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地方財政ダッシュボード

秋田県鹿角市の財政状況(2021年度)

🏠鹿角市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度と同水準を維持しているが、人口減少や少子高齢化に伴う税収面等の影響などから、類似団体平均を下回る0.32となっている。主要産業である農業では、主要農畜産物の産地強化、スマート農業の推進、6次産業化による付加価値の創出に取り組み、観光業では、産業間の連携による地域経済の活性化や移住定住の促進により、地域活力の向上に取り組んでいく。また、地場産業への支援や企業誘致の促進を図り、新たな雇用の創出、市民所得の向上を図るほか、市税滞納削減プラン(令和2~令和4)に基づき、地方税等の徴収強化に取り組むとともに、ふるさと納税による寄附額の増加に向けた取組の強化を図るなど、自主財源の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

分子の経常経費充当一般財源は、扶助費において、障害者自立支援給付事業に係る各給付扶助費や生活保護費が増加したことから、前年度比1.1%の増となった。一方、分母の経常一般財源等収入額において、普通交付税が8.7%の増、地方特例交付金が286%の増などにより、前年度比5.5%の増となった。比率全体では前年度比3.8ポイント減少し、類似団体平均を0.9ポイント下回った。今後も事務事業の見直しを図り、義務的経費を含む歳出の削減に努めるとともに、経常一般財源の確保に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費の決算額は新型コロナウイルスワクチン集団接種事務や国民体育大会開催に伴う時間外手当が増加したことから、前年度比4.7%の増となった。物件費は、新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る予防接種委託料などの増加により、前年度比1.2%の増となった。人口1人当たりの決算額は前年度より10,298円増加し、類似団体平均との比較では13,593円下回る水準となっている。今後は、公共施設等の適切な管理運営や事務の効率化を図り、物件費等の削減に努めるほか、人件費について、鹿角市定員適正化推進計画(令和2~令和6)に基づく適正な定員管理を行っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

秋田県人事委員会勧告を準拠しつつ、地域実情との均衡を保った給与水準となるよう努めていることから、前年度と同水準の97.7となっており、類似団体平均と同水準で推移している。今後も、均衡を保ちつつ、年齢構成の平準化の推進等により給与の適正化を図っていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数は前年度と同水準を維持しており、鹿角市定員適正化推進計画(令和2~令和6)に基づく計画的な定員の適正化を進めていることから、類似団体平均を下回る7.99人となっている。引き続き、事務事業の効率化と効果的かつ機動的な人員配置に努め、適正な定員管理を維持していく。

実質公債費比率の分析欄

元利償還金は、平成29年度に実施したLED街灯整備事業に伴う地方債の元金償還が開始されたものの、平成7年度に実施した尾去沢中学校改築事業や平成20年度に実施した合ノ野保育園改築事業などに伴う地方債の償還が終了したことにより、前年度比で0.4%減少した。3カ年平均では前年度と同水準を維持している。今後も令和元年度に借入した大湯温泉地区観光拠点施設整備事業(事業年度平成27~平成29年度)や学校給食施設整備等事業(平成28~平成30年度)の地方債の元金償還が開始されることにより、元利償還金は令和6年度まで増加傾向で推移し、その後減少に転ずる予定である。財政の健全性を維持するため、事業の年度間調整や地方債の発行抑制を図りながら、適正な地方債管理に努めていく。

将来負担比率の分析欄

地方債の現在高は、公共住宅建設事業や普通教室等空調設備設置事業などに地方債を発行したものの、過疎対策事業債や学校教育施設等整備事業債に係る元金償還が進んだことから、前年度比で5.2%減少となり、将来負担比率は前年度より13.5ポイント減少し、類似団体平均を上回った。今後も公営住宅建設事業など地方債を活用した普通建設事業が続くことから、地方税等の徴収強化と国県支出金の積極的な活用など財源の確保に努め、充当可能基金の増加につなげていく。また、事務事業の見直しを徹底した予算編成を進め、歳出の抑制を図っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

新型コロナウイルスワクチン集団接種事務や国民体育大会開催などに伴い、時間外勤務手当が増加したものの、職員数の減少に伴う基本給の減少や副市長不在期間に伴う特別職給与の減少などにより、比率は前年度より1.1ポイント減少した。鹿角市定員適正化推進計画(令和2~令和6)により、適正な人員管理を継続して行っており、類似団体平均と比較すると大きく下回っている。今後も鹿角市定員適正化推進計画(令和2~令和6)に基づき、適正な人員配置に努め、人件費の抑制を図っていく。

