経営の健全性・効率性について
収益性については、平成30年度は下水処理費の増加により若干低下したものの、①経常収支比率は100%を超えている状態が続き、⑤経費回収率も類似団体平均値を上回っている。また、⑥汚水処理原価は類似団体平均値を大きく下回っている。④企業債残高対事業規模比率は、平成26~平成30年度を通して、類似団体平均値を大きく下回っている。財政状態については、③流動比率は、100%を超えていることから1年以内に支払うべき債務に対して支払うことが出来る現金等を十分に保有している状況であると言える。また、⑧水洗化率は、97.88%であり、概ね100%を達成している。このように類似団体と比較して、概ね数値が良好なのは、流域下水道の処理費用が安価なこと、平成26年1月に下水道使用料の改定(平均改定率20.5%)を行ったことが要因と考えられる。※施設利用率に数値が記載されていない理由は、単体で終末処理場を保有せず、すべての処理を流域下水道で行っているためである。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は平成26年度のみなし償却制度の廃止以降、微増傾向である。類似団体平均値と比べ高くなっているが、これは下水道の早期整備により、法定耐用年数に近い資産が増加しているためである。②供用開始年度が昭和54年度であるため、法定耐用年数を経過した管渠は存在せず、管渠老朽化率は0%で、③管渠改善率も0%となっている。
全体総括
経常収支比率は100%を超えている状態が続いており、経費回収率も類似団体平均値を大きく上回っている。また、流域下水道で汚水処理を行っていることにより、汚水処理原価は類似団体平均値を大きく下回っていることから、投資の効率化が十分に図られていると言える。今後は、平成29年度に策定した経営戦略に基づき、将来を見据えた効率的な事業運営を行っていく。