経営の健全性・効率性について
処理場が25箇所あり、その資本費、維持管理費により汚水処理原価が類似団体平均値と比べて高くなっている。また、公共下水道事業の料金体系に準じた料金設定にしていることによって汚水処理原価が高いため、経費回収率は改善しているものの、類似団体平均値と比べて低くなっている。建設事業のピークは過ぎているため、企業債残高については逓減しているが、企業債残高対事業規模比率については類似団体平均値と比べて高くなっている。人口減少や節水機器の普及、社会情勢の変化による上水道使用量の減少等により施設利用率は、類似団体平均値と比べて低くなっている。水洗化率については、未接続世帯への接続促進を行っているものの、類似団体平均値と比べて低くなっている。
老朽化の状況について
耐用年数が経過し、老朽化等による機能の低下が考えられる施設について、平成27年度から陸地部のストックマネジメント事業による機能診断等を行っており、平成29年度に最適整備構想を策定する。陸地部終了後、島嶼部についても順次、実施する予定としている。
全体総括
最適整備構想に基づき、汚水処理施設や管渠等の増改築及び老朽化した施設の機能回復を図ることとしている。整備事業のピークは過ぎているため、地方債償還金については逓減することから、汚水処理原価についても逓減し、経費回収率も改善すると考えている。太ノ原、山越、野々瀬、清水、緑ヶ丘の5処理区を朝倉処理区へ統合する事業を行っており、他の施設についても統廃合を検討し経営の健全化を図っている。また、資産の老朽化や人口減少等に伴う料金収入の減少に対応するため、平成28年度に策定する経営戦略に沿って、経営基盤強化と財政マネジメントの向上を図る。