経営の健全性・効率性について
経常収支比率では100%を超え黒字であり、流動比率でも100%を超え1年以内の支払能力はあるが、料金回収率が70%台とやや低く給水収益だけでは賄え切れておらず、一般会計からの繰入金によって財源を確保している。企業債残高対給水収益比率は年々下がっているが規模の大きい投資はしておらず、1㎥当たりの費用である給水原価が350円前後と、実際の1㎥当たりの水道料金よりも高い水準で推移し費用の効率性が悪い。施設利用率は80%弱で推移し施設稼働はほぼ安定しており、有収率も80%以上あり、施設が効率的に利用され収益につながっている。累積欠損金は発生していない。
老朽化の状況について
平成25年度に道路工事に伴う水道管移設工事を実施した。法定耐用年数に達した管路はまだないが、あと数年で達する管路がある。管路を含めた施設全体の減価償却率が60%を超え、年々、法定耐用年数に近づく中、計画的な更新が必要である。
全体総括
近年、投資はしていないが、今後、法定耐用年数到達による施設更新等の時期を迎えた時、その財源を給水収益に求めるのか、企業債に求めるのか。給水人口の減少に伴い給水収益も減額していく中、給水原価も企業債残高対給水収益比率も高い水準で推移していることから、財源にどちらを求めても現在の料金体系では経営が厳しく、更新計画と併せて料金改定も検討していかなければならない。