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地方財政ダッシュボード

埼玉県行田市の財政状況(2018年度)

🏠行田市

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 末端給水事業 公共下水道


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

法人市民税や地方消費税交付金等の増により基準財政収入額は増加したものの、社会福祉費等の増に加え、大規模事業の実施に伴う建設事業債の借入れにより合併特例債償還費が増加しており、基準財政需要額も増加となったことから、指数については前年度と同じ値になっている。類似団体平均を下回っている状況が続いているため、企業誘致の推進などの税収確保対策により財政力の向上に努めていく。

経常収支比率の分析欄

歳出面では、人件費や物件費が減少したものの、社会保障関係経費の増がこれを上回り、比率増加の要因となっている。また、歳入面では地方消費税交付金の増があったものの、合併算定替による増加額の段階的縮減等により普通交付税が大幅に減少し、経常収支比率は昨年度と比べ2.3%の上昇となっている。類似団体平均との差も広がっているため、平成26年度に開始した「行財政改革プログラム」に基づく取組を更に推進し、事務事業・補助金等の見直しによるコスト削減や、市税等の徴収強化などによる歳入確保を図り、経常収支比率の改善に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

退職手当の減により人件費が減少したことや、備品購入費や委託料の減などにより物件費が減少したため、全体で前年度比0.5%の減となっている。直近5カ年においても類似団体平均の85%程度に抑えられており、これまでの人件費・物件費削減の取り組みが一定の成果となって表れていると思われる。物件費などの経常経費については、「行財政改革プログラム」に基づく取組の推進により、更なるコスト縮減に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均より0.5%上回っているが、国を100%とした基準は下回っているため、今後も引き続き適正な給与水準の維持に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

増加要因となる少人数学級編制の実施による市費負担教職員の採用を継続する中、継続的に適切な定員管理を進めてきたため、全国平均、類似団体平均を下回り続けている。今後も、引き続き適正な定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

市債残高を削減する取組みにより、平成30年度の元利償還金の額が減少したことで、平成30年度単年度の実質公債費比率は0.3%減少した。一方、3カ年平均では、算定から除かれる平成26年度単年度の比率と平成30年度単年度の比率の差が少なかったため、昨年度と同じ値になっている。類似団体平均を大きく下回り続けているため、今後も公債費負担の縮小に努めていく。

将来負担比率の分析欄

市債残高を削減する取組みを進めてきたことなどにより、将来負担比率は改善傾向を示している。平成30年度は、新規借入額を元金償還額が上回ったことにより地方債現在高が減少していることに加え、残高に占める交付税措置率の高い地方債の割合が上昇しているため、将来負担比率は2.6%改善した。今後も事業の精査による借入れの抑制や、交付税措置率の高い事業債の選択などにより引き続き将来負担の軽減を図り、健全な財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

退職金の減により、人件費については減少したものの、普通交付税などの経常財源がそれ以上に減少したため、比率としては0.2%の増加となった。平成29年度には、平成30年度以降5年間を計画期間とする「行田市定員適正化計画」を策定したところであり、この計画に基づいて引き続き適正な定員管理に努めていく。

物件費の分析欄

工事に伴う閉館による産業文化会館指定管理料の減やふるさと納税返戻品の減などにより、物件費は減少したものの、経常財源の減少の影響により、比率としては昨年度と同じとなった。依然として類似団体平均を上回っているため、事務事業全般の効率化や施設運営の見直しを更に進め、物件費の縮減に努めていく。

扶助費の分析欄

障害者自立支援サービスの国庫負担基準超過給付の増などにより一般財源負担が増加しており、前年度比1.2%増となった。また、類似団体平均を上回る状況が続いており、これは子ども医療費などの市費単独の扶助費が多いことが要因として考えられる。引き続き、独自事業の見直しや上乗せ加算等の状況を精査し、比率改善に努めていく。

その他の分析欄

繰出金の影響により毎年度類似団体平均を上回っている。平成30年度は、後期高齢者医療事業会計や介護保険事業会計への繰出金が増加したことが主要因となり、前年度比0.9%の増となった。繰出金については、一般会計の負担を軽減するため、使用料や保険料の負担適正化も含め、独立採算の原則に近付けるよう検討していく。

