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地方財政ダッシュボード

山梨県甲州市の財政状況(2020年度)

🏠甲州市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

類似団体の平均値を上回る0.44となったが、前年度比0.01ポイント低下している。基準財政収入額については、固定資産税等の減はあったものの、市民税や地方消費税交付金等の増により、約180,000千円増加した。基準財政需要額については、合併特例債や臨時財政対策債の償還の本格化に伴う公債費の増等により、約329,000千円増加した。基準財政収入額の伸びを上回る基準財政需要額の伸びにより指数が低下したが、指数の向上に向け、今後とも歳出の徹底した見直しと高水準にある市税徴収率の維持に努め、財政健全化を推進する。

経常収支比率の分析欄

類似団体の平均値を上回る92.7%であり、前年度比1.0ポイント悪化した。経常充当一般財源については、会計年度任用職制度の導入に伴う人件費の増や旧合併特例債や臨時財政対策債の償還がピーク付近を迎えたことによる公債費の増などにより、約203,000千円増加した。経常一般財源等については、臨時財政対策債の減はあるものの、地方消費税交付金や地方交付税の増により、約125,000千円増加した。経常一般財源等の増を上回る経常充当一般財源の増があったため、比率は悪化し、90%を超える高い比率で推移しているが、第3次行政改革大綱に示された各種施策を継続するとともに、事業の抜本的な見直しを進め、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体の平均値を大きく下回る170,353千円だが、前年度比10,403千円増加した。人件費については、会計年度任用職員制度の導入に伴い、約290,000千円増加した。物件費については、小中学校GIGAスクール対応教育用端末購入費、感染症対策として市民へのマスク配布事業や小中学校、保育所、その他公共施設及び避難所用の感染症対策備品購入費などの増はあったものの、会計年度任用職員制度導入に伴う賃金廃止による減などにより、約90,000千円減少した。今後も人件費の抑制を図るため、第3次行政改革大綱に基づく職員定員管理を行うとともに、行政事務経費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数については、類似団体の平均値を下回る95.6となっている。全国市平均も大きく下回る値で推移していることから、現在の水準を維持し、職員給与が市の財政をひっ迫させることのないよう、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体の平均値を下回る9.55人となり、前年度比0.02ポイント減少した。市では、平成18年度に作成した集中改革プランに基づき、退職者不補充や早期退職者奨励制度の活用など定員適正に努め、目標値を上回る54人を減員してきた。また、第3次行政改革大綱においては、平成22年度の集中改革プランによる職員適正化直後の数(373人)を超えない範囲の職員数の維持を目標設定しているところである。今後も多様化する行政ニーズに的確に対応できる組織体制を維持しつつ、定員抑制を図るため、市管理施設の指定管理者制度への移行等を検討する。

実質公債費比率の分析欄

前年度から0.4ポイント増加した16.4%となり、依然として類似団体の平均値を上回る高い数値である。都市計画税の課税再開による特定財源の増はあるものの、合併特例債や臨時財政対策債の償還の本格化が影響し、比率は上昇した。令和3年度に公債費の償還ピークを迎え、数年は高止まりすることが想定されるため、3ヵ年平均で算出される実質公債費率も高止まりすることが見込まれる。今後も、普通建設事業の選択実施の取り組みを継続し、公債費負担の適正化に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体の平均値を大きく上回る114.3%となったが、前年度から32.8ポイント改善している。将来負担額については、地方債残高の減や公営企業債等繰入見込額の減等により減となった。また、将来負担額から控除される充当可能特定財源等については、都市計画税の課税再開に伴い増となった。標準財政規模については、地方消費税交付金や普通交付税の増によって増となった。将来負担額の減少と標準財政規模の増加によって比率が大幅に改善し、今後も地方債残高の減少によりさらなる改善が見込まれるが、引き続き健全化指標に注視した財政運営を行っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

類似団体の平均値を大きく下回る22.7%であり、前年度比1.8ポイント増加した。人事院勧告に伴う職員給の期末勤勉手当の減や退職手当負担金の減はあるものの、会計年度任用職員制度導入に伴うフルタイム、パートタイム職員経費の増により、比率が増加した。今後は、事業の整理・統合によって会計年度任用職員について必要最低限の雇用に努めるとともに、第3次行政改革大綱において目標設定している平成22年度の職員数を超えない範囲での退職者数と同数の採用を基本に、市管理施設の指定管理者制度等への移行を検討し、定員適正化と人件費の縮減に努める。

