経営の健全性・効率性について
平成28年度に,一般会計繰入金の見直しを行っています。汚水処理費のうち,公費負担分に係る繰入金については,これまで町独自の基準(国の定める繰出基準より少額)で繰入れ,それを超える繰入金を基準外繰入金としていたものを,国が定める繰出基準の額までは基準内繰入金としました。この見直しにより,多くの指標が改善されています。①収益的収支比率は,前年度より9.04ポイント改善していますが,依然として低い水準です。これは,企業債償還金が多いためです。④企業債残高対事業規模比率は,高い水準で推移していますが,年々起債残高は減少しています。汚水処理人口普及率が98%を超え,整備も概成しており,今後も起債残高は減少していく見通しです。⑤経費回収率は,前年度より24.75ポイント改善し,ほぼ100%となりました。100%を上回るためには,汚水処理費のさらなる削減が必要です。⑥汚水処理原価は,前年度より64.41円(27.9%)減少しています。⑧水洗化率は,92.79%で類似団体平均値より高くなっていますが,水質改善を推進するため,今後も水洗化率向上に努めていきます。
老朽化の状況について
30年を経過した管渠等はありますが,標準耐用年数の50年までに約20年程度あり,しばらくは点検・調査(カメラ等)による維持管理で対応します。その中で,長寿命化計画の策定時期を検討していきます。なお,H28年度の③管渠改善率は,雨水流入渠等の修繕を行ったもので,更新を行った管渠はありません。
全体総括
H28年度の下水道使用料収入は,H27年度末に大口需要の企業が町外へ転出したことにより,前年度より6.3%の減収となっています。一般会計繰入金の見直しにより,経営指標が改善されていますが,経営状況は依然として厳しいままであり,収入の確保と経費の節減が必要です。水洗化率は類似団体平均値を上回るものの,その伸びは緩やかです。未接続者への接続啓発活動を継続し,水洗化率の向上を図ります。また,設計基準・技術基準の見直しや新技術の採用等により,建設・改良に要するコスト縮減に努めていきます。これらにより,徹底した効率化,経営健全化を行ないつつ,公営企業会計の適用について移行時期を見極めていきます。