補助費等の分析欄

妻沼南河原環境施設組合の解散などにより、補助費等は減少したものの、経常財源の減少の影響により、比率としては昨年度と同じとなった。平成28年度から継続的に補助金等の見直しを行っていることから、類似団体平均、県平均、全国平均を大きく下回っており、継続して低い水準を保っている。今後も引き続き補助金等の適正化を図っていく。

公債費の分析欄

市債残高削減の取組みを進めてきたことにより、公債費は減少したものの、経常財源の減少の影響により、比率としては昨年度と同じとなった。その結果、類似団体平均を上回ってしまったが、引き続き市債残高削減の取り組みを続け、公債費負担の縮小に取り組んでいく。

公債費以外の分析欄

補助費等においては類似団体平均を大きく下回っているものの、人件費や扶助費、繰出金の比率が高くなっており、全体としては類似団体平均を3.6%上回っている。前年度比では、扶助費や繰出金の増に加え、普通交付税などの経常財源の減などにより、比率として2.3%の増加となった。今後、物件費などの経常的経費の削減を図るとともに、歳入確保による経常財源の増加とあわせて比率の改善を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

直近5年間の傾向としては、社会保障関係経費の増加などにより民生費が増加傾向にあるものの、平成30年度においては、全ての項目において類似団体平均値を下回っている。公債費についは臨時財政対策債の影響などにより増加傾向にあったものの、市債残高削減の取組みにより平成30年度においては減少に転じている。その他の目的別歳出の平成30年度の特徴としては、ごみ処理施設整備基金積立金の増などによる衛生費の増加、JR行田駅前広場周辺再整備事業の増などによる土木費の増加、機器更新に伴う消防指令センター共同運用負担金の増などによる消防費の増加、小学校トイレ改修事業の減などによる教育費の減少が挙げられる。今後も限られた財源を有効に活用するため、事業の選択と集中を徹底するとともに、市債残高の削減を進め、持続可能な財政運営に努めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

前年度からの増加額が最も大きいものは繰出金となっており、前年度比1,428円の増加となっている。また性質別決算額で大部分を占めているのは扶助費となっており、前年度と比較しても425円の増と年々増加傾向にある。扶助費においては類似団体平均を上回る状況が続いており、子ども医療費をはじめとした市費単独事業や障害者自立支援サービス等の国庫負担基準超過給付に係る扶助費が多額なためと考えられるが、高齢化の進展や障害者福祉サービスの拡充等により市の裁量が効かない部分での増加が大きく、抜本的な削減は難しい状況にある。一方、扶助費や繰出金以外の項目においては類似団体平均を下回っており、行財政改革プログラムの実施をはじめとする様々な継続的な歳出削減への取り組みが、一定の成果として表われているものと考えられる。この結果、住民一人当たりのコスト総額は313,966円、対前年度比で3,063円の減となっている。今後は社会保障関係経費のほか、公共施設の老朽化対策の本格化により維持補修費や普通建設事業費の増加も見込まれるため、事務事業の見直しや経常経費の削減を更に徹底していく。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

実質単年度収支は、平成29年度に投資的経費の減や繰出金の減などにより歳出総額が減少し黒字となったが、平成30年度では人件費や物件費の減などにより歳出総額は減少したものの、地方交付税など歳入の減少がそれらを上回り、赤字へ転じた。また、財政調整基金は財源不足を補うため、2億円の取崩しを行ったことで9年ぶりに残高が減少する結果となった。今後も、将来負担を見据えた計画的な財政運営により収支の均衡を図るとともに、災害等の突発的な財政需要にも対応できるよう、決算剰余金の状況に応じて財政調整基金へ積立てていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

各年度とも全会計で赤字を生じていない。平成30年度では水道事業会計や介護保険事業費特別会計において黒字額の伸びが見られ、全体で標準財政規模比28.59%(前年度比+1.61%)となるなど、増加傾向がみられる。なお、下水道事業会計において平成30年度に黒字額が伸びているのは、公営企業会計への移行に伴い、打ち切り決算を行ったことによるものである。今後も標準財政規模に見合った財政運営により、長期的に収支の均衡を保っていくよう努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

