収益等の状況について
①収益的収支比率、⑥売上高GOP比率や⑦EBITDAの数値から、施設の収益性が昨年度より低下している。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う利用者数の減少や臨時休業等による利用料金収入の減少、修繕料や燃料費等の維持管理コスト増加が考えられる。また、②の他会計補助金比率については、一般会計からの繰入金等への依存度が高いため、経営改善に向けた取り組みが必要である。⑤の売上高人件比率については、全国平均よりも高くなっているため、人件費を抑制する必要がある。③④⑬については、宿泊事業を休止しているため数値は0である。
資産等の状況について
⑩設備投資見込額について、今後10年以内は大規模な設備投資を見込んでいないが、築15年以上が経過し、経年劣化による修繕箇所が出てきている。建物および付帯設備の修繕が必要となっている状況のため、更新投資に充てる財源を確保していく必要がある。
利用の状況について
⑬施設と周辺地域の宿泊客数動向について、コロナ禍に伴う行動制限が緩和されてきたことを受け、徐々に増加傾向が見られる。今後の動向を注意深く見守り、地域全体での宿泊需要の厳しさを踏まえ、状況によっては宿泊施設としてのあり方を再検討する。施設の運用上、日帰り入浴客の集客が課題であり、市と指定管理者が一層協力して取り組んでいく必要がある。
全体総括
現状では施設の収益性は昨年度より低下しているため、市と指定管理者が協力して利用客数増加や自主事業の発展等による収入増加の取組みにより、経営改善を進める必要がある。施設の維持・継続及び安定経営を図るため、一般会計からの繰り入れを行っていくこととするが、経費の適正化を進めること等により、繰入金の抑制に努める。現在、指定管理者制度を導入しており、今後も民間活力の活用を基本としていく予定だが、現状の事業規模や採算性を踏まえて、事業の存続、用途変更・廃止、民間企業への譲渡・売却などの施設のあり方について検討をしていく必要がある。