経営の健全性・効率性について
経費回収率は類似団体平均より6.39%高いが39.97%と低い数値になっている。これは集落排水事業が小規模で処理人口も少ないため、汚水処理原価が高くなる(類似団体平均より67.59円高い)ことから、使用料収入でだけでは汚水処理経費を全額回収することは極めて難しい状状況となっている。収益的収支比率は89.09%とある程度の経営健全性を維持しているが、地方債償還金及び収支不足分は、一般会計繰入金と基金繰入金に依存しており、収入の減少で収益収支比率も年々下がっていることから、適切な収入の確保が望まれる。企業債残高は平成13年度に供用開始してからピークは過ぎており減少傾向で、今後は、施設の長寿命化等の更新需要の高まりで、償還額は増える可能性はあるが、企業債残高は償還完了等で減少していくものと考えられる。対事業規模比率0.00%なのは、地方債償還金の全額を一般会計からの基準内繰入金により補っているためである。類似団体平均より施設利用率は14.99%下回り、14.29%とかなり低いが、水洗化率は9.01%類似団体平均を上回っているのは、処理区域内人口が少ないためであり、処理能力に対し施設稼働状況はかなりの余裕をもっていることから、最大時の稼働率を考慮しながら施設の規模適正化か望まれる。
老朽化の状況について
管渠改善率は、平成13~17年度に供用開始されてから、まだ耐用年数を経過していないことから、管渠更新はしていないため0.00%である。
全体総括
現状では一般会計からの繰入金により経営の健全性は図られているが、使用料収入では汚水処理費の4割程度しか賄えていないため、料金適正化の検討等の経営改善が求めまれる。しかしながら、同一会計の特環下水道と料金格差をつける事は難しいことから、下水道事業全体での料金適正化の検討が必要となる。効率性に関しては、類似団体より水洗化率は高く施設利用率は低いため、場合によっては規模縮小化を含めた施設規模の適正化が求められる。管渠改善はまだ耐用年数を経過していないため、当面更新の必要はないが、不明処理水(処理水量-有収水量)があることから漏水調査等の管渠改善対策が望まれる。