経営の健全性・効率性について
経営の健全性・効率性に関する指標は、類似団体と比較すると、「④企業債残高対事業規模比率」「⑤経費回収率」「⑦施設利用率」が平均値より良好であり、「⑥汚水処理原価」については、H26年度は類似団体の平均値より高くなっていますが概ね良好であることが分かります。一方、水洗化人口の増に伴い料金収入は増加しているものの総収益の大幅増につながる程ではなく、23年度以降、「①収益的収支比率」が低下傾向にあります。「⑧水洗化率」は平均値を下回っており、改善に向けた一層の取り組みが必要であると考えられます。
老朽化の状況について
本市の公共下水道は、平成元年に供用を開始し、順次、管渠整備事業を進めてきました。将来的には老朽化を見据えた長寿命化を図っていく必要があるものの、現在のところ、管渠の更新時期に達していないため、「③管渠改善率」は0%となっています。なお、処理場については、平成25年度から第1次長寿命化5か年計画に着手しています。管渠も供用開始後25年を経過し、更新の必要性の確認のための主要幹線の点検調査を行っています。
全体総括
本市の公共下水道は、供用開始後25年を経過し、施設の長寿命化に着手しています。引き続き水洗化人口及び有収水量の増加を目指し経営の効率化を進めるとともに、計画的な施設更新に取り組む必要があります。平成28年度には「尾道市公共下水道事業経営戦略」(計画期間:平成29年度~平成38年度)を策定し、将来を見据えた事業運営の方針を明確化します。また、財務状況や財政状況を明らかにし、経営基盤の強化を図るため、平成30年度を目標に地方公営企業法の適用に取り組みます。