経営の健全性・効率性について
処理区域内人口が48人と非常に規模が小さく基本的には赤字基調の事業です。小規模な事業のため使用料等により費用を賄うことが難しく、突発的な修繕など個別の事案に大きな影響を受けやすくなっています。修繕費が減ったことにより汚水処理費が減少したことで①経常収支比率や⑤経費回収率はわずかに改善しています。⑥汚水処理原価は修繕費等の減少に伴い減少傾向ですが、営業収益が減少したことで②累積欠損金比率は昨年度わずかに増加しています。③流動比率は増加しましたが、小規模事業のため未払金の増減などの影響が現れやすくなっています。④企業債残高対事業規模比率は、企業債残高がないためゼロとなっています。⑦施設利用率は事業が小さいため低い値で推移しています。⑧水洗化率は100%となっています。
老朽化の状況について
平成5年供用開始であるため、耐用年数が50年である管渠については、②管渠老朽化率や③管渠改善率が示すとおり更新はまだ発生していませんが、延長は2km程度であり、機械設備等の占める割合が本市の実施する他の下水道事業に比べて高いため、①有形固定資産減価償却率も他の下水道事業より高く、40%を超えてきています。
全体総括
処理人口が50人未満で水洗化率もこれ以上伸びない状況です。構造的な収支の改善を図るためには費用を減らすか収入を増やすこととなりますが、経費の削減は限界に近いところまできており、突発的な修繕費等が発生すれば収支の悪化は避けられません。また、収入を増やすには、他会計からの補助を受けるか下水道の使用料を見直す必要がありますが、費用に見合う使用料を求めるのは現実的ではなく、当面は他の下水道事業と合わせた全体的な視点で経営を行う方針としています。このため、令和元年度に経営健全化計画の5回目の改訂を行うことで、更なる経営の健全化に取り組んでいきます。