経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率39.21%→101.62%と大きく改善していますが、これは基準内の分流式下水道等に要する経費、及び基準外の赤字補填の営業補助費用の繰入による営業外収益(一般会計負担額)が大幅に増加したためです。④企業債残高対事業規模比率は7174.74%→0%となりましたが、今後償還する予定の企業債の一般会計負担額が増加したためです。数値は大きく変わりましたが、実態としては以前より変わっておりません。⑤経費回避率18.84%→67.42%と⑥汚水処理原価841.51円→245.10円と大きく改善していますが、同様に分流式下水道等に要する経費繰入額の見直しによって、汚水資本費の公費負担額を増加させたためです。分流式下水道等に要する経費控除前の経費回収率は依然として19%を下回っており、経営改善はしておらず維持管理費も賄えていない状態です。加入率向上、使用料値上げ、その他の経営改善により、長期的には維持管理費の80%以上を使用料収入で回収できるよう努力していきます。⑦施設利用率は10.80%と低水準でほぼ横ばいとなり、⑧水洗化率は未加入世帯の人口減少と加入世帯数微増にともない45.82%→47.34%と平成26年度よりやや増加となりました。
老朽化の状況について
管渠の改善は行っておらず、当面の規模拡張、更新の予定もありません。平成30年度以降に機能診断を実施する見込みで、診断結果によっては管渠の改善や更新が必要となる場合があります。
全体総括
基準内繰入金である分流式下水道等に要する経費(不採算の赤字補填経費)を見直したことで、定量的な決算数値が大きく改善しましたが、一般会計が負担すべきと定める企業債の元利償還金全額を公費負担としたためです。定性的な実態としては、一般会計の繰入に依存している状態が以前より継続しており、変わっていません。少子高齢化による区域内人口減少、維持管理費も年々増加傾向にあり、経営環境はむしろ以前より悪化しています。経営効率化を図っても赤字体質は避けられません。過度な利用者負担とならないよう、過度に基準外の繰入金に頼ることなく、総務省の指針に従い、適正な使用料の範囲で運営できるよう努力していきます。