市債残高削減の取組みにより元利償還金が減少したことや、下水道事業債残高の減などに伴い元利償還金に対する繰出金が減少したため、元利償還金等は全体で1.8%の減となった。これに対して、算入公債費等の額は0.6%の減にとどまったことから、実質公債費比率の分子は前年度比で7.7%の減となっている。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成30年度は、一般会計及び下水道事業特別会計において平成30年度元金償還額を新規借入額が下回ったため地方債現在高が減少し、将来負担額は前年度比で2.3%の減となった。一方で、交付税算入率の高い地方債の割合が増加しているため、地方債現在高の減少に比べ基準財政需要額算入見込額の減少が小さくなっていることから、充当可能財源等の減少は1.4%にとどまっており、将来負担比率の分子は前年度比で13.3%の減となった。今後も事業の精査による借入の抑制や、交付税措置率の高い事業債の選択などにより更なる財政健全化に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財源不足を補うために財政調整基金を2億円取り崩したものの、ごみ処理施設整備基金への積立てや、寄附金の積立てを行ったことから、基金全体では平成29年度末と比較して1千万円の微増となった。(今後の方針)「行田市行財政改革プログラム」に基づき、基金の設置目的に応じて特定目的基金の整理・統合を検討していく中で、計画的な積立てと有効な活用を図っていく。

財政調整基金

(増減理由)財源不足を補うため、2億円の取り崩しを行ったため、残高は減少した。(今後の方針)景気の急激な変動による市税等の減収や災害の発生等の緊急的な支出に備えて、決算剰余金の状況に応じた積立てを行っていく。

減債基金

(増減理由)運用利子分の積立てをしたため、微増となった。(今後の方針)合併特例債発行期限(発行可能額上限)を見据えつつ、金利の動向をふまえながら、計画的な管理を進めていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興を目的とする事業の資金に充てる。・職員退職手当基金:市職員の退職手当の財源に充てる。・ごみ処理施設整備基金:ごみ処理施設の整備に要する資金に充てる。・人材育成基金:個性ある豊かな人材の育成を目的とする事業の資金に充てる。・教育振興奨励基金:学校教育及び社会教育の振興資金に充てる。(増減理由)・ごみ処理施設整備基金:平成29年度に1億円、平成30年度に2億円を積立てたことにより増加となった。・教育振興奨励基金:寄附金及び運用利子分の積立てにより増加となった。(今後の方針)・ごみ処理施設整備基金:新施設の建設に備え、引き続き積立てを行っていく。・教育振興奨励基金:教育の振興に資するため有効な活用を図るとともに、今後も寄附及び運用利子の積立てを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は上昇傾向であり、類似団体、全国、埼玉県平均よりも高い水準にあるが、類似団体平均値との差は縮小となった。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設の保有量(延べ床面積)を約27%削減していくという目標を掲げており、今後は老朽化した公共施設の統合、集約化・複合化、廃止などを計画的に進めていく。

