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・本指数は、単年度の財政力指数の過去3か年の平均値を表している。・指数算定上の分子となる基準財政収入額は、平成28年度から令和元年度にかけての間、30年度を除き、概ね増加傾向であったが、2年度に減少に転じている。また、分母となる基準財政需要額は、同期間、概ね増加している。・その結果、単年度の財政力指数は平成30年度を除き対前年度で上昇も、令和2年度に下降に転じている。そのため、令和2年度においては、3か年の平均においても下降に転じている。
・比率算定上の分母にあたる歳入(経常一般財源等)は平成28年度以降、都税収入の増などにより概ね増加しており、比率の改善に寄与していた。・令和2年度においては、都税収入の減少などにより、比率は前年度から10.5ポイント上昇し、84.9%となった。
・人件費について、平成28年度以降増加傾向にあったが、職員給の実績減などにより、令和2年度に減少に転じている。一方、物件費については、新型コロナウイルス感染症に係る経費の影響により、令和2年度は大きく増加した。・その結果、人口1人当たり人件費・物件費等決算額も増加を続けている。
・都の上位級の職員構成変動により、ラスパイレス指数は0.1ポイント減少した。・都職員の給与は、毎年、人事委員会が民間企業の給与の実態を調査して行う勧告に基づき、都議会の審議を経て条例により決定されており、都内の民間企業の給与水準を適正に反映する仕組みとなっている。・なお、都内民間企業の賃金水準は、厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によれば、全国を100とした場合、121.1となっており、都道府県で最も高い水準になっている。・都においては引き続き、人事委員会勧告に基づき適正な給与水準を保っていく。
・平成26年度から令和2年度にかけて、執行体制の見直しを行う一方で、都政の重要課題の解決に向けて必要な体制・人員を措置するとともに、都政サービスに直結する学校職員の増員等により、全任命権者(都全体)で職員数は増加している。・引き続き徹底した内部努力を行い、限られた人材を有効に活用しながら、新しい時代に対応した少数精鋭による効率的な執行体制の構築に努めていく。
・本比率は単年度の実質公債費比率の過去3か年の平均値を表している。・元利償還金等があたる比率算定上の分子は、平成27年度から令和2年度にかけての間、令和元年度を除き、減少傾向である。また、標準財政規模があたる分母は、平成30年度を除き、増加してきていたが、令和2年度に減少に転じた。・令和2年度は、比率算定上の分子・分母ともに減少したものの、分子の元利償還金等の減少率が分母の減少率を上回るため、単年度の実質公債費比率は、0.5ポイント改善した。・また、3か年平均では、0.1ポイント改善した。
・比率算定上の分子は、将来負担額から充当可能財源等を控除して算定されるが、平成29年度まで比率の改善が続いていたが、平成30年度以降は、将来負担額は減少したものの、充当可能財源等も減少したことから、比率算定上の分子が増加し、比率は上昇傾向にあった。・令和2年度は、将来負担額は増加したものの、充当可能財源も増加し、比率算定上の分子は減少したが、比率算定上の分母である標準財政規模も減少したため、前年度比で0.6ポイント上昇している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成28年度以降、都税収入の増などにより概ね増加していたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の悪化などにより、減少に転じた。・令和2年度においては、会計年度任用職員制度の導入により増となる一方、職員給の実績減などにより、歳出が減少となったものの、歳入も減少したことにより、比率は3.6ポイント上昇している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成28年度以降、都税収入の増などにより概ね増加していたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の悪化などにより、減少に転じた。・令和2年度においては、物件費は、需用費や委託料の増などにより、歳出が増加したことに加え、歳入が減少したことにより、比率は1.0ポイント上昇している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成28年度以降、都税収入の増などにより概ね増加していたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の悪化などにより、減少に転じた。・令和2年度においては、歳出は横ばいであったものの、歳入が減少したことにより、比率は0.2ポイント上昇している。
