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堅調な企業収益を背景とした都税収入の増収などにより、20年度は財政力指数が1.41となった。しかし、21年度以降はリーマンショックを契機とした企業収益の急速な悪化と法人事業税の暫定措置による減収の影響により、基準財政収入額が大幅に減少(21年度:対前年度比-24.3%(-6,115億円)、22年度:同-18.9%(-3,599億円))した。23年度以降においては、基準財政収入額は改善(23年度:対前年度比2.3%(353億円)、24年度:対前年度比7.6%(1,203億円)しているが、分母である基準財政需要額が増加(23年度:対前年度比6.2%(1,091億円)、24年度:同4.2%(778億円))したため、24年度には0.86まで下落した。
20年度から23年度にかけては、都税収入が4年連続の減収、特に21年度においては1兆円以上の減収となったことにより、現在は90%台で推移している。24年度においては、算定上の分子である歳出(経常的経費充当一般財源等)が補助費等の増加などで対前年度比0.8%(253億円)の増加となったが、分母である歳入(経常一般財源等)が5年ぶりの都税収入の増収などにより同3.6%(1,173億円)となったため、前年度から2.5ポイント改善し、92.7%となった。このように、景気の動向に税収が大きく影響を受ける都財政では、経常収支比率が税収の動向に左右されやすい構造となっている。
19年度から21年度にかけて約4,000人の定数削減を行うなどの内部努力や減額給与改定などにより、人件費の削減に努めており、その結果、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は減少し続けている。24年度においては、住民基本台帳法の改正に伴う住民基本台帳の登載人口の拡大により、都の人口が対前年度比3.5%(443,369人)に増加したことなどにより、対前年度比-4.4%(-5,877円)減少し、127,663円となった。
指数が高止まりしているのは、平成24年度からの国家公務員の給与減額措置が継続実施されているためである。都職員の給与は、毎年、人事委員会が民間企業の給与の実態を調査して行う勧告に基づき、都議会の審議を経て条例により決定されており、都内の民間企業の給与水準を適正に反映する仕組みとなっている。都内民間企業の賃金水準は、厚生労働省の平成24年の賃金構造基本統計調査によれば、全国を100とした場合に、122.3となっており、都道府県で最も高い水準になっている。都においては、今後とも引き続き、人事委員会勧告に基づき、適正な給与水準を保っていく。
20年度から24年度にかけて、都政の重要課題の解決等のために必要な体制・人員を措置するとともに、執行体制の抜本的な見直しや徹底した業務改革等を行った結果、全任命権者(都全体)で職員数は減少している。24年度においては、住民基本台帳法の改正に伴う住民基本台帳の登載人口の拡大により、都の人口が対前年度比3.5%(443,369人)に増加したことなどにより、対前年度比-3.4%(-39.18人)減少し、1,118.95人となった。引き続き徹底した内部努力を行い、限られた人材を有効に活用しながら、新しい時代に対応した少数精鋭による効率的な執行体制の構築に努めていく。
実質公債費比率が毎年減少している主な要因は、算定上の分子である元利償還額が減少していることによる。また、算定上の分母である標準財政規模は、19年度から20年度にかけて増加していたため、分子・分母ともに改善されていたが、21年度以降は分母の減少により、当該指標が上昇する方向に動いているものの、元利償還額の減少率が分母の減少率を上回るため、実質公債費比率は改善の方向に動いている。24年度において、3か年平均では0.5ポイント改善し1.0%となった。都にあっては、都市計画税を都道府県で唯一特例で課税しているため、他道府県に比べて実質公債費比率が低くなっている。
堅調な企業収益を背景とした都税収入の増収などに伴い、標準財政規模や充当可能基金が増加したことなどから、20年度には63.8%となった。しかし21年度以降、将来負担額は着実に減少しているものの、急速な企業収益の悪化など標準財政規模の大幅な減(21年度:対前年度比-19.1%(-8,144億円)、22年度:同-17.5%(-6,041億円))により、90%台前半まで上昇した。23年度においては、標準財政規模は減少したが、将来負担額は対前年度比-0.3%(-323億円)となった結果、将来負担比率は0.9ポイント改善し、92.7%となった。24年度は標準財政規模が増加するとともに、引き続き将来負担額が対前年度比-1.2%(-1,238億円)となったため、将来負担比率は7.3ポイント改善し85.4%となった。
人件費については、19年度から21年度にかけて約4,000人の定数削減を行うなどの内部努力や減額給与改定などにより、20年度以降減少が続いている。しかし、算定上の分母である歳入が都税収入の大幅な減などにより、21年度は対前年度比-19.0%(-7,802億円)となったため、7.0ポイントの上昇となった。24年度においては、歳入が対前年度比3.6%(1,173億円)の増になるとともに、人件費が対前年度比-1.5%(-183億円)となったことから、1.9ポイントの改善となっている。
20年度までは安定した比率で推移していたが、21年度における上昇は、前述のとおり歳入の減によるものである。22年度においては、職員に係る児童手当及び子ども手当の性質別歳出項目が人件費から変更されたことに伴う純増(76億円)があったため、0.3ポイントの上昇となった。23年度においては、社会保障関連の歳出が増加し、0.2ポイントの上昇となっている。24年度においては、障害児支援事業について児童福祉法の一部改正に伴う区市町村事務移管などにより、0.1ポイントの低下になっている。
その他(維持補修費及び貸付金)については、貸付金増減額の影響を受けることから、全体の経常収支比率と傾向が異なる。21年度においては、貸付金が対前年度比-74.9%(-240億円)のため、歳入の大幅な減にも関わらず0.3ポイントの改善となった。22年度においては、貸付金が対前年度比530.7%(427億円)と大幅増となったことにより1.3ポイントの上昇となったが、23年度においては同-22.7%(-116億円)となり、0.3ポイントの改善、24年度においては同-14.8%(-58億円)となり、0.3ポイント改善した。
補助費等については、全体の経常収支比率とほぼ同じ傾向である。24年度については、社会保障関連などの歳出が増加し、対前年度比6.0%(610億円)となり、0.8ポイント上昇し32.0%となった。
公債費については、歳出年度以前の都債発行額の影響が大きいため、全体経常収支比率の傾向と大きく異なっている。24年度については、元金償還金の減などにより、対前年度比-2.0%(-99億円)となったため、0.8ポイント改善し14.0%となった。