物件費の分析欄

小中学校の空調設備設置に伴う電気使用量の増加に加え、原油価格の高騰に伴う燃料費の増加などにより、物件費全体では前年度比で3.6%増加したものの、令和2年度に実施した鹿角市議会議員選挙の皆減などにより、比率は前年度より0.3ポイント減少した。今後は各公共施設の施設管理委託料等が増加傾向にあることから維持管理に係る経常的経費の削減を図るなど、事務事業の見直しにより経費の削減に努めていく。

扶助費の分析欄

障害者自立支援給付事業に係る各給付扶助費や生活保護費の増加などにより、前年度比で13.1%増加し、比率は前年度より0.9ポイント増加した。類似団体平均と比較すると依然として高い水準にある。今後も、必要な支援を継続しながら、事業の適正化や見直しにより、扶助費の抑制を図っていく。

その他の分析欄

維持補修費は、降雪量の増加に伴う除排雪経費の増などにより、前年度比1.6%増加したものの、経常収支比率の分母における普通交付税等の増加により、比率は前年度より0.7ポイント減少した。今後は、介護保険事業特別会計に係る給付費が増加傾向にあることから、次期計画において、保険料の見直しを検討するなど自主財源の確保に努めていく。

補助費等の分析欄

職員数の減少に伴う鹿角広域行政組合負担金の減少や、下水道事業会計補助金の減少などにより、前年度比で5.1%減少し、比率は前年度より1.7ポイント減少した。今後は、地方債償還額の増加に伴う鹿角広域行政組合負担金の増加が見込まれることから、引き続き定期的な補助金等の見直しを行うとともに、下水道使用料及び農業集落排水使用料の見直しを検討するなど自主財源の確保に努め補助費等の抑制を図っていく。

公債費の分析欄

平成29年度に実施したLED街灯整備事業に伴い借入した地域活性化事業債などの元金償還が開始されたものの、平成7年度に実施した尾去沢中学校改築事業に伴い借入した学校教育施設等整備事業債や平成20年度に借入した合ノ野保育園改築事業等に伴い借入した過疎対策事業債などの償還が終了したことから、前年度比で0.4%減少し、比率は前年度より0.9ポイント減少した。今後は大湯地区観光拠点施設整備事業や学校給食施設整備等事業などに借入した地方債の償還が見込まれることから、事業の選択と集中、地方債の償還額と発行額のバランス等を考慮し、適正な地方債管理に努めていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常経費比率は前年度から2.9ポイント減少した。今後は、選択と集中による事業の効率化を図り、義務的経費を含む歳出全般の経費の削減を図るとともに経常一般財源の確保に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、まちづくり基金積立金、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査費などが増加したものの、特別定額給付金事業などの減少により前年度比で43.4%の減となり、類似団体平均と比較すると31,251円下回っている。民生費は、子育て応援給付金給付事業などが減少したものの、住民税非課税世帯等臨時特別給付金給付事業、子育て世帯への臨時特別給付金給付事業などの増加により前年度比で15.4%の増となり、類似団体平均と比較すると7,455円上回っている。衛生費は、予防接種事業などが減少したものの、新型コロナウイルスワクチン接種事業などの増加により前年度比で28.8%の増となった。類似団体平均と比較すると21,165円下回っている。農林水産業費は、園芸メガ団地整備事業などが減少したものの、米生産低コスト技術等導入支援事業、花輪大堰改修事業などの増加により前年度比5.2%の増となった。類似団体平均と比較すると12,971円下回っている。商工費は、大湯環状列石JOMON体感促進事業などが増加したものの、中心市街地中核ホテル再生支援事業、鹿角観光ふるさと館改修事業などの減少により前年度比で44.7%の減となった。類似団体平均と比較すると8,592円上回っている。教育費は、小中学校普通教室等空調設備設置事業、国民体育大会推進費などが増加したものの、統合校舎(花輪第二中学校)大規模改造事業などの減少により前年度比で21.9%の減となり、類似団体平均と比較すると1,658円下回っている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、特定定額給付金給付事業や鹿角観光ふるさと館改修事業の終了などにより、住民一人当たりのコストが86,528円減少し、677,426円となり、前年度比で11.3%減少した。人件費は、鹿角市定員適正化推進計画(令和2~令和6)に基づき職員の定員適正化などを着実に進めてきたことにより、類似団体平均を大きく下回っている。維持補修費は、除排雪経費の増加などにより、前年度比で17.0%増加し、類似団体平均と比較すると15,150円上回っている。扶助費は、住民非課税世帯等臨時特別給付金事業、子育て世帯への臨時特別給付金給付事業の増加などにより前年度比で20.5%増加し、類似団体へ近を18,789円上回っている。補助費等は、特別定額給付金給付事業や地域新電力支援補助金の減少などにより前年度比で46.2%減少したが、類似団体平均と比較すると11,259円上回っている。今後も引き続き定期的な補助金等の見直しを行い、事業の選択と集中を図っていく。普通建設事業費のうち新規整備については、普通教室等空調設備設置事業などの増加により前年度比で36.0%の増加となった。更新整備については公営住宅建設事業が増加したものの、鹿角観光ふるさと館改修事業、統合校舎(花輪第二中学校)大規模改造事業の減少などにより前年度比で74.3%減少し、類似団体平均と比較すると37,951円下回った。今後も公営住宅建設事業のほか、公共施設の証明LED化改修などの普通建設事業が続くことから、国県支出金などの財源の確保と過疎対策事業債などの交付税措置率が有利な地方債の活用及び義務的経費の圧縮を図るなど歳出の抑制を徹底していく。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

