地域において担っている役割
本県の精神医療の中核的機能を担う病院として、民間医療機関では対応困難な触法患者や、治療抵抗性の患者を多く受け入れており、また、結核合併症患者の受入や、離島・へき地の精神医療への協力及び支援を行い、地域医療の確保に努めている。精神科救急については、精神科救急医療体制当番病院として、平日夜間及び土日祝日の救急患者の受け入れを行い、精神保健福祉の充実を図っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率、医業収支比率ともに、医師の時間外勤務手当の支給基準の見直したことに伴う医業費用の増加により下落した。累積欠損金比率は、平成28年度以前に係る医師の時間外勤務手当の支払いが生じたことにより上昇した。病床利用率は、地域移行の促進による入院患者数の減少の影響で下落した。入院患者1人1日当たり収益は、精神科急性期医師配置加算の取得により上昇した。職員給与費対医業収益比率は、医師の時間外勤務手当の支給基準の見直したことにより上昇した。材料費対医業収益比率は、入院患者数と高額薬品の使用量の減少により下落した。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、平成26年度の会計基準見直しに伴うみなし償却制度の廃止により有形固定資産減価償却累計額が増加し、その後は経年により上昇している。器械備品減価償却率は、経年により上昇している。1床当たり有形固定資産は、計画的に更新を実施していることから同水準となっている。経年による劣化が全体的に進行している。設備機器及び配管類は老朽化による劣化のため、大規模な改修を検討する必要がある。
全体総括
■課題等・高い水準にある職員給与費対医業収益比率・医療職の確保(専門医、認定看護師、精神保健福祉士、心理士)・長期入院患者の地域移行・全体的な施設の老朽化の進行■対策、今後の方向性1.収益の確保・診療単価の向上(加算取得・算定向上)・長期入院患者の地域移行と新規入院患者確保・外来部門の診療機能と収益力向上2.費用の縮減・時間外勤務の縮減