経営の健全性・効率性について
●経営の健全性①経常収支比率は95.6%となっており、給水原価が高く給水収益が少ないため、平均値より低い値となっている。②累積欠損比率は平均値と比べてもかなり高いため健全な経営状況とは言えない。③流動比率は150%を超えているが、現金に対し毎年償還する起債の額が高額なため平均値より低くなっている。④企業債残高対給水収益比率は第4工業用水浄水場の新設により平均値よりかなり高くなっている。⑤料金回収率は60%程度となっており、平均値よりかなり下回っている。●経営の効率性について⑥給水原価は施設の稼働率が低く給水量に対しての費用が多くかかることや施設の減価償却費が多いため平均値より高くなっている。⑦施設利用率は平均値より高い。今後も企業の増産投資等により給水量が増える見込みである。⑧契約率は、当初見込みよりも少ない契約水量が続いている。今後は企業の増産投資等で増えていく見込みである。以上により、健全性・効率性ともに低いため、施設の維持管理費等の経費削減を検討する必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却費率は平均値を下回っているが、一部施設の更新工事を行う予定のため、数値は、さらに下がる見込みである。②管路経年化率は平均を大きく下回り、老朽化した管路は少ない傾向にある。③管路更新率は、平成28年度から令和2年度までは0%で管路の更新を行っていないためである。以上により、平成29年度に策定した工業用水道施設更新計画を基に、老朽化施設等の計画的な更新工事を行う必要がある。
全体総括
現状では、健全性・効率性が低いため、経営状況の分析と施設の更新計画の見直しなどを行っているところである。一部の給水企業では、生産能力の増強を図るため大規模な設備投資が行われる予定であり、今後給水収益が増える見込みである。安定的に工業用水を供給するために、平成29年度に策定した経営戦略及び工業用水道施設更新計画をもとにした中長期的な運営方針により、将来にわたり安定した事業の継続が必要である。