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本指数は、過去3か年の平均値を表している。単年度の指数の推移としては、23年度以降、指数算定上の分子となる基準財政収入額は、都税収入の増収などに伴い増加している。算定の分母となる基準財政需要額は増加傾向にあるものの、前述のとおり分子の増加が大きいため、単年度の財政力指数は上昇傾向にある。24年度(22年度から24年度までの3か年平均)においては、22年度の税収減の影響を受け、指数が前年度から下落しているが、その後は上昇している。
24年度以降、算定上の分母である歳入(経常一般財源等)が、都税収入の増収などにより増加しており、比率の改善に寄与している。27年度においては、職員給の増加などにより歳出が増加したものの、都税収入の増収などにより、歳入が引続き増加となったため、比率は前年度から3.3ポイント改善し、81.5%となった。
本指標は、人件費の占める割合が高いため、主に人件費の推移の影響を受けるものである。人件費は、減額給与改定などにより、25年度までは減少しており、その結果、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は減少している。26年度及び27年度においては、増額給与改定などにより人件費が増となったことなどから、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は増加している。なお、都においては、財政再建の取組を通じて職員定数の削減を行うなどの内部努力により、人件費の削減に努めている。
前年度に比べ、ラスパイレス指数が上昇しているが、これは、平成27年4月より実施している給与制度の総合的見直しに当たり、国が現給保障の経過措置を設けていること等による。都職員の給与は、毎年、人事委員会が民間企業の給与の実態を調査して行う勧告に基づき、都議会の審議を経て条例により決定されており、都内の民間企業の給与水準を適正に反映する仕組みとなっている。なお、都内民間企業の賃金水準は、厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査によれば、全国を100とした場合、125.8となっており、都道府県で最も高い水準になっている。都においては、引き続き、人事委員会勧告に基づき、適正な給与水準を保っていく。
23年度から27年度にかけて、執行体制の抜本的な見直しを行う一方で、都政の重要課題の解決に向けて必要な体制・人員を措置するとともに、都民サービスに直結する学校職員の増員等により、全任命権者(都全体)で職員数は増加している。この間、都の人口も増加し続けており、27年度においては、都の人口が対前年度比0.9%(117,764人)増加したことなどにより、人口10万人当たり職員数は対前年度比-0.1%(-1.47人)減少し、1,109.83人となった。引き続き徹底した内部努力を行い、限られた人材を有効に活用しながら、新しい時代に対応した少数精鋭による効率的な執行体制の構築に努めていく。
24年度以降、算定上の分母となる標準財政規模が、都税収入の増収などに伴い増加しており、24年度及び25年度において比率は改善した。26年度及び27年度においては、引き続き標準財政規模は増加している一方、分子に当たる元利償還金等から算定上控除される、基準財政需要額算入公債費等が減少したことなどにより、比率は上昇している。都にあっては、元利償還金等から算定上控除される都市計画税を都道府県で唯一特例で課税しているため、他道府県に比べて実質公債費比率が低くなる傾向がある。
都債現在高や退職手当負担見込額の減少などにより、算定上の分子となる将来負担額が着実に減少していることに加え、24年度以降、分母となる標準財政規模が、都税収入の増収等を背景に増加していることから、比率は改善傾向にある。
人件費については、減額給与改定などにより、25年度まで減少が続いた。算定上の分母である歳入は、24年度以降、都税収入の増収などにより増加しており、比率の改善に寄与している。27年度においては、増額給与改定や年金一元化に伴う共済組合負担金の増加などにより、人件費は増となったものの、都税収入の増収などにより、歳入が大幅に増となったことから、比率は1.1ポイントの改善となっている。なお、都においては、財政再建の取組を通じて職員定数の削減を行うなどの内部努力により、人件費の削減に努めている。
算定上の分母である歳入は、24年度以降、都税収入の増収などにより増加しており、比率の低下に寄与している。26年度においては、需用費や委託料の増等により物件費が大きく増加したため、比率は0.1ポイント上昇し5.0%となった。27年度においては、物件費が増加したものの、前述のとおり歳入が増加したことに伴い、比率は0.1ポイント低下している。
算定上の分母である歳入は、24年度以降、都税収入の増収などにより増加しており、比率の低下に寄与している。27年度においては、社会保障関連の支出の増などにより扶助費総額は増加したものの、国庫負担金充当額の増などに伴い経常一般財源充当額が減となっていることに加え、前述のとおり歳入が増加していることにより、比率は低下している。
その他(維持補修費及び貸付金)については、主に貸付金の増減額が比率に影響を与えている。貸付金の減少や、算定上の分母である歳入が、都税収入の増収等により増加したことなどにより、23年度以降比率の改善が続いていた。25年度以降は、貸付金が低水準で推移していることなどにより、比率も同様の推移となっている。
補助費等は、社会保障関連の支出の増などを背景に、増加傾向にあるものの、算定上の分母である歳入は、24年度以降、都税収入の増収などに伴い増加しており、比率の低下に寄与している。24年度については、社会保障関連などの歳出の増加に伴い補助費等が大きく増加したため、比率は1.0ポイント上昇し32.0%となった。27年度については、前述のとおり、歳入が増となっているものの、社会保障関連の支出の増加などに伴い、補助費等が増加したため、比率は0.1ポイント上昇した。
公債費については、過去の都債発行額の影響が大きいため、全体経常収支比率の推移と異なる傾向がある。また、算定上の分母である歳入は、24年度以降、都税収入の増収などにより増加しており、比率の改善に寄与している。26年度については、元金償還金の増などにより、公債費が増加したため、比率は0.6ポイント上昇し14.3%となった。27年度については、元金償還金、利子償還金及び減債基金積立金の減により公債費が減少するとともに、前述のとおり歳入が増加しているため、比率は2.1ポイント低下し12.2%となった。