経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、全国平均を下回ることとなったが、これは、令和2年10月に実施した料金改定(減額改定)に伴う給水収益の減少が要因である。今後、水道使用量の増加が見込まれ、給水収益も増加することから、経常収支比率は改善する見込みである。企業債残高対給水収益比率は、前年度に引き続き良好であるものの、料金回収率は料金改定(減額改定)の影響により悪化した。数値は施設利用率についても用水需要の増大に伴い改善傾向にある。一方、契約率は依然として低迷しているが、令和5年4月から基本水量契約が現在の5,200㎥/日から9,700㎥/日に増加する見込みであり、令和5年度からの大幅な改善を見込んでいる。流動比率の改善は、未払消費税等の減少によるものである。経営全般としては、受水企業の経営基盤が堅固であることや、責任水量契約により料金収入が極めて安定していることから、安定的且つ健全な事業運営を継続している。
老朽化の状況について
老朽化度合を示す、有形固定資産減価償却率は62.32%で、全国平均を2.12pt、類似団体を6.25ptそれぞれ上回っている状況である。本年度策定した整備計画に基づき、計画的な施設更新を行うとともに、施設ごとの老朽化の状況に応じた、きめ細かな修繕等を行うなど、健全経営の持続化にも配慮した運営に努める。
全体総括
平成8年8月1日から事業を開始し、本年度末現在で、基本料金29円/㎥、計画水量10,000㎥/日のうち受水企業3社に対して契約水量5,200㎥/日を給水している。企業債残高は、7,951千円で令和5年度に完済となる見込みである。収益的収支は、収入が89,432千円で、支出が96,689千円、経常損失は、7,257千円となった。また、総資産は1,203,383千円で、うち現金預金は356,869千円、負債は719,631千円、資本は483,752千円となっている。中国電力(株)三隅発電所2号機の令和4年11月からの運転開始に伴い、契約水量が大幅増となる見込みであり、収支均衡を図るため、令和2年10月に料金の減額改定を行った。