却費増を考慮しなければ、経営の安定化を損ねる可能性がある。又、現状でも料金回収率が低下しているので、施設更新に伴い、料金改定も検討しなければならない。その際に継続的に施設の更新を行うためには資産維持費の導入も検討する必要が出てくる。一方、契約率及び施設利用率も全国平均を下回っているので、新規ユーザー獲得に向けた取り組み図っていく。