・その他は、維持補修費、貸付金及び繰出金が対象となっている。・令和2年度においては、歳入が減少したものの、貸付金が減少したことなどにより、比率は0.5ポイント改善している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成28年度以降、都税収入の増などにより概ね増加していたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の悪化などにより、減少に転じた。・補助費等は、社会保障関連の経費の増などを背景に、近年、増加傾向にある。・令和2年度においては、補助費等は、施設型給付による負担金の増などにより、歳出が増加となったことに加え、歳入が減少したことにより、比率は5.6ポイント上昇している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成28年度以降、都税収入の増などにより概ね増加していたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の悪化などにより、減少に転じた。・令和2年度においては、元金償還金の減などにより、歳出は減少したが、歳入も減少したことにより、比率は0.6ポイント上昇した。ただし、引き続き都道府県平均に比し低い水準を維持している。
(増減理由)・年度間の財源調整機能を有する「財政調整基金」が減少するとともに、3つのシティ実現に向けた基金などを含む「その他特定目的基金」についても減少した。※3つのシティ実現に向けた基金…セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティの実現に向けた基金及び東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金の総称(今後の方針)・歳入構造が景気の動向に左右されやすく、地方交付税の不交付団体である東京都が、将来にわたり安定的かつ継続的に行政サービスを行っていくためには、財源となる基金を戦略的かつ計画的に活用することが必要である。・希望ある未来を切り拓くための施策を積極的に推進するため、将来の財政需要の動向などをしっかりと見極めながら、引き続き、中長期的な視点に立ち、戦略的な基金の活用を図っていく。
(増減理由)・これまで都税収入の増加額の一部を活用するなど着実に積立を行い、財政対応力を培ってきたが、令和2年度は、コロナ禍に伴う感染拡大防止協力金等の突発的な財政需要に対応するために取り崩して活用し、減少した。(今後の方針)・年度間の財源調整を図り、財政の健全な運営に資することを目的とする財政調整基金は、歳入構造が景気の動向に左右されやすく、地方交付税の不交付団体でるとの財政運営にとって大きな役割を果たしている。・今後も、基金の残高確保に努めるなど、継続的な施策展開を支える財政基盤の堅持に努めていく。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)・3つのシティを実現するための施策に必要な財源などとして、基金を活用していく。(増減理由)・社会資本等の整備に要する事業に充当するため、社会資本等整備基金が846億円の減、都市防災機能の強化や安全で快適な歩行空間の確保及び良好な都市景観の創出に要する事業に充当するため、無電柱化推進基金が108億円の減となった一方、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を1,215億円積み増したことなどにより、令和元年度に比して、その他特定目的基金が増加した。(今後の方針)・3つのシティ実現に向けた財源などとして、中長期的な視点に立ち、一定の残高を確保しつつも、積極的に活用していく。
・都の有形固定資産減価償却率は、都道府県平均と比較して、低い水準である。・都有施設は昭和40年代に多く整備され、老朽化が進行しているため、令和3年3月の「橋梁予防保全計画」や、令和4年3月の「第三次主要施設10か年維持更新計画」などを策定し、施設ごとに計画的な維持更新に取り組んでいるところである。・平成29年度の30.2%から平成30年度の47.9%に指標が上昇しているが、これは30年度から有形固定資産の残価率を廃止し、残存簿価1円まで償却する方式に変更したことなどによるものである。
・新型コロナウイルス感染症対策などの財源として活用し、地方債の発行額が増加したことによる地方債現在高の増加や、新型コロナウイルス感染症の影響から企業収益が悪化したことによる都税収入の減少などにより、債務償還比率は、令和元年度と比べて上昇しているが、引き続き都道府県平均の数値を下回っている。
・将来負担比率は、地方債現在高の増加などに伴い、将来負担額が増加したことにより、前年度の23.6%から24.2%に上昇している。・また、有形固定資産減価償却率は平成30年度の47.9%から令和2年度の48.7%と概ね横ばいで推移している。なお、平成29年度の30.2%から平成30年度の47.9%に上昇しているのは、平成30年度より有形固定資産の残価率を廃止し、残存簿価1円まで償却する方式に変更したことなどによるものである。
・将来負担比率は、地方債現在高の増加などに伴い、将来負担額が増加したことにより、前年度の23.6%から24.2%に上昇している。・実質公債費比率は、元利償還金の減少などにより、前年度の1.5%から1.4%に減少している。・都にあっては、元利償還金等から算定上控除される都市計画税を都道府県で唯一特例で課税しているため、他道府県に比べて実質公債費率が低くなる傾向がある。