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堅調な企業収益を背景とした都税収入の増収などにより、18年度から20年度にかけて、財政力指数が1.22から1.41まで上昇した。しかし、21年度以降はリーマンショックを契機とした企業収益の急速な悪化と法人事業税の暫定措置による減収の影響により、基準財政収入額が大幅に減少(21年度:対前年度比-24.3%(-6,115億円)、22年度:同-18.9%(-3,599億円))したため、22年度には1.16まで下落した。
18年度から19年度にかけて、都税収入の増収などにより経常収支比率が80%台前半まで上昇したが、20年度から22年度にかけて3年連続の減収、特に21年度においては1兆円以上の減収となったことにより、現在は90%台中盤で推移している。22年度においても、算定上の分母である歳入(経常一般財源等)が対前年度比-1.0%(-333億円)で引き続き減収となったが、分子である歳出(経常的経費充当一般財源等)が公債費や人件費の減などで同-2.6%(-827億円)となった結果、前年度から1.5ポイント改善し、94.5%となった。このように、景気の動向に税収が大きく影響を受ける都財政では、経常収支比率が税収の動向に左右されやすい構造となっている。
19年度から21年度にかけて約4,000人の定数削減を行うなどの内部努力や18年度からの減額給与改定の影響などにより、人件費の削減に努めている。その結果、18年度以降人口1人当たり人件費・物件費等決算額は減少し続けており、22年度においては対前年度比-1.5%となっている。
前年度に比べ減少しているが、これは、平成22年の給料表の平均改定率について、国が-0.1%に対し、都は-1.2%であったことなどによる。都職員の給与は、毎年、人事委員会が民間企業の給与の実態を調査して行う勧告に基づき、都議会の審議を経て条例により決定されている。都内の民間企業の賃金水準は、平成22年賃金構造基本統計調査によれば、全国を100とした場合に122.2であり、都道府県で最も高い水準となっている。都においては、今後も引き続き、人事委員会勧告に基づき、適正な給与水準を保っていく。
21年度から22年度にかけて、災害に強い都市づくりの推進やスポーツ祭東京2013の開催準備等をはじめとする都政の重要課題の解決に向けて必要な体制・人員を措置する一方で、執行体制の抜本的な見直しや徹底した業務改革等を行った結果、全任命権者(都全体)で職員数は減少している。引き続き徹底した内部努力を行い、限られた人材を有効に活用しながら、新しい時代に対応した少数精鋭による効率的な執行体制の構築に努めていく。
実質公債費比率が毎年減少している主な要因は、算定上の分子である元利償還額が減少していることによる。また、算定上の分母である標準財政規模は、18年度から20年度にかけて増加していたため、分子・分母ともに改善されていたが、21年度以降は分母の減少により、当該指標が上昇する方向に動いているものの、元利償還額の減少率が分母の減少率を上回るため、実質公債費比率は改善の方向に動いている。22年度において、単年度比率は前年度と同水準であるが、3か年平均では0.9ポイント改善し2.2%となった。都にあっては、都市計画税を都道府県で唯一特例で課税しているため、他道府県に比べて実質公債費比率が低くなっている。
堅調な企業収益を背景とした都税収入の増収などにより、20年度までは標準財政規模の増加や充当可能基金の増加などにより、60%台前半まで改善した。しかし21年度以降、将来負担額は着実に減少しているものの、急速な企業収益の悪化など標準財政規模の大幅な減(21年度:対前年度比-19.0%(-8,144億円)、22年度:同-17.5%(-6,041億円))により、90%台前半まで上昇した。22年度において、将来負担額は対前年度比-2.8%(-655億円)と改善したが、標準財政規模の大幅な減少により16.6ポイント上昇し、93.6%となった。
人件費については、19年度から21年度にかけて約4,000人の定数削減を行うなどの内部努力や18年度からの減額給与改定の影響などにより、20年度以降減少が続いている。しかし、算定上の分母である歳入が都税収入の大幅な減などにより、21年度は対前年度比-19.0%(-7,802億円)となったため、7.0ポイントの上昇となった。22年度においても歳入が対前年度比1.0%(333億円)の減となったが、人件費については、対前年度比-1.1%(-140億円)により、0.1ポイントの改善となっている。
物件費については、全体経常収支比率とほぼ同じ傾向であり、改善及び上昇した要因も同様である。22年度においては、対前年度比-1.5%(-37億円)で前年度と同水準の5.3%となった。
18年度から20年度にかけては安定した比率で推移しており、21年度における上昇は、前述のとおり歳入の減によるものである。22年度においては、職員に係る児童手当及び子ども手当の性質別歳出項目が人件費から変更されたことに伴う純増(76億円)があったため、0.3ポイントの上昇となった。
その他については、貸付金増減額の影響により、全体経常収支比率と傾向が異なる。19年度において対前年度比179.0%(376億円)のため、歳入増にも関わらず0.9ポイントの上昇、21年度において同-74.9%(-240億円)のため、歳入の大幅な減にも関わらず0.3ポイントの改善となった。22年度においては、対前年度比530.7%(427億円)となっているため、1.3ポイントの上昇となった。
補助費等については、全体経常収支比率とほぼ同じ傾向であり、改善及び上昇した要因も同様である。22年度については、対前年度比-0.3%(-33億円)であったが、歳入の減少により0.2ポイント上昇し、29.4%となった。
公債費については、歳出年度以前の都債発行額の影響が大きいため、全体経常収支比率の傾向と大きく異なっている。22年度については、元金償還金の減などにより、対前年度比-17.9%(-1,111億円)となったため、3.2ポイント改善し15.4%となった。