物件費の分析欄

類似団体の平均値と同じ12.8%であり、前年度比から1.1ポイント減少した。会計年度任用職員制度開始に伴う臨時的任用職員賃金の減、前年度に実施した市長・市議会議員選挙経費の減など一般財源で賄われる経常的な物件費が減少したことが要因として挙げられる。比率の改善が見られたため、今後も事業の抜本的な見直しを継続し、行政事務経費の更なる縮減に努める。

扶助費の分析欄

類似団体の平均値を下回る7.1%であり、前年度比1.3ポイント減少した。コロナ禍における生活支援として、子育て応援給付金事業、子育て世帯への臨時特別給付金事業等を実施したことによる増はあるものの、子ども医療費助成費や生活保護扶助費の減が主な要因として挙げられる。なお、令和2年度の減少は生活保護医療扶助費の減によるところが大きく、一時的なものと考えられ、少子高齢化の進展や経済を取り巻く環境の厳しい状況を踏まえると、今後扶助費の増加が見込まれるため、その動向を注視していく。

その他の分析欄

類似団体の平均値を大きく下回る6.9%であり、前年度比5.5ポイント減少した。主な要因として、繰出金で下水道事、簡易水道事業の法適用公営企業への移行に伴う性質変更による減、国民健康保険事業特別会計等への減が挙げられる。今後は、高齢化による介護保険会計等への繰出金の増や施設の老朽化に伴う維持修繕費の増加が見込まれるため、各会計の経費の節減を図るとともに、公共施設等総合管理計画に基づく管理・措置を実施し、施設の長寿命化等を図っていく。

補助費等の分析欄

類似団体の平均値を上回る19.9%であり、前年度比6.7ポイント増加した。全国各地から応援いただく中で高水準を維持しているふるさと納税寄附金の返礼品購入費の増、生活保護費等国庫負担金返納金の増、下水道事業、簡易水道事業の公営企業法適用に伴う性質変更による増などにより大幅に増加した。今後は、東山梨行政事務組合への常備消防施設等の建設に係る公債費負担金の減や下水道事業会計の公債費の減により減少傾向にあると見込んでいるが、類似団体の平均値に近づくことができるよう、各種補助金や負担金などの必要性や効果を充分検討し、縮減に努める。

公債費の分析欄

類似団体の平均値を上回る23.3%であり、前年度比0.4ポイント増加した。新市まちづくり計画に基づき実施してきた各事業の充当財源である合併特例事業債、普通交付税の代替財源として発行した臨時財政対策債の償還が本格化したことが主な要因として挙げられる。令和3年度に償還のピークを迎え、数年は高止まりするため、それまでは厳しい財政運営になることが予想されるが、地方債の新規発行を抑制し、比率の改善に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体の平均値を下回る69.4%であり、前年度から0.6ポイント増加した。合併特例債や臨時財政対策債などの償還が本格化したことにより、公債費は増加しているが、一般財源を充当する人件費や補助費等などの経常経費の増加がそれを上回ったため、比率が増加した。今後、経常経費の削減に向けて、第3次行政改革大綱に示された各種施策を着実に実行していく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

