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・本指数は、単年度の財政力指数の過去3か年の平均値を表している。・指数算定上の分子となる基準財政収入額は、平成27年度から令和元年度にかけての間、30年度を除き、概ね増加傾向にある。また、分母となる基準財政需要額は、同期間、概ね横這いで推移している。・その結果、単年度の財政力指数は平成30年度を除き対前年度で増加しており、3か年の平均でも上昇してきた。令和元年度においては、単年度の財政力指数は上昇するも、28年度の単年度の指数より低いことから、3か年の平均では横這いとなった。
・比率算定上の分母にあたる歳入(経常一般財源等)は平成27年度以降、都税収入の増などにより概ね増加しており、比率の改善に寄与している。・令和元年度においては、平成30年度に引き続き、歳入の増加に加え、公債費が減少したことなどにより、比率は3.1ポイント改善している。
・本指標は、人件費の占める割合が高いため、主として人件費の推移の影響を受けるものである。・平成27年度以降、給与改定などにより、人件費が増となったことから、人口1人当たり人件費・物件費等決算額も増加を続けている。
国と都との給料表改定率の相違(国:0.1%、都:改定なし)等により、ラスパイレス指数は0.1ポイント減少した。都職員の給与は、毎年、人事委員会が民間企業の給与の実態を調査して行う勧告に基づき、都議会の審議を経て条例により決定されており、都内の民間企業の給与水準を適正に反映する仕組みとなっている。なお、都内民間企業の賃金水準は、厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査によれば、全国を100とした場合、123.5となっており、都道府県で最も高い水準になっている。都においては、引き続き、人事委員会勧告に基づき、適正な給与水準を保っていく。
平成26年度から令和元年度にかけて、執行体制の抜本的な見直しを行う一方で、都政の重要課題の解決に向けて必要な体制・人員を措置するとともに、都民サービスに直結する学校職員の増員等により、全任命権者(都全体)で職員数は増加している。引き続き徹底した内部努力を行い、限られた人材を有効に活用しながら、新しい時代に対応した少数精鋭による効率的な執行体制の構築に努めていく。
・本比率は単年度の実質公債費比率の過去3か年の平均値を表している。・元利償還金等があたる比率算定上の分子は、平成27年度から平成30年度まで減少するも、令和元年度より増加に転じている。一方、標準財政規模があたる分母は、平成30年度を除き、増加してきていた。・その結果、単年度の実質公債費比率は、平成30年度まで下降するも、元年度は0.4ポイントの上昇に転じた。・3か年平均では、平成30年度に0.1ポイント改善した後、令和元年度は横這いとなっている。
・比率算定上の分子は、将来負担額から充当可能財源等を控除して算定されるが、充当可能財源等は年度によって増減しているものの、将来負担額は減少を続けており、平成29年度まで比率の改善が続いていた。・平成30年度以降、将来負担額は減少したものの、充当可能財源等も減少したことから、比率算定上の分子が増加している。そのため、令和元年度の比率は0.9ポイント上昇している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成27年度以降、都税収入の増などにより概ね増加しており、比率の改善に寄与している。・令和元年度においては、給与改定などにより職員給が増加したことや、共済組合負担金が増加したことなどにより人件費が増加したが、歳入の増により、比率は1.2ポイント改善している。
・物件費は、委託料の増などにより、近年、増加傾向にある。・令和元年度においては、歳入が増加したものの、委託料の増などにより物件費が増加したことにより、比率は0.1ポイント上昇している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成27年度以降、都税収入の増などにより概ね増加しており、比率の改善に寄与している。・令和元年度においては、扶助費は児童福祉費や公衆衛生費の増などにより3.5%の増となったが、歳入の増により、比率は前年度と同水準となっている。
・その他は、維持補修費、貸付金及び繰出金が対象となっている。・令和元年度においては、歳入が増加したものの、中小企業制度融資の預託金の増により貸付金が増加したことから、比率は0.5ポイント上昇している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成27年度以降、都税収入の増などにより概ね増加しており、比率の改善に寄与している。・補助費等は、社会保障関連の経費の増などを背景に、近年、増加傾向にある。・令和元年度においては、東京2020大会の共同実施事業に係る経費や幼児教育・保育の無償化等による負担金が増加する一方、歳入が増加したことにより、比率は0.5ポイント改善している。