財政調整基金は、中期的な見通しのもと決算剰余金を中心に積み立てるとともに、取り崩しの抑制に努めており、令和3年度は取り崩しがなく、基金残高は2,622百万円、前年度比で214百万円増加し、0.91ポイント増加した。実質収支額は、自主財源である地方税等において固定資産税等が減額したものの、普通交付税が増加したこと等から、前年度比で88百万円の増、比率は0.65ポイント増加した。実質単年度収支は、実質収支額の増加及び基金の取り崩しがなかったことから、黒字を維持しており、比率は2.21ポイント増加した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

一般会計及び2つの事業会計、3つの特別会計で黒字となっている。一般会計は、今後も自主財源の確保に努めるほか、過疎対策事業債などの交付税措置率が有利な地方債の活用を図り、基金の取り崩しを抑制するとともに市民福祉の向上と持続可能な財政運営の両立に取り組んでいく。下水道事業会計は、今後も維持管理費と建設改良費の不足分に係る基準外繰り出しは継続されることから、経営戦略による整備エリアの縮小や施設の統合、休廃止を進め、設備・機器類の更新費用の削減を図る。また、下水道使用料及び農業集落排水使用料の見直しを検討するなど自主財源の確保に努める。その他の会計については、自主財源の確保や事務事業の見直しを行い、持続可能な財政運営を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

元利償還金は、平成7年度に借入した学校教育施設等整備事業債などの元金償還が終了したことなどにより9百万円減少した。公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、上水道事業会計及び下水道事業会計において、元利償還金が増加したことにより5百万円増加した。今後の元利償還金は、平成28年度から実施した大湯温泉地区観光拠点施設整備事業や学校給食施設整備等事業などに伴い借入した過疎対策事業債の元金償還が開始されることにより、2,000百万円前後で推移すると見込んでいる。財政の健全性を維持するためにも、償還額と地方債発行額のバランスに注意し、地方債の発行抑制を図りながら、適正な地方債管理に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高は、公営住宅建設事業や普通教室等空調設備設置事業などに公営住宅建設事業債等の地方債を発行したものの、過疎対策事業債や学校教育施設等整備事業債などに係る元金償還が進んだことにより、前年度比981百万円の減となった。公営企業債等繰入見込額では、上水道事業会計及び下水道事業会計において、公営企業債残高が減少したことに伴い、前年度比543百万円の減となった。組合等負担等見込額は、鹿角広域行政組合において、ごみ処理場等の建設事業に一般廃棄物処理事業債の地方債を発行したことから、前年度比で716百万円の増となった。充当可能基金では、財政調整基金やまちづくり基金等において、取り崩しより積み立てが上回ったことから、前年度比で737百万円の増となった。中長期的な見通しを踏まえ、事業は財源を見込んで計画的に進めるとともに、事業の年度間調整や地方債の償還元金を超えない範囲で借入するなど、引き続き将来負担の改善に向けた財政運営に取り組んでいく。また、将来に向けて持続可能な財政基盤を堅持し、充当可能財源等の確保に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金については取り崩しがなかったほか、特定目的基金である企業立地促進基金の活用やまちづくり基金への積み立てなどにより、基金残高は5,658百万円、全体で前年度比631百万円の増となった。(今後の方針)一般財源が決して潤沢と言えない状況にあり、実施計画事業の円滑な推進のためには、基金を活用していくこととしている。加えて、頻発する自然災害などに備え、財政調整基金は一定額を確保することとしている。