主な項目をみると、議会費は類似団体平均値を上回る5,681円で、前年度比223円の増となった。前年度2月に行われた補選によって定員となったこと伴う議員報酬の増などが主な要因である。総務費は類似団体平均値を下回る206,753円で、前年度比106,911円の大幅な増となった。合併振興基金積立金の減など減要因もあったが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う支援策として、定額給付金給付事業や高校生、大学生等生活支援事業を実施したこと、ふるさと納税寄附金の伸びに伴う寄附者返礼品購入費と基金積立金の増が主な要因である。民生費は類似団体平均値を大きく下回る162,290円で、前年度比5,774円増加した。児童扶養手当や生活保護扶助費の減など減要因はあったが、私立保育所等運営費補助金の増や、コロナ禍における支援策として、子育て応援給付金事業や子育て世帯への臨時特別給付金事業などを実施したことにより増加した。今後、少子高齢化による扶助費の増加に伴い民生費の増が見込まれるが、全国的に増加傾向になるため、類似団体平均値付近で推移すると考えられる。衛生費は類似団体平均値を下回る48,639円で、前年度比5,718円増加した。新型コロナウイルス対策として市民へのマスク配付事業や医療機関への支援金給付事業を実施したことによる増、甲府・峡東クリーンセンター建設債元金償還の本格化に伴う一部事務組合への負担金の増が主な要因として挙げられる。農林水産業費は類似団体平均値を下回る22,474円で、前年度比894円の増となった。有害鳥獣防護柵整備事業や特産農産物生産事業の事業費の減など減要因はあったが、6次産業化施設整備事業の実施や農業体質強化基盤整備促進事業の事業費増などにより増加した。農林水産業費は、本市の主要産業である農業や全国的に高い評価を受けているワイン産業の推進のため各事業を実施していることから、全国平均より高い値で推移している。商工費は類似団体平均値を下回る18,845円で、前年度比6,488円増加した。コロナ禍の影響で各種イベントを中止したことによる減などの減要因はあったが、コロナ禍での経済対策及び生活支援として地域応援商品券事業を実施したことによる増や商工振興資金預託金を増額したことが主な要因として挙げられる。土木費は類似団体平均値を下回る52,282円で、前年度比7,349円増加した。前年度完成した甲斐大和駅トイレ整備事業の減など減要因はあったものの、橋りょう長寿命化改修事業費や下水道会計繰出金の増などにより増加した。消防費は類似団体平均値を下回る24,646円で、前年度比2,168円増加した。避難所でのコロナ対策として、各種備品、備蓄品を購入したことなどにより増加した。教育費は類似団体平均値を下回る57,962円で、前年度比14,7851円の増となった。小学校教師用教科書指導書購入費や釈迦堂遺跡博物館負担金の減などの減要因はあったが、GIGAスクール構想実現のための環境整備及び端末整備の実施、オリンピック事前合宿対応のためのトレーニング機器購入、各学校での新型コロナウイルス感染症対策経費の増などにより増加した。公債費は類似団体平均値を上回る78,166円で、合併特例債や臨時財政対策債等の償還が本格化したことにより前年度比3,104円の増加となった。なお、現時点では令和3年度に地方債償還のピークを迎える見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民1人当たり(令和3.1.1現在)680,083円であり、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴う感染症対策及び経済対策事業の実施の影響で、前年度から155,037円と大幅に増加した。