経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、前年度より4.21ポイント減少し、類似団体平均と比べて0.94ポイント低い106.11%となっています。これは新型コロナウイルス感染症に係る減免を行ったことに伴い、下水道使用料が減少したことによるものです。経常収支比率が100%以上となっているにも関わらず、③流動比率が類似団体平均値と比べて56.86ポイントも低い27.98%となっており、④企業債残高対事業規模比率が類似団体平均値と比べて高いことから、企業債の元金償還が経営を圧迫し、資金的に厳しい状況を作っていると考えられます。しかし、過去5年間の逓減傾向は今後も続き、今後数年で元金償還額が減価償却費の額を下回る水準まで減少する見込みであり、資金的に厳しい状況は近い将来に改善する見込みです。また、⑤経費回収率が、前年度と比べて6.36ポイント悪化したのは、新型コロナウイルス感染症に係る減免を行ったためです。しかし、類似団体平均値と比べると下回っているため、資金の状況を改善するためにも、経費回収率が100%となるよう努める必要があります。⑧水洗化率は、類似団体平均値と比べて2.18ポイント高い99.42%となっておりますが、100%達成に向けて、水洗化の啓発活動などを継続的に取り組んでいく必要があります。
老朽化の状況について
管渠老朽化率は0であり、老朽化している資産はありません。昭和50年代に整備した資産が多く、今後10年程度は老朽化が問題になることはないと考えています。
全体総括
下水処理場を有していないため毎年度一定の流域下水道負担金が必要であることや⑥汚水処理原価が類似団体平均値を下回っていることを考えると、これ以上の経費削減は難しい現状ではありますが、「宝塚市下水道事業経営戦略」に掲げた経営健全化に努め、経費回収率を100%に近づけるよう努めます。