地域において担っている役割
千葉県における精神科救急医療システムの中核医療施設として、24時間体制での救急受診相談、受け入れ医療機関のコーディネートと当センターでの救急受診など、短期集中医療の提供や早期の地域移行へ導くための役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、29年度においては前年度比で2.3ポイント増の102.7%となり、引き続き100%以上の数値を維持している。収益について、外来収益は患者数の減少とジェネリック医薬品の採用拡大により減少傾向にある。入院については、病床利用率90%前後で推移しており、急性期の患者数も増加傾向にあるため、⑤入院患者1人1日当たり収益は類似病院平均値と比較しても高い水準で推移している。費用については、⑦職員給与費対医業収益比率が上昇傾向にあるが、⑧材料費対医業収益比率は、ジェネリック医薬品の採用拡大や千葉県立病院全体での共同購入の推進により低下している。以上のことから、経営の健全性、効率性は確保されている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率および②機械備品減価償却率の推移から読み取れるように、類似団体同様上昇傾向にあり、老朽化が進行している。当センターは、同じ県立病院の救急医療センターとの一体整備が数年後に予定されているため、それまでは現行施設で県立病院としての機能を適切に維持していく必要がある。従って、施設の老朽化や安全性を適切に評価し、健全経営を維持しながら施設修繕・設備更新を効率的かつ計画的に進めていく必要がある。
全体総括
経営状況としては、経常収支比率が100%を超えているものの医業収益が減少傾向にあるため、経常収支も減少傾向にある。そのため、「千葉県立病院新改革プラン」の遂行に尽力し収益増に取り組むとともに、引き続き費用の縮減を徹底することにより、病院施設を適切に維持管理していく必要がある。「老朽化」への対策については、近隣の県立病院である千葉県救急医療センターとの一体的整備を進めていく。