主な項目を見ると、人件費は類似団体平均値を下回る87,128円であり、前年度比10,594円増加した。人事院勧告による期末勤勉手当の減や退職者数の減少に伴う退職手当組合負担金の減などの減要因はあるものの、会計年度任用職員制度の導入に伴い、フルタイム、パートタイム職員経費が加わったことにより大幅に増加している。補助費は類似団体平均値を上回る219,302円であり、前年度比148,105円の大幅な増加となった。釈迦堂遺跡博物館リニューアル事業終了に伴う組合負担金の減などの減要因はあるものの、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴う支援策として、市民一人10万円の定額給付金事業、高校生、大学生等生活支援事業、子育て応援給付金給付事業を実施したことによる増、下水道事業と簡易水道事業の法適用公営企業への移行に伴う一般会計繰出金の性質変更による増などにより大幅に増加した。物件費は類似団体平均値を下回る87,393円で、前年度比1,591円減少した。会計年度任用職員制度の導入に伴う賃金の廃止による減、小学校教師用教科書指導書購入費の減などにより減少した。今後についても、引き続き行政事務経費等の縮減に努めていく。扶助費は類似団体平均値を下回る90,536円であり、前年度比97円増加した。児童手当、児童扶養手当や生活保護扶助費等の減により扶助費自体は減少しているが、人口減少により住民一人当たりのコストは増加した。普通建設事業費は、前年度比14,306円増加したが、地方債の発行抑制を目的として事業の選択実施をしていることから、類似団体平均値を大きく下回る46,902円となった。甲斐大和駅トイレ整備事業や有害鳥獣防護柵整備事業などの終了による減などの減要因はあるものの、GIGAスクール構想実現のための小中学校ネットワーク環境整備事業の施工、橋りょう長寿命化事業や農業体質強化基盤整備事業の事業費増、本庁舎地下倉庫改修事業の施工などにより、新規整備、更新整備ともに増加となった。公債費は類似団体平均値を上回る78,166円であり、前年度比3,104円増加した。合併特例債や臨時財政対策債の償還が本格化してきたことが主な要因である。今後も、令和3年度に償還のピークを迎え、数年は公債費の高止まりが見込まれることから、建設事業の選択実施により地方債の新規発行を抑制し、公債費負担の適正化に努めていく。繰出金は類似団体平均値を大きく下回る32,900円であり、前年度比30,042円減少した。下水道事業と簡易水道事業の法適用公営企業への移行に伴う一般会計繰出金の性質変更による減が主な要因だが、今後も各特別会計の経費の節減を図り、普通会計の負担額を減らしていく。積立金は類似団体平均値を下回る28,823円であり、前年度比7,320円増加した。ふるさと納税寄附金の伸びに伴う基金積立金の増が主な要因として挙げられる。今後は、災害等へ備える財政調整基金や施設更新に備える公共施設整備基金への積立を行うため、事業の抜本的な見直しを行い予算確保に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度については、前年度比で財政調整基金残高0.18ポイント減、実質収支額1.84ポイント増、実質単年度収支2.79ポイント増となった。都市計画税の課税再開やふるさと納税寄附金の伸びに伴う歳入の増加により、実質収支が改善するとともに、財政調整基金の取り崩しを行わなかったため、実質単年度収支も改善した。今後も、歳入の確保に努めるとともに、第3次行政改革大綱に基づく施策を着実に実行し、計画的に財政調整基金の積立ができるよう、行財政運営の健全化に向けた取り組みを推進する。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