財政調整基金

(増減理由)地方財政法に規定された前年度実質収支の1/2を下回らない額として、210百万円を積み立てたほか、取り崩しがなかったことから、基金残高は2,622百万円、前年度比で214百万円増加した。(今後の方針)第7次鹿角市総合計画後期基本計画(R4~R8)の着実な推進と突発的な災害等に迅速に対応するためにも、一定の基金残高の確保が必要であることから、基金残高を意識した予算編成を進めるとともに、標準財政規模の10%以上の残高を維持できるよう留意していく。

減債基金

(増減理由)減債基金については、起債の繰上償還等に備え積立しているものであるが、繰上償還を行っていないため現状維持で推移している。(今後の方針)起債の繰上償還等が発生した場合は、その財源として取り崩しを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)まちづくり基金:住みよい豊かなまちづくりの施策の推進企業立地促進基金:市内に企業を立地するものに対する財政援助教育施設整備基金:教育施設の整備の推進(増減理由)まちづくり基金:中心市街地中核ホテル再生支援事業補助金などに充当したことにより前年度比で315百万円増加した。企業立地促進基金:市内企業10社への設備投資に助成したことにより74百万円を取り崩しているが、財政調整基金から1億円積み増ししたことにより前年度比で26百万円増加した。教育施設整備基金:小中学校のICT活用教育事業における電子黒板配置やインターネット回線接続に掛かる経費に充当したことにより前年度比で11百万円減少した。(今後の方針)今後は、市営住宅整備事業やスキーと駅伝のまちづくり事業等にまちづくり基金を活用予定であるほか、市内企業への設備投資に引き続き助成するため企業立地促進基金を活用する予定としていることから、計画的な運用を図っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率は、類似団体平均をやや上回っている。道路や保健センター等の減価償却が進んでいることが要因として挙げられる。比率は上昇傾向にあるが、今後は鹿角市公共施設等総合管理計画の基本方針に基づき、老朽化した公共施設の更新や長寿命化、統廃合等を積極的に進めていく。

