地域において担っている役割
県内の精神医療を担う中核施設として、地域医療機関や保健所などの関係機関との連携のもと、思春期精神障害、アルコール依存症等中毒性精神障害、精神科救急医療および身体疾患を伴う精神障害などを中心として、高度・特殊専門医療を担っている。また医療観察法に基づく鑑定入院および指定通院・入院医療機関としての医療を提供している。
経営の健全性・効率性について
・平成26~27年度が赤字となったが、外来の新患枠を増やすなど患者確保等に取り組んだことで、平成28年度は黒字決算となった。ただし、医業収支比率が100%を下回っていることから、引き続き診療収益増加の取り組みが必要である。・平成28年度は病床利用率、入院患者1人1日当たり収益、外来患者1人1日当たり収益のいずれも類似病院平均値を上回っており、これを継続することで、経常収支比率のさらなる改善および累積欠損金の解消に努めていく。・職員給与費対医業収益比率については、当センターの精神科医すべてが精神保健指定医であること、看護師のすべてが正看護師であることなどが影響し、類似病院平均値を上回っていると考えられる。・材料費対医業収益比率が類似病院平均値より高い傾向にあり、採用品目に見直しなどコスト削減が必要である。
老朽化の状況について
・平成25年度に新病棟を開設したことから一時的に有形固定資産減価償却率が減少したが、既存病棟は平成4年度に開設したものであり、類似病院平均値と比較してもやや老朽化が進んでいる。・耐用年数を超過している備品が多くあるが、平成26年度に電子カルテを導入したことで、機械備品減価償却率が類似病院平均値より低くなっていると推測される。・県立病院として本来の病院以上の機能を付加して建設しているため、類似病院平均値よりも1床当たり有形固定資産が高くなっている。
全体総括
・職員給与費率や材料費率など類似病院平均値と比較するとややコスト高になっている部分はあるものの、経常収支比率は100%以上となっており、医業収支比率も類似病院平均値より高いことから概ね健全な経営が保たれている。・引き続き診療収益確保・経費節減の取り組みなどにより健全な経営に努め、県立病院としての役割を果たしていく。