連結実質赤字比率に係る黒字額は前年度より増加している。介護保険事業特別会計で0.70ポイント減少したが、一般会計で1.84ポイント、国民健康保険事業特別会計で0.12ポイント、居宅介護予防支援事業特別会計で0.02ポイント増加したことが主な要因として挙げられる。法適用公営企業については、水道事業会計で0.39ポイントの減、勝沼ぶどうの丘事業会計で0.19ポイントの減、勝沼病院事業会計で0.01ポイントの減となった。また、下水道事業会計は、公営企業法適用に伴う名称変更により、令和元年度ではその他会計に分類されている。令和元年度は、公営企業法適用のための打ち切り決算によって赤字となっているが、令和2年度は0.24ポイントの増となった。今後も黒字額が増加できるよう、各事業会計において、更なる収入確保と歳出抑制に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

実質公債比率の分子構造で最も高い割合を占めている元利償還金については、合併特例債や臨時財政対策債の償還の本格化に伴うの元金償還金の増により、前年度から60百万円増加した。しかしながら、債務負担行為に基づく支出額の減や都市計画税の課税再開に伴う特定財源の増などにより、実質公債比率の分子については、前年度と比較し52百万円減少した。今後、令和3年度に公債費の償還ピークを迎え、数年は元利償還金が高止まりすると見込まれていることから、建設事業の実施にあたっては、緊急性、必要性を十分に検討した事業実施に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担比率の分子に算入される将来負担額については、一般会計等の地方債残高において元金償還額が借入額を上回り、1,176百万円の大幅な減となった。加えて、土地開発公社等への債務負担行為に基づく支出予定額の205百万円の減、下水道事業の地方債残高減の影響で公営企業債等繰入見込額の1,229百万円の減、退職手当組合積立不足額の減に伴う退職手当負担見込額102百万円の減となった。算定で除かれる充当可能財源等については、公共施設整備基金の取り崩しを行ったものの、ふるさと納税寄附金の伸びに伴うふるさと支援基金の増などにより、364百万円の増となった。また、都市計画税の課税再開により、充当可能特定歳入も394百万円の増となった。今後、地方債の新規発行抑制や発行額を上回る償還による地方債残高の減少によって、比率が徐々に改善していくことが見込まれるが、引き続き健全化指標に注視し、財政運営を行っていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)減債基金、公共施設整備基金、中山間農村地域活性化基金は、利子のみの積立に留まった。社会福祉基金は、果実運用型基金として運用していることから、残高は変動していない。土地開発公社への償還金の充当財源とするために、公共施設整備基金を100百万円取り崩したことや合併振興基金の積立額を上回る取り崩しという減要因はあるものの、財政調整基金の取り崩しを行わなかったことや、全国各地から応援いただき大幅に増加したふるさと納税寄附金を原資としたふるさと支援基金積立金の増加などにより、全体で213百万円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金は、標準財政規模の10%に満たない状況であるため、災害等に備え一定額の確保に取組み、同時に、施設老朽化も進んでいることから、公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画の財源の裏付けとなるよう、公共施設整備基金への積立も併せて行っていく。減債基金は、現時点で、令和3年度に公債費の償還ピークを迎え、数年は公債費が高止まりすると見込まれていることから、償還のピーク時に減債基金の活用も検討していく。ふるさと支援基金については、ふるさと納税寄附金が原資であるため、流動的な部分は大きいが、新たな歳入の確保として、国が示す方針に即す中で積極的に推進する。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度は財政調整基金の取り崩しを行わなかったため、年度末残高は前年度末から変動なく、748百万円となっている。なお、預金利子を積み立てたため、円単位では前年度末から8,083円増加した。(今後の方針)財政調整基金は、平成26年度に雪害対応のため598百万円、平成30年度に150百万円、令和元年度にも100百万円を取り崩した影響で、令和2年度末残高において標準財政規模の10%に満たない状況である。今後は事業の抜本的な見直しによる歳出の削減を進め、災害等に備えるため当該取崩分を積み戻し、標準財政規模の15%程度を確保できるよう努めていく。

減債基金

(増減理由)減債基金は、利子のみの積立であり、百万円単位での表記であるため、平成30年度から増減なく151百万円で推移している。円単位では、前年度末から40,666円増加した。なお、公債費は合併特例債や臨時財政対策債の償還が本格的になってきたことから増加しているものの、減債基金を取り崩さずに財政運営ができている。(今後の方針)本市では、市場公募型地方債を発行しておらず満期一括償還の地方債が無いため、年度ごとの計画的な積立の必要はないと考えている。今後、令和3年度に公債費の償還ピークを迎え、数年は公債費が高止まりすることが見込まれていることから、償還のピーク時に減債基金の活用も検討していく必要がある。

その他特定目的基金

(基金の使途)・合併振興基金:甲州市における市民の連帯の強化又は地域振興のための事業・ふるさと支援基金:甲州市ふるさと寄附条例に掲げる事業(①豊かな自然の保護と美しい景観形成のための事業、②地域資源を活用した果樹園交流推進のための事業、③地域の将来を担う子どもたちの健全育成のための事業、④誰もが安心して健康に暮らすことのできるまちづくりのための事業、⑤上記の他、市長が目的のために必要と認める事業)・公共施設整備基金:公共施設の整備に必要な費用(増減理由)・合併振興基金:合併特例債等を原資に90百万円の積み立てを行ったが、自主防災組織資器材等整備事業など基金の目的に即した各種ソフト事業充当のため98万円を繰り入れたことで、残高は8百万円の減となった。・ふるさと支援基金:積立の原資となるふるさと納税寄附金は、創意工夫によって推進を図り417百万円増となり、その結果当該基金への積立も319百万円増の780百万円となった。一方、こども医療費助成事業などの寄附目的に即した各種事業充当のための繰入は、令和元年度から122百万円増の470百万円となった。残高は、積立額と繰入額の増により854百万円となった。・公共施設整備基金:土地開発公社への償還金の充当財源とするため100百万円を取り崩し、利子のみ積立に留まったため、令和元年度から100百万円減の113百万円となった。円単位では99,828,156円の減となった。(今後の方針)・合併振興基金:令和2年度を以って合併特例債が発行上限額に到達したため、今後利子のみの積立となる。新市まちづくり計画に掲げた主要施策に充当し、着実な事業実施に努める。・ふるさと支援基金:ふるさと納税寄附金が原資であるため、流動的な部分は大きいが、新たな歳入の確保として、国が示す方針に即す中で積極的に推進する。・公共施設整備基金:公共施設等の更新に向け計画的に積立を行い、施設更新が市財政を圧迫しないように努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