債務償還比率の分析欄

本市の債務償還比率は、普通交付税の増等により経常一般財源が増加したことに加え、基金残高の増により充当可能財源が増加したことから、前年度からは改善しており、類似団体の中でも平均的な位置づけとなっている。今後も、償還額以上の借入を控えるなど、適正な地方債の管理により、残高の抑制に努め、健全な財政運営を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに、類似団体平均を上回っている。令和3年度は地方債現在高が減少し、充当可能財源である基金残高が増加したことから、将来負担比率は前年度に比べ減少した。今後は鹿角市公共施設等総合管理計画の基本方針に基づき、老朽化した公共施設の更新や長寿命化、統廃合を進めていくことで、有形固定資産減価償却率の上昇を抑制しつつ、財源の確保に努め、将来負担比率についても上昇抑制を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体平均よりも高いものの、実質公債費比率は低くなっている。これは財源の確保と歳出の抑制を徹底した予算編成や、交付税算入率の高い有利な地方債を活用したことなどが主な要因となっている。前年度比では、分母となる標準財政規模が増加し、充当可能基金が増加したことから、将来負担比率は減少している。実質公債費比率では、学校教育施設等整備事業債の償還が終了したことなどにより公債費が減少し、過疎対策事業債などの有利な地方債の活用により、公債費等交付税算入額も増加したことから、比率の上昇は抑えられた。今後も、引き続き地方債の管理を徹底するとともに、地方税等の徴収強化など自主財源の確保に努め、健全な財政運営を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、道路、公営住宅であり、低くなっている施設は、橋りょう、認定こども園、学校施設、児童館である。道路については道路改良など長寿命化を図っているものの、農道、林道において減価償却が進んでいる路線が多く、類似団体平均よりも高くなっている。公営住宅については類似団体平均よりも高くなっているが、令和元年度から既存住宅の改修工事を行っているほか、令和2年度から令和4年度にかけて新しい公営住宅が整備され、令和5年度には移転前の公営住宅が解体されることから、有形固定資産減価償却率は今後も低下する見込みである。認定こども園・幼稚園・保育所については、平成27年度に整備したあおぞらこども園をはじめ、平成14年度から平成21年度の間に4施設の整備を行ったことにより、類似団体平均よりも低くなっている。学校施設については、鹿角市立学校等再編計画(平成28~令和2)に基づき学校の統廃合を行っており、令和2年度までに大規模改造工事を実施し、令和3年度には廃校舎の用途廃止を行ったことで、有形固定資産減価償却率は減少している。児童館については、平成15年度に児童センターの整備を行っているため、類似団体平均よりも低くなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館・プール、一般廃棄物処理施設、保健センター、市民会館、庁舎であり、低くなっている施設は、図書館、福祉施設、消防施設である。図書館については、花輪図書館が平成26年度に完成した文化の杜交流館内に移設したことにより、類似団体平均よりも低くなっているほか、十和田図書館についても更新が計画されていることから、今後はさらに低下する見込みである。福祉施設については、平成29年度に大湯温泉保養センターを整備したことからから、類似団体平均よりも低くなっている。消防施設については、平成27年度に鹿角消防署の整備を行ったため、類似団体平均よりも低くなっている。一般廃棄物処理施設については、類似団体平均を上回っているものの、令和元年度から令和3年度にかけてし尿処理場を汚泥再生処理施設として改修したほか、令和2年度から令和3年度にかけて中間処理施設として不燃ごみリサイクルセンターを整備したことにより、前年までと比べ低下している。保健センター及び市民会館については減価償却が進んでいるため、類似団体平均よりも高くなっている。庁舎については、平成30年度から令和元年度にかけて庁舎の外壁改修工事を行ったことにより、一時的に減価償却率が低下したものの、類似団体平均よりも高くなっている。いずれの施設においても、鹿角市公共施設等総合管理計画及び各施設の個別施設計画に基づき、施設の維持管理や更新を適切に行っていく。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から920百万円減少(△1.4%)している。金額の変動が大きいものは有形固定資産のうち事業用資産である建物とインフラ資産である工作物の減価償却累計額であり、令和2年度に大規模改修した鹿角観光ふるさと館の償却開始等により2,416百万円増加している。また、負債総額が前年度末から1,061百万円減少(△5.1%)しているが、負債減少額のうち最も金額が大きいものは、地方債(固定負債)であり、平成29年度に実施した農地集積加速化基盤整備事業に係る地方債の償還が始まったこと等から、地方債償還額が発行額を上回り、1,045百万円減少した。鹿角市上水道事業会計や鹿角市下水道事業会計を加えた全体では、資産総額は前年度末から1,161百万円減少(△1.3%)し、負債総額は前年度末から1,563百万円減少(△4.1%)した。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて19,523百万円多くなるが、負債総額も、下水道事業などに地方債(固定負債)を充当したこと等から、16,863百万円多くなっている。鹿角広域行政組合などの一部事務組合や公益財団法人鹿角市子ども未来事業団などの第三セクター等を加えた連結では、資産総額は前年度末から100百万円減少(△0.1%)し、負債総額は前年度末から1,240百万円減少(△2.9%)した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は18,051百万円となり、前年度比2,158百万円減少(△10.6%)した。そのうち、人件費や物件費等の業務費用は9,981百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は8,070百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。業務費用の中で最も金額が大きいのは、物件費等で7,838百万円(前年度比+298百万円)、次いで人件費の1,996百万円(前年度比+70百万円)であり、純行政コストの56%を占めている。物件費の割合が大きい理由は保育園の運営や施設管理等において、積極的に指定管理者制度を導入しているためで、今後も鹿角市公共施設等総合管理計画に基づき公共施設等の適正管理に努めるほか、事務事業の見直しなどにより、経費の縮減に努める。全体では、一般会計等に比べて、鹿角市上水道事業会計や鹿角市下水道事業会計における使用料及び手数料を計上しているため経常収益は749百万円多くなっている方、鹿角市国民健康保険事業特別会計や鹿角市介護保険事業特別会計において、国民健康保険の診療報酬や介護保険のサービス給付費を計上しているため、移転費用のうち社会保障給付が7,961百万円経常費用は7,911百万円多くなった。