経営の健全性・効率性について
経費回収率の算定根拠である経常収益のベースとなる下水道使用料については、平成18年度と平成22年度に改定を行いましたが、いずれも経費回収率100%を達成する内容ではありませんでした。これらの改定以降、景気の低迷や消費税率の改定といった使用者の負担感を増大させる要因が重なり、改定にとって追い風とはいえない状況が続いておりますが、改定時期や改定額について引き続き検証します。汚水処理単価が増加傾向にあるのは、町人口の減少,節水器具の普及,節水意識の向上等による有収水量の減少傾向に連動するものです。また、平成26年度の水洗化率は88.0%であり、年々増加傾向にありますが、類似団体の平均値と比べて遜色のある状況です。引き続き、接続率を向上すべく啓発を進めます。なお、施設利用率については、単独処理場を設置していないため、当該値を計上しておりません。
老朽化の状況について
本町の下水道事業は、平成2年に事業着手以来、平成26年には24年が経過しました。下水道管渠の標準耐用年数は50年とされていますが、古い管渠の不具合や汚水処理に支障をきたす劣化がないかなどの調査に着手し、必要に応じて管渠の長寿命化や耐震化、不明水対策等の実施を検討します。
全体総括
厳しい財政状況の中、少子高齢化や節水意識の高まりによる処理水量の減少や管渠の老朽化対策など、下水道事業の経営を取り巻く環境は刻々と変化してきています。このような状況下にあっても、ライフラインとしての信頼性を確保し、安定した下水道事業を提供していくため、経営戦略を策定し、中長期的な視点から経営改善に向けた取組みに努めます。また、地方公営企業法における財務規定等につきましては、平成32年4月以降に適用を予定しております。