公共施設の更新事業が進められているが資産の減価償却も進んでいるため前年度から0.5ポイント増加し、類似団体平均値を大きく上回っている。特に比率の高い道路、保育所等、学校施設については、道路において古くから存在しているものが多く、毎年小規模な改修に留まっていること。また、合併市町村であるため資産自体が多く、その多くの施設で最低限の修繕等により維持管理を行っていることが、全体的に比率が高い要因である。今後は、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の統廃合を含めた計画的な更新等を実施していく。

債務償還比率の分析欄

地方債現在高や債務負担行為に基づく支出予定額、公営企業債や職員の退職手当負担見込額等の将来負担額が減少したことなどの要因により前年度から79.5ポイント減少したものの、類似団体平均値を上回っている状況である。将来負担額は、地方債残高が逓減しており、土地開発公社への債務も終了したこと、都市計画税の課税再開による充当可能財源の増加が見込まれることから、比率は改善されていくものと予測している。今後も引き続き建設事業の選択実施を継続し、公債費負担の適正化を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

前年度との比較では、将来負担比率が32.8ポイント減となったが、有形固定資産減価償却率が0.5ポイント増となった。将来負担比率、有形固定資産減価償却率とも、類似団体平均値を大きく上回っている。減少した要因については、地方債残高の減、下水道事業の地方債残高の減などにより公営企業債等繰入見込額の減、土地開発公社への債務完済による債務負担行為に基づく支出予定額の減が挙げられる。また、有形固定資産減価償却率においては、保有資産量が多く、老朽化施設についても小規模修繕にて対応し、資産を活用している等の理由が考えられる。今後、将来負担比率については、都市計画税の課税再開による充当可能財源の増に伴う比率の改善が見込まれるが、長期的に比率が改善できるよう公共施設等総合管理計画や個別施設計画に掲げる目標等を着実に実行しつつ、事業実施にあたっては建設事業の選択実施を継続し、公債費負担の適正化を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

前年度との比較では、地方債残高の減、下水道事業の地方債残高の減などにより公営企業債等繰入見込額の減、土地開発公社への債務完済による債務負担行為に基づく支出予定額の減が要因となり将来負担比率が32.8ポイント減となった。また、実質公債費比率は都市計画税の課税再開により、控除される公債費充当特定財源が増加したことで単年度比率では減少しているが、過去2年間の数値は補えず、3ヵ年平均では0.4ポイント悪化している。両比率とも類似団体平均値を大きく上回っているが、地方債残高は減少傾向になることから改善していく見込みである。今後については、公債費の推移を注視する中で、引き続き建設事業の選択実施を継続し、公債費負担の適正化を図り、長期での比率改善に向け更なる財政の健全化に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体内平均値、山梨県平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、道路(86.2%)、保育所等(94.6%)、学校施設(73.9%)である。道路については、古くから存在する道路が多く、改修についても毎年小規模な改修に留まっていることから、比率が高い状況にあると考えられる。道路に関しては市民生活に密着したインフラ資産であるため、効果的な長寿命化を図っていく。保育所等については、全ての施設が建築後30年以上経過し、減価償却累計額が取得価格に迫っているため、比率が高い状況である。老朽化は進んでいるため、効果的な修繕を継続していきながら維持管理に努めていく。学校施設については、昭和50年代に建設された施設が多く、減価償却が進んでいるため、比率が高い状況である。今後については、個別施設計画に基づき、計画的に修繕・更新等を実施していくとともに、施設の再編等を進める。なお、橋りょう・トンネル(63.3%)と児童館(59.9%)についても、類似団体内平均値より有形固定資産減価償却率が高く、一人当たりの有形固定資産額及び面積も類似団体平均を上回っているため、維持管理経費の増加に留意しながら、適切な措置を講じていく必要がある。橋りょうについては保有資産が多いため、橋梁長寿命化計画に基づく点検等を実施し、計画的な改修を実施していく。一方、類似団体内平均値より低い施設は、公営住宅(58.1%)と公民館(63.9%)で、保有量の約5、6割程度の償却となっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

