経営の健全性・効率性について
会計制度が変更された平成26年度以降、2年連続で、経常収支比率は100%を上回り、累積欠損金も解消していますが、流動比率は類似団体に比べてもかなり低い傾向にあります。経常収支比率が100%を上回っているにも関わらず流動比率が減少しているのは、企業債の元金償還額が減価償却費の額を上回っているためです。また、企業債残高対事業規模比率は減少しているため改善傾向にはありますが、依然として類似団体平均よりも高く、料金収入に対して企業債残高が多い状況です。今後は自己財源確保のためにも、料金改定を行うとともに企業債借入を抑制して将来負担の軽減に努めるなど、中長期を見据えた資金管理をすすめていく必要があります。なお、平成27年度に汚水処理原価が大きく減少(経費回収率が大きく増加)しているのは、汚水処理原価の算定基礎となる一般会計繰入金の一部について、平成26年度まで基準外繰入としていた額を平成27年度から基準内繰入として整理したことによるものです。
老朽化の状況について
昭和50年代に急激な開発を行ったため、管路老朽化率が0であり、老朽化している資産はありません。今後10年を経過した頃から老朽化が進んでいくと考えられます。
全体総括
老朽化に関する再投資が始まる10年後までに、収支に関する構造改革が必要です。平成28年度に実施する18.5%の料金改定を足掛かりとして更なる費用削減・収益増加に努め、10年以内に経費回収率を100%以上とします。施設利用率に数値が入っていないのは本市が下水処理場を所有しておらず、処理を外部に委託しているためで、それ故に経費削減の幅は限られていますが、平成28年度以降は新たに策定した「宝塚市下水道ビジョン2025」及び「宝塚市下水道事業経営戦略」に基づき、管渠の更新投資や老朽化対策、経営基盤の強化等に計画的に取り組みます。