債務償還比率の分析欄

地方債残高削減の取組みの中で新規借入額を抑制しているため、分子である将来負担額は減少傾向にある。しかし、平成30年度は分母である経常一般財源等(市税や交付税等)の減少が大きく、比率は上昇となり、類似団体平均値との差も拡大した。今後も人口減少や社会保障関係経費の増加により、財政状況は更に厳しさを増していくことが考えられることから、新たな歳入確保の取組や補助金等をはじめとする事務事業全般の見直しによる歳出削減の取組を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債残高削減の取組みの中で新規借入額を抑制しているため、将来負担比率は2年連続して減少となり、また類似団体を下回って推移している。一方で、有形固定資産減価償却率は上昇傾向であり、類似団体よりも高く推移している。主な要因としては、市の有形固定資産(償却資産)額のうち17.8%を占める学校施設の有形固定資産減価償却率が74.5%となっていることが挙げられる。学校施設だけではなく、老朽化が進んでいる施設が多いため、今後は将来負担比率と有形固定資産減価償却率のバランスをみながら、施設の更新・除却・維持管理などを進めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して低い水準で推移している。また、実質公債費比率は近年ほぼ横ばい、将来負担比率については減少傾向が続いている。これは、地方債残高削減の取組みの中で、新規借入額を抑制してきたためであり、近い将来においても横ばいまたは減少傾向で推移していくと思われる。しかし、公共施設等総合管理計画に基づく施設の更新、統廃合などを進めていく中で、指標が上昇に転じることも考えられる。今後も事業の精査による借入れの抑制や交付税措置率の高い事業債の選択などにより、引き続き将来負担の軽減及び公債費負担の縮小を図り、健全な財政運営に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、【橋りょう・トンネル】、【公営住宅】、【認定こども園・幼稚園・保育所】、【学校施設】、【児童館】であり、低くなっている施設は、【道路】、【公民館】である。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、市内に3つある保育園が全て昭和50年代に建てられたものであり、減価償却が進んでいることから有形固定資産減価償却率が高くなっている。【学校施設】は、小学校(16校)・中学校(8校)において、耐震改修や大規模改修を実施しているものの、最も新しく建てられた施設でも昭和62年3月であり、有形固定資産減価償却率が高くなっている。また、一人当たり面積は類似団体数値と同程度ではあるが、児童数・生徒数は1990年頃をピークに減少しており、学校再編や老朽化対策を進めていく必要がある。【公民館】については、中央公民館(平成15年3月)や桜ヶ丘公民館(平成24年3月)の新設、忍・行田公民館(平成29年3月)の建て替えを行っていることにより、有形固定資産減価償却率が低くなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、【福祉施設】、【市民会館】、【一般廃棄物処理施設】、【保健センター・保健所】、【消防施設】、【庁舎】であり、低くなっている施設は、【図書館】、【体育館・プール】である。【図書館】については、図書館(1館)は平成15年3月に建築された施設であり、他の施設と比較すると比較的新しい施設であるため、低い指標となっている。【体育館・プール】については、主な資産である総合体育館は平成7年3月に建築された施設であり、法定耐用年数である47年のうち経過年数が24年であること、平成29年度に非構造部材耐震改修工事を行っていることから有形固定資産減価償却率が低くなっている。【庁舎】については、市役所本庁舎は昭和44年5月に建築された施設であり、耐用年数50年のうち49年を経過しているため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産総額は、事業用資産の減少(△519百万円。△1.4%)やインフラ資産の減少(△184百万円。△0.5%)などにより918百万円減少(△1.1%)し、2年連続の減少となった。これは、建設工事等による資産の増加を減価償却による資産の減少が上回っているためで、平成30年度については財政調整基金を200百万円取崩したことも資産減少の要因となっている負債総額は、地方債の新規発行額を償還額の範囲内に抑えていることから地方債が減少(△814百万円。△3.4%)しており、平成29年度に続いて減少(△688百万円。△2.2%)となった。水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は1,150百万円減少(△1.1%)し、負債総額は1,179百万円の減少(△2.7%)となった。一般会計等との差額は、主に水道事業に基因するもので、資産には水道の配水管や排水設備といったインフラ資産を、負債にはその財源となる水道事業債を計上している。一部事務組合や出資団体を加えた連結では、連結団体の資産・負債が比較的小規模であるため一般会計等の増減の影響が大きく、資産総額は1,160百万円の減少(△1.1%)、負債総額は1,144百万円の減少(△2.6%)となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の経常費用は192百万円減少(△0.8%)の23,617百万円となった。このうち、人件費等の業務費用は11,926百万円、補助金等や社会保障給付、他会計への繰出金等の移転費用は11,692百万円となっている。経常費用の内訳としては、社会保障給付が5,384百万円(+170百万円。+3.3%)、次いで物件費の4,377百万円(△142百万円。△3.1%)となっており、この2つで純行政コストの43.0%を占めている。また、経常費用の減少が経常収益の減少(△17百万円。△1.8%)を上回る状況が続いており、純行政コストについては2年連続の減少となった。全体の経常収益は、水道事業会計の水道料金等の計上により一般会計等よりも1,483百万円多くなっており、経常費用も国民健康保険事業費特別会計、介護保険事業費特別会計の負担金の計上により15,420百万円多くなっているが、経常費用の減少(△1,903百万円。△4.6%)により、純行政コストとしては1,925百万円の減少(△5.0%)と、平成29年度(△0.3%)に比べて減少幅が大きくなっている。