・比率算定上の分母にあたる歳入は、平成27年度以降、都税収入の増などにより概ね増加しており、比率の改善に寄与している。・令和元年度においては、元金償還金の減などによる公債費の減少に加え、歳入が増加したことにより、比率は2.0ポイント改善しており、引き続き都道府県平均に比し低い水準を維持している。
(増減理由)・年度間の財源調整機能を有する「財政調整基金」が増加するとともに、3つのシティ実現に向けた基金などを含む「その他特定目的基金」も増加した。※3つのシティ実現に向けた基金…セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティの実現に向けた基金及び東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金の総称(今後の方針)・景気変動の影響を受けやすい税収構造を有し、地方交付税の不交付団体である東京都が、将来にわたり安定的かつ継続的に行政サービスを行っていくためには、財源となる基金を戦略的かつ計画的に活用する必要がある。・新型コロナウイルス感染症の影響等、景気動向は依然として不透明な情勢にあり、厳しい財政状況が想定されるが、引き続き、税収や財政需要の動向などをしっかりと見極めながら、中長期的な視点に立ち、戦略的な基金の活用を図っていく。
(増減理由)・平成30年度決算剰余金が生じ、その2分の1以上の積立を行ったことに加え、令和元年度補正予算で当初予算に計上された都税額を上回る額に規定の率を乗じた金額を積み立てたため、財政調整基金が増加した。(今後の方針)・年度間の財源調整を図り、財政の健全な運営に資することを目的とする財政調整基金は、都税収入が不安定な東京都の財政運営にとって大きな役割を果たしている。・都税収入が堅調な近年においても、歳出抑制努力と合わせ、将来に備えて積立を継続してきた。・今後も持続可能な財政基盤を堅持していくことが必要である。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)・東京2020大会の開催準備と3つのシティを実現するための施策に必要な財源などとして、基金を活用していく。(増減理由)・東京オリンピック・パラリンピック開催準備基が2,049億円減少した一方、社会資本等整備基金を今後の社会資本等の整備に要する資金への備えとして1,832億円積み増し、「スマート東京」実現に向けた取組を推進するためスマート東京推進基金を創設(500億円)するなど、平成30年度に比し、その他特定目的基金が増加した。(今後の方針)・安全安心な東京2020大会の開催に向けた準備などの財源として、これまで計画的に積み立ててきた基金を積極的に活用する。
・都の有形固定資産減価償却率は、道府県平均と比較して、低い水準である。・都有施設は昭和40年代に多く整備され、近年は施設老朽化が進行していたため、平成21年2月に「主要施設10か年維持更新計画」の策定や、同年3月に「橋梁の管理に関する中長期計画」の策定等、個別施設ごとに計画的な維持・更新に取り組んできた。・施設の安全性を確保するため今後も計画的な維持更新を進めていく必要がある。・なお、平成29年度の30.2%から平成30年度の47.9%に上昇しているが、これは30年度より有形固定資産の残価率を廃止し、残存簿価1円まで償却する方式に変更したことなどによるものである。
・令和元年度の債務償還比率は、将来世代の負担を考慮して地方債の発行額を抑制してきたことによる地方債現在高の減少や、債務負担行為に基づく支出予定額が減少したこと、また、都税収入の堅調な増加などにより、平成30年度と比べ、指標が改善している。
・将来負担比率は、平成30年度の22.7%から令和元年度の23.6%と0.9%上昇している。これは地方債残高など将来負担額は減少したものの、充当可能財源等(基準財政需要額算入見込額等)も減少したためである。なお、平成29年度から30年度における10.2%の数値上昇も同様の理由によるものである。・また、有形固定資産減価償却率は平成30年度の47.9%から令和元年度の48.3%と概ね横ばいで推移している。なお、平成29年度の30.2%から平成30年度の47.9%に上昇しているのは、平成30年度より有形固定資産の残価率を廃止し、残存簿価1円まで償却する方式に変更したことなどによるものである。
・将来負担比率は、地方債残高など、将来負担額は着実に減少しているが、基準財政需要額算入見込額をはじめとした充当可能財源等が相対的により大きく減少したことから、算定上、指標が上昇しているものである。・実質公債費比率は、平成30年度から令和元年度にかけて横ばいで推移している。・都にあっては、元利償還金等から算定上控除される都市計画税を都道府県で唯一特例で課税しているため、他道府県に比べて実質公債費比率が低くなる傾向がある。