上記事業資産(施設)のうち有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を上回っているのは、図書館(48.0%)、体育館・プール(72.2%)、保健センター(51.4%)であり、その中でも平均値を大きく乖離(5%以上)している施設は、体育館・プールである。体育館・プールについては、一部の体育館を改修したものの、他の施設については建築後30年以上経過しているものが多いため、比率が高い状況である。図書館と保健センターについては、類似団体内平均値を上回っているものの、平均値と同程度に推移しているため、老朽化が著しい状況ではないと考えられる。福祉施設(35.4%)、市民会館(48.7%)、一般廃棄物処理施設(42.2%)、庁舎(36.3%)については、類似団体内平均値を下回っており、老朽化が進んでいる状況ではないと考えられる。特に一般廃棄物処理施設に関しては、除却事業を計画しており、今後数値の減少が見込まれる。また、庁舎については平成22年度に旧ショッピングセンターを改修して本庁舎として活用したこと、福祉施設については救護施設を平成16年度に建て直したこと、市民会館については平成25年度に大規模改修を実施したことが比率の低い要因として考えられる。しかしながら、分析表①と合わせて市全体では、有形固定資産減価償却率がインフラ資産を含め非常に高い状況にあるため、公共施設等総合管理計画、及び個別施設計画に基づき、計画的な更新・長寿命化を実施していく必要がある。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から511百万円の減少(△0.8%)となった。インフラ資産は、塩山駅南口広場改修事業や橋りょう長寿命化事業の事業費増などといった増要因により、441百万円増加(3.4%)したものの、事業用資産でGIGAスクール構想実現のための校内ネットワーク環境整備事業や勝沼ぶどう郷駅トイレ感染症対策事業の実施などの増要因はあるが、年度中の減価償却費が固定資産取得費を上回り、1,358百万円減少(△3.4%)したことが主な要因として挙げられる。なお、資産総額のうち、有形固定資産の割合は87.5%を占め、資産老朽化率も79.3%と資産老朽化の進行が顕著に表れていることから、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の更新・統廃合・長寿命化等を計画的に実施し、適正管理に努めていく。負債総額については、前年度から1,365百万円の減少(△5.4%)となった。負債の大部分を占める地方債残高は、大規模普通建設事業の実施による借入があったものの、合併特例債等の償還の本格化により、元金償還額が借入金額を上回ったため、1,275百万円(△6.4%)減少した。現在の見込みでは、令和3年度に地方債償還のピークを迎え、それまでの間は償還額が高止まりするため、地方債残高は減少傾向にあることから、負債総額についても減少を見込んでいる。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は18,799百万円となり、前年度比3,463百万円の大幅な増加(22.6%)となった。コロナ禍において、住民へのマスク配布事業や定額給付金支給事業など感染症対策及び経済対策事業を実施したことが増加した主な要因である。また、経常収益においては、コロナ禍での子育て世帯への支援策として一定期間、保育料及び学校給食費を無償化したことや市内巡回バスや社会体育施設の利用者が減少したこと、児童センター及び公立保育所の使用料を一定期間、無償化したことなどにより、283百万円となり、前年度比27百万円の減少(△8.8%)となった。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,242百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助費等に計上しているため、移転費用が5,773百万円多くなり、純行政コストは7,221百万円多くなっている。次年度以降もコロナウイルスの影響による各種対策経費などが純行政コストが高止まりする要因があることから、行政改革大網に掲げた施策を着実に実行し、よ経費の縮減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(18,961百万円)が純行政コスト(18,513百万円)を上回っており、本年度差額は448百万円となり、純資産残高は854百万円の増加となった。コロナ禍において、各種経済対策事業や感染症対策事業の国庫財源を活用し、実施したことから補助金等が大幅に伸びた影響などにより増加したと考えられ、また、公衆用道路等の無償所管替等の増加なども、純資産が増加要因として挙げられる。今後は普通交付税が本来の算定となることから、税収や国県支出金等の財源を見通すなかで、財政規模に見合った事業の実施、必要性に応じた事業の取捨選択の取り組みを継続していく。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計と比べて税収等が3,568百万円多くなっており、本年度差額は2,411百万円となり、純資産残高は11,358百万円の増加となった。連結では、山梨県後期高齢者広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が11,899百万円多くなっており、本年度差額は2,515百万円となり、純資産残高は11,443百万円の増加となった。