高槻市：交通事業

経営の健全性について

指標の項目については、公営企業平均値と比較し概ね良好な数値となっている。特に流動比率については、200％以上の数値が望ましいとされている中で本市は大きく上回っている。また、累積欠損金や企業債も無く、経営状況は非常に健全となっている。しかし、経常収支比率及び営業収支比率ともに100％未満である。その理由は、少子高齢化による影響で乗客は減少傾向が続いており、特に令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う乗車離れで運送収益が落ち込んだ。また、人件費も高止まりが続いており営業収支比率及び経常収支比率共に黒字化出来ていない。

経営の効率性について

走行キロ当たりの運送原価及び人件費が民間事業者平均値に比べて高い原因については、本市は主に住宅地と鉄道駅間の輸送であり、通勤及び通学時間帯に乗客数が集中する。そのため、輸送効率の観点から一方を回送としている。また民間バス企業や他の公営企業は、路線運行を外部委託しており「経費」として計上するが、当市は全て直営で運行していることから全て「人件費」として計上している。そのことも、走行キロ当たりの人件費が平均値と比較して高くなっている理由の一つである。

全体総括

全体においては累積欠損金や企業債も無く、流動比率については非常に良好な水準で経営状態は健全である。しかし、今後は少子高齢化や新たな生活様式の定着による乗車離れから経常収支は厳しい予測を立てており、流動比率も同様に悪化することが懸念されている。今後は経営戦略で策定したバス運行の効率化や総人件費の抑制の取組を継続し、車両や保有施設を利用した広告収入等の増収に取組み、安定した経営を目指していくものである。