連結では、平成28年度から平成30年度のいずれの期間においても全ての連結対象団体において経常費用が経常収益を上回っている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等(17,063百万円)383百万円の減少、国県等補助金(5,372百万円)が261百万円の減少となったため、財源(22,436百万円)は643百万円減少(△2.8%)した。純行政コスト(22,708百万円)は180百万円減少(△0.8%)したものの、財源が純行政コストを下回ったことから、本年度差額は△272百万円となり、平成29年度に323百万円増加(+0.6%)した純資産残高は230百万円の減少(△0.4%)に転じ、52,193百万円となった。全体では、国民健康保険事業費特別会計や介護保険事業費特別会計の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることにより、一般会計等と比べて税収等が5,798百万円多くなっていることから、本年度差額は51百万円となり、純資産残高は2年連続の増加となった。連結では、埼玉県後期高齢者医療広域連合や社会福祉協議会の国県等補助金等が財源に含まれることなどから、全体と比べて純資産残高は1,390百万円多くなり、純計後の連結における純資産残高の前年度対比は15百万円の減少(△0.02%)となっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、投資活動収支(△1,505百万円)288百万円のプラスとなったが、業務活動収支(2,331百万円)が360百万円マイナス、財務活動収支(△1,003百万円)が102百万円マイナスとなったことから、本年度末資金残高は1,116百万円(△177百万円)と2年連続の減少となった。投資活動収支がプラスとなったのは、小学校トイレ改修事業の終了や財政調整基金の取崩しの影響であり、財務活動収支のマイナスは、地方債残高削減の観点から、地方債等償還支出(2,608百万円)を上回らないよう地方債等発行収入(1,838百万円)を抑制していることが影響している。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等を使用料及び手数料収入に計上していることなどから、業務活動収支は一般会計等と比べて749百万円多くなり、前年度対比は465百万円マイナスの3,080百万円となっている。連結では、2つの連結対象団体において業務活動収支がマイナスとなったものの、他の団体では業務活動収支がプラスとなったことから、全体と比べて117百万円多い3,197百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は0.3万円の減少となったことから、類似団体平均値を70.2万円下回り、59.3%の水準となっている。歳入額対資産比率は、類似団体平均値を0.78年下回っており、79.9%の水準となっている。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値が前年度から1.4ポイント上昇したのに対し、本市は1.2ポイントの上昇に止まったことから類似団体平均値との差が0.2ポイント縮小した。建設事業費を抑制してきたことなどから、老朽化している資産の割合が高くなっていることがこれらの指標に表れているものと考えられる。今後は老朽化した公共施設等の修繕や更新等に係る費用の増加が見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統合、集約化・複合化等により、資産保有量の適正化に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均値より低く推移している。これは、地方債残高削減の取組により、資産形成となる建設事業費が減少し、資産形成を伴わない負債(臨時財政対策債等)の割合が大半を占めているためである。将来世代負担比率は、2年連続して低下、類似団体平均値を0.5ポイント以上、下回る水準で推移している。この要因としては、建設事業の抑制により資産の減少が続く中、地方債発行額も抑制してきたことにより、特例地方債を除いた地方債残高の減少が続いているためである。中長期的には、公共施設等の長寿命化や施設の災害対策により、世代間負担の公平性を考慮した適正な施設更新集約化を進めていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、人口減少が続く一方で、施設の維持補修費や委託料等の物件費の減少に伴い純行政コストも減少していることから、3年連続の27.9万円と横ばいで推移している。類似団体平均値との比較では、80%程度の水準で推移しており、平成30年度においては7.3万円下回っている。人口減少については今後も進展することが見込まれる一方で、社会保障関係経費や施設の老朽化に伴う維持管理費用の増加による行政コストの増加が見込まれることから、行財政改革の更なる推進を図る必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、2年連続の減少となっており、類似団体平均値の80%程度で推移している。これは、地方債残高の削減を実施してきた結果であり、財政の健全性を示すものともいえるが、住民一人当たり資産額や有形固定資産減価償却率の状況を踏まえると、公共施設等の長寿命化対策を推進していく必要がある。基礎的財政収支は、前年度から214百万円減少し、類似団体平均値より789.6百万円多い1,001百万円となったが、これは、業務活動収支のプラスが投資活動収支のマイナスを大きく上回っていることによるものである。今後は、財政の健全性と公共施設等の長寿命化対策とのバランスを図りながら、計画的な投資を検討していく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、3年連続して類似団体平均値を下回っており、その差も平成28年度の0.4ポイントから平成30年度には0.8ポイントに拡大している。類似団体平均値まで受益者負担比率を引き上げるためには、平成30年度の経常収益942百万円を基準とすると、経常費用を3,992百万円減少させる必要があり、経常費用23,617百万円を基準とした場合には、経常収益を192百万円増加させる必要がある。このため、使用料・手数料の見直しによる受益者負担の適正化だけではなく、行財政改革や事業見直しを進め、経費削減に努めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,