増加の主な理由は、全体と同様である。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等の資金収支額は、251百万円となり、前年度から194百万円の増加となった。内訳として、業務活動収支は2,174百万円となり、前年度から625百万円の増加となった。新型コロナウイルス感染防止対策及び経済対策実施に伴う特別定額給付金給付事務費補助金などの各種補助金の増、GIGAスクール構想による小中学校の端末等整備に伴う公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備事業等の増による移転費用支出の増などの収支を減少させる要因もあったが、各種感染症対策の補助金収入やふるさと納税寄附金の増による業務収入の増が主な要因として挙げられる。また、投資活動収支は△747百万円となり、前年度から374百万円の減となった。公共施設等整備について長寿命化など老朽化対策を優先する方針へ転換を図ったことにより、投資活動支出の増が投資活動収入の増を上回ったためである。財務活動収支は△1,175百万円となり、前年度から57百万円の減少となった。地方債償還支出の増があり、特定財源充当普通建設事業の減により地方債発行収入が減少したためである。なお、本年度末資金残高は、776百万円となった。全体の資金収支額は、57百万円となり、本年度末資金残高は、1,890百万円となった。連結の資金収支額は、100百万円となり、本年度末資金残高は、3,223百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、195.8万円と前年度比1.2万円増加し、類似団体平均値252.6万円を大きく下回っている。これは、本市が中山間地に位置し、従来からの道水路を数多く有しており、その大半が取得価格不明であることから、備忘価格1円で評価していることが要因として考えられる。また、本市は合併市であり、資産自体が多く、老朽化も進んでいることから、公共施設等総合管理計画及び各個別施設計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や公共施設の更新・統廃合・長寿命化等を計画的に実施し、公共施設の適正管理に努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は地方債残高の減少などにより、60.7%と前年度比1.9ポイント増加したものの、類似団体平均値70.3%を下回っている。将来世代負担比率は、26.0%と前年度比1.3ポイント減少したものの、類似団体平均値20.5%を上回っている。普通建設事業の取捨選択による地方債発行の抑制などによって、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担減少に努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、60.2万円と前年度比12.1万円増加した。大幅な増加の要因は、新型コロナウイルス感染防止対策及び経済対策実施に伴う特別定額給付金給付事務費補助金の増などが挙げられる。類似団体平均を下回っているものの、今後、アフターコロナ、ウィズコロナの新しい社会に対応する中で、高齢化の進展に伴う社会保障関連経費の増加が見込まれるため、事業全体を抜本的に見直し、経費の削減に努めていく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、77.0万円と前年度比3.3万円減少した。また、負債合計の88.1%を占める地方債については、1,275百万円減少した。令和3年度に地方債償還のピークを迎えることが予測されており、地方債残高が減少傾向にあること、また、土地開発公社への償還も令和2年度を以って終了することから、負債は減少傾向にあるが、類似平均団体を上回っているため、普通建設事業の取捨選択による地方債発行の抑制などによって、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担減少に努めていく。基礎的財政収支は、1,764百万円と前年度比542百万増加し、類似団体平均値を大きく上回っている。これは、業務支出で補助金等支出が3,691百万円増加したものの、業務収入で国県等補助金等収入が3,948百万円増加したことによる業務活動収支の増。投資活動支出で公共施設等整備費支出が242百万円増加したことによる投資活動収支の減が主な要因である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、1.5%と前年度比0.5ポイント減少し、類似団体平均値3.4%を下回っている。これは、人件費や補助金等の増により経常費用は増加(3,463百万円、22.6%)したものの、定期間の学校給食無償化などのコロナ禍での子育て世帯への支援や市内巡回バスや社会体育施設の利用者が減少したことなど減により、経常収益が減少(△28百万円、△9.0%)したためである。一時的な減少要因もあるが、受益者負担比率を類似団体平均値に近づけるためには、さらなる経常経費の削減、公共施設等の使用料の見直しや利用回数を上げるための取り組みが必要である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,