地域において担っている役割
24時間体制の精神科救急医療、アルコール・薬物及びギャンブル等依存症、児童・思春期、青年期精神医療、医療観察法など多職種チームによる専門医療を提供している。また、他の医療機関では治療困難な精神疾患を持つ患者を全県から受入れている。認知症医療については、令和2年4月に県から指定を受け、「認知症疾患医療センター」を開設し、専門医療相談等を開始している。また、平成29年4月に開設した「精神科研修・研究センター」において、信州大学との連携大学院教育を開始し医師や医療スタッフの育成や研修に力を入れている。
経営の健全性・効率性について
・令和2年度は、①経常収支比率は、新型コロナウイルス緊急包括支援事業補助金により前年度を上回る比率となり、また、類似病院平均値を上回った。②医業収支比率では、新型コロナウイルス感染症の影響による入院収益の減少によって前年度を下回り、類似病院平均値を下回った。・④病床利用率は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、患者数が減少したことにより前年と比較して減少したが、類似病院平均値より上回った。
老朽化の状況について
・有形固定資産の減価償却率は年々上昇傾向にあるが、類似病院平均値より下回っている。病院建築後の年数が浅いため、当面は施設維持に多額の費用を要する見通しはない。しかし、徐々に設備の修繕が増えていることから、今後施設の適切な管理を行い長寿命化を図るとともに、将来の大規模修繕・増改築に備える必要がある。・器械備品については、償却率の上がり方の傾向から、今後入替えやメンテナンス等の費用が増加することが予想される。
全体総括
・令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による医業収支比率の大幅な減少があったため、今後は患者数の増加と収益向上により尽力し、経営の健全性を高めていく必要がある。・政策医療を担う県立精神科病院として、精神科救急、m-ECT(修正型電気痙攣療法)、クロザピンの投与等の専門医療、アルコール・薬物及びギャンブル等依存症、児童・思春期、青年期の精神疾患への専門医療、医療観察法など、多職種チームによる高度な専門医療を提供し、他の医療機関では治療困難な精神疾患を持つ患者の受入れを引き続き行っていく。