経営の健全性・効率性について
①受取利息の減等により経常収益は減少し、経常費用については受水費、修繕費等が増となったため比率は前年度に比べ低下したが、他団体と比較しても高水準となっており良好といえる。②欠損金は生じていない。③未払金の増により前年度から比率は低下したが、他団体と比較しても依然高水準にあり、良好な値を示している。④給水収益については前年度と同水準(99.97%)となり、企業債については、借入を行わず償還のみであったことから着実に未償還残高を減少させ、比率の低下につながっている。⑤⑥供給単価は微増(29.3→30.0)となったが、給水原価においても、受水費、修繕費等の経常費用の増により上昇した。そのため料金回収率は若干の落ち込みとなったが他団体と比して高水準を維持している。⑦新型コロナウイルスの影響により実使用量が減少したことで指標の値は前年度から悪化したものの、依然高い水準を維持しており類似団体よりも良好であり、効率の良い施設利用がなされているといえる。⑧他団体と比べ高率ではあるものの、前年度に引き続き契約水量の減量があったため比率が低下している。
老朽化の状況について
①②いずれも類似団体平均を上回り、当市における施設の老朽化及びその進行は明らかである。管路の経年化については微増・微減を繰り返しているが、高止まりしている状況である。③管路更新工事が行われたが更新率は低率にとどまり、経年化率の改善につなげていくには十分ではない。引き続き管路更新工事を行い老朽化による漏水等のリスクを軽減していく必要がある。
全体総括
責任水量制により安定した収益を得ている現状ではあるが、昨年度に引き続き契約水量の減量があり、将来的な収益確保に不安は残る。また、老朽化については、その進行は確実に進んでおり、中でも管路においては、更新率が上昇したものの経年化のスピードに追い付いていないのが現状である。経営状況が健全な現段階から計画的に老朽施設の更新を行うことで、今後も安定的に供給できる体制を確立してく。