電気事業 簡易水道事業(法適用) 小児総合医療センター 公共下水道 流域下水道 神経病院 松沢病院 多摩総合医療センター 墨東病院 駒込病院 大塚病院 工業用水道事業 交通事業 広尾病院
2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
21年度以降はリーマンショックを契機とした企業収益の急速な悪化と法人事業税の暫定措置による減収の影響により、基準財政収入額が大幅に減少(21年度:対前年度比-24.3%(-6,115億円)、22年度:同-18.9%(-3,599億円))した。23年度以降は、基準財政収入額は増加(23年度:対前年度比2.3%(353億円)、24年度:同7.6%(1,203億円))しているが、分母である基準財政需要額が増加(23年度:対前年度比6.2%(1,091億円)、24年度:同4.2%(778億円))したため、24年度には0.86まで下落した。しかし、堅調な企業収益を背景とした都税収入の増収などにより、25年度は0.87に、26年度は0.93に改善した。
20年度から23年度にかけては、都税収入が4年連続の減収、特に21年度においては対前年度比1兆円以上の減収となったことにより、90%台で推移している。24年度においては、算定上の分子である歳出(経常的経費充当一般財源等)の補助費等が増加となったが、分母である歳入(経常一般財源等)が5年ぶりの都税収入の増収などで増加し、92.7%となった。26年度においては、歳出が公債費の増加などで対前年度比2.4%(749億円)の増加となったが、歳入が引き続き都税収入の増収などにより同4.0%(1,480億円)の増加となったため、前年度から1.4ポイント改善し、84.8%となった。このように、景気の動向に税収が大きく影響を受ける都財政では、経常収支比率が税収の動向に左右されやすい構造となっている。
19年度から21年度にかけて約4,000人の定数削減を行うなどの内部努力や減額給与改定などにより、人件費の削減に努めており、その結果、25年度までは人口1人当たり人件費・物件費等決算額は減少し続けている。24年度においては、住民基本台帳法の改正に伴う住民基本台帳の登載人口の拡大で、都の人口が対前年度比3.5%(443,369人)増加したことなどにより、対前年度比-4.4%(-5,877円)となり、127,663円となった。26年度においては、人件費が増額給与改定などにより増となったことなどから、対前年度比1.4%(1,829円)となり、128,983円となった。
前年度に比べラスパイレス指数が低下しているが、これは、平成27年4月より実施している給与制度の総合的見直しに当たり、都では現給保障を行っていないことが原因として挙げられる。都職員の給与は、毎年、人事委員会が民間企業の給与の実態を調査して行う勧告に基づき、都議会の審議を経て条例により決定されており、都内の民間企業の給与水準を適正に反映する仕組みとなっている。都内民間企業の賃金水準は、厚生労働省の平成26年の賃金構造基本統計調査によれば、全国を100とした場合に、125.5となっており、都道府県で最も高い水準になっている。都においては、引き続き、人事委員会勧告に基づき、適正な給与水準を保っていく。
22年度から26年度にかけて、執行体制の抜本的な見直しを行う一方で、都政の重要課題の解決に向けて必要な体制・人員を措置するとともに、都民サービスに直結する学校職員の増員等により、全任命権者(都全体)で職員数は増加している。この間、都の人口も増加し続けており、26年度においては、都の人口が対前年度比0.7%(95,548人)増加したことなどにより、人口10万人当たり職員数は対前年度比-0.3%(-2.83人)減少し、1,111.30人となった。引き続き徹底した内部努力を行い、限られた人材を有効に活用しながら、新しい時代に対応した少数精鋭による効率的な執行体制の構築に努めていく。
21年度以降は算定上の分母である標準財政規模が減少しているものの、分子である元利償還金の減少率が分母の減少率を上回るため、実質公債費比率は改善の方向に動いている。24年度以降は、標準財政規模が増加に転じて、分母が実質公債費比率の改善に寄与しており、24年度及び25年度は改善したが、26年度は、元利償還金等から差し引く算入公債費等が減少したことなどにより分子が増加し、3か年平均では0.1ポイント上昇し、0.7%となった。都にあっては、都市計画税を都道府県で唯一特例で課税しているため、他道府県に比べて実質公債費比率が低くなっている。
将来負担額は着実に減少しているものの、21年度以降、急速な企業収益の悪化など標準財政規模の大幅な減(21年度:対前年度比-19.1%(-8,144億円)、22年度:同-17.5%(-6,041億円))により、90%台前半まで上昇した。23年度においては、標準財政規模は減少したが、将来負担額は対前年度比-0.3%(-323億円)となった結果、将来負担比率は0.9ポイント改善し、92.7%となった。24年度以降は、標準財政規模が増加するとともに、引き続き将来負担額が減少(24年度:対前年度比-1.2%(-1,238億円)、25年度:同-4.3%(-4,223億円)、26年度:同-5.1%(-4,779億円))しているため、将来負担比率が改善し、26年度は49.7%となった。
人件費については、19年度から21年度にかけて約4,000人の定数削減を行うなどの内部努力や減額給与改定などにより、20年度以降減少が続いていたが、26年度においては、増額給与改定などにより増加している。算定上の分母である歳入は、24年度以降、都税収入の増収などにより増加している。26年度においては、歳入が対前年度比4.0%(1,480億円)の増になるとともに、人件費が対前年度比0.8%(98億円)の増となったことから、1.0ポイントの改善となっている。
23年度においては、社会保障関連の歳出が増加し、0.2ポイントの上昇となっている。24年度においては、障害児支援事業について児童福祉法の一部改正に伴う区市町村事務移管などにより減となっており、0.1ポイントの低下となっている。25年度においては、社会保障関連の歳出が増加しているものの、前述のとおり歳入が増加しているため、0.2ポイントの低下となっている。26年度においては、社会保障関連の歳出が減少しており、また、歳入が増加したものの、比率は前年と同水準を維持している。
その他(維持補修費及び貸付金)については、主に貸付金増減額の影響を受けることから、全体の経常収支比率と傾向が異なる。22年度においては、貸付金が対前年度比530.7%(427億円)と大幅増になったことにより1.3ポイントの上昇となった。23年度以降においては、貸付金の減少などにより比率の改善が続いていたが、26年度においては、貸付金が対前年度比150.7%(19億円)の増となったため、0.1ポイント改善した。
26年度については、特別区財政調整交付金などの歳出が増加し、対前年度比0.6%(69億円)となっているものの、前述のとおり歳入が増加しているため、1.0ポイント改善し29.1%となった。
公債費については、歳出年度以前の都債発行額の影響が大きいため、全体経常収支比率の傾向と大きく異なっている。26年度については、元金償還金の増などにより、対前年度比8.7%(436億円)増加したため、0.6ポイント上昇し14.3%となった。