経営の健全性・効率性について
本県の工業用水道事業は、大津留浄水場と判田浄水場を有しており、46事業所に対し、契約水量554,330㎥/日の工業用水を供給している。施設の老朽化対策や自然災害対策等で修繕費や委託費等の営業費用が増加していることに伴い経常収支比率はやや下降傾向となっているが、令和3年度は、給水収益の増加や計画の見直しによる修繕費等の減少により前年度より上昇した。また、100%を超えており、安定した経営が出来ている。流動比率も、100%を超えており毎年十分な支払能力を有しているとともに、企業債についても計画的に償還を行っている。豊富な原水と安定した事業経営により全国的にも非常に安価な料金で供給出来ていることから、高い施設利用率と契約率となっており、適正規模で収益性の高い経営が出来ている。
老朽化の状況について
現状では管路経年化率は低い状況にあるが、更新時期を迎えつつある。そのため、全ての送水隧道や埋設管路の損傷調査を実施するとともに計画的かつ効率的な更新や補修の取組みを進めており、令和3年度は管路の一部更新により管路更新率が上昇した。
全体総括
以上のことから、大分県工業用水道事業は、安定した給水収益に支えられ良好な経営を維持していること、短期・長期の財務の安定性が保たれていることなどから、経営成績、財務状態ともに概ね健全であると考えられる。今後は、平成30年度から10年間の経営戦略やその実施計画である4年間のアクションプランに則り、安定供給に向けた老朽化・耐震化対策の推進、持続可能な安定した経営基盤の確立、地域社会への貢献等を推進していく。