このことにより、純行政コストは7,173百万円多くなっている連結では、全体に比べて、株式会社かづの観光物産公社など第三セクター等の事業収支を計上していることから、経常収益が177百万円経常費用が4,131百万円、純行政コストは4,070百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(17,449百万円)が純行政コスト(17,538百万円)を下回ったことにより、本年度差額は△89百万円となり、純資産残高が45,871百万円となった。今後も公共施設等の適正管理等による経常費用の削減を進めるほか、ふるさと納税制度の積極的な周知や地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。全体では、一般会計等と比べて純行政コストが7,173百万円多くなっているものの、鹿角市国民健康保険事業特別会計、鹿角市介護保険事業特別会計等の国民健康保険税や介護保険料を税収等に計上したことや国県等補助金を計上したことにより、一般会計等と比べて財源が7,434百万円多くなり、本年度差額は171百万円、純資産残高は48,531百万円となった。連結では、全体と比べて純行政コストが4,070百万円多くなっているものの、公益財団法人鹿角市子ども未来事業団など第三セクターに対する国県等からの補助金を財源に計上したことにより、全体と比べて財源が4,378百万円多くなり、本年度差額は480百万円、純資産残高は49,980百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は2,222百万円であったが、投資活動収支については、公営住宅建設事業などを行ったことから、1,253百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が発行収入を上回ったことから、△981百万円となっており、本年度末資金残高は457百万円(前年度比△12百万円)となった。第7次鹿角市総合計画前期基本計画(R3-R7)に基づき、大規模な普通建設事業は平準化して実施する予定であることから、投資活動収支と財務活動収支は今後も改善すると見込んでいる。全体では、国民健康保険税や介護保険料を税収等収入に、水道料金等を使用料及び手数料収入に計上していることから、業務活動収支は一般会計等より713百万円多い2,935百万円となっている。財務活動収支については、地方債等償還支出が地方債等発行収入を上回ったことから、△1,292百万円となっており、本年度末資金残高は1,563百万円(前年度比+96百万円)となった。連結では、業務活動収支における業務支出のうち、鹿角広域行政組合などの一部事務組合や公益財団法人鹿角市子ども未来事業団などの第三セクター等の人件費支出が全体と比べて1,290百万円多くなっており、業務活動収支では350百万円多い3,285百万円となった。財務活動収支については、地方債等償還支出が地方債等発行収入を上回ったことから、△708百万円となっており、本年度末資金残高は2,078百万円(前年度比+63百万円)となった。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は類似団体平均値を下回っている。これは道路や河川の敷地のうち、取得価格が不明であるため、備忘価格1円で評価しているものが大半を占めていることによる。歳入額対資産比率については、類似団体平均値を下回る結果となった。前年度と比較すると、資産合計が前年度比920百万円(△1.3%)減少した一方、歳入総額では、特別定額給付金給付事業費補助金(3,011百万円)の皆減等により、前年度比3,061百万円(△13.1%)減少となったことから、歳入額対資産比率は0.39年増加することとなった。有形固定資産減価償却率は、公共施設等の老朽化に伴い、前年度より1.5%増加しているが、類似団体平均値と同程度となっている。引き続き、鹿角市公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均値と同程度であるが、有形固定資産である建物とインフラ資産である工作物の減価償却累計額の増加等により、資産合計は前年度比920百万円(△1.3%)減少した一方、特別定額給付金給付事業費補助金(3,011百万円)の皆減等で純行政コストが税収等の財源を上回ったことにより、純資産は前年度比142百万円(+0.3%)増加し、比率は前年度比1.2%増加となった。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、事務事業の見直しや補助金等の見直しにより、行政コストの削減に努める。負債の大半を占めているのは、地方債であるが、うち地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債は6,076百万円となっており、地方債残高の33.7%に達している。臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子とする、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、20.7%(前年度比△0.7%)となった。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を下回っており、昨年度に比べて4.7万円減少している。純行政コストのうち、移転費用である補助金等が特別定額給付金の皆減等により大きく減少(前年度比△2,567百万円)したことが要因となっている。今後も鹿角市公共施設等総合管理計画に基づき公共施設等の適正管理に努めるほか、事務事業の見直しや補助金等の見直しにより、行政コストの削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均値を下回っており、昨年度に比べて2万円減少している。地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、負債額が減少(前年度比△106,111万円)した。今後も計画的に地方債の発行を図るなど、負債合計額の縮小に努める。基礎的財政収支は、支払利息支出を除いた業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったため、1,652百万円となり、類似団体平均値を上回っている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、公営住宅建設事業などの公共施設整

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値を下回っており、昨年度に比べて1.3%減少している。昨年度は単年度限りの多額な収入と支出があったため減少幅が大きいが、令和元年度と比較しても0.4%減少している。経常収益については令和元年度並みとなっているが、経常費用は新型コロナウイルス接種委託料の皆増等により大きく増加(令和元年度比+1,537百万円)している。引き続き、公共施設等の使用料の見直しを行い受益者負担の適正化に努めるほか、事務事業の見直しや補助金等の見直しにより、より一層の経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,