経営の健全性・効率性について
営業収益については、処理区域からの使用料及び永平寺町松岡地区からの汚水の受託事業収益の2本立てで収入の確保を目指しているが、近年、大口需要家の節水傾向が続き使用料の減少が著しく今後の人口減少による影響も収入の下押しの要因になっていることから⑤経費回収率等に影響があると考える。経営の健全化については、包括的民営化等維持管理経費を削減する取り組みを中心に行い⑥汚水処理原価の低減がみられる。(H26は会計基準の変更により上昇)⑧水洗化率は高い位置にあるため、接続率アップによる収入増は見込めないため、使用料の改定等直接収入アップにつながる施策も必要と考える。また、将来は永平寺町との広域化等も検討中である。他会計繰入金については、資本費(減価償却費及び支払利息)に対する一定割合をもって繰り入れるという取り決めを交わしている。長期的には、広域化等新たな収入源がなければ、繰入金に頼らざるを得ないと考える。
老朽化の状況について
供用開始後30年を経過し、処理場設備の老朽化が著しいため、国の長寿命化支援事業を受け耐用年数の短い施設の改築を進めているところであるが、債務残高への影響をかんがみ再投資の平準化を行うため一定の要件や優先順位をつけて実施している。管路設備においても、保守点検で主要幹線での不具合が見つかり平成28年度より長寿命化計画を策定する予定である。
全体総括
組合では、下水道サービスを永続的に住民に提供していくために中期経営計画にもとずく事業計画や経営の健全化に向けた取り組みを実施している。しかしながら、処理区域からの収入の先細り感や施設の老朽化に伴う経費の増大が懸念材料となっている。今後は、スケールメリットのある広域化事業の検討や組合の下水道事業の運営ノウハウを生かし、組織市町へ連携事業等の提案を進め経営基盤の強化につなげていきたいと考えている。