経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、前年度から一転、全国平均を下回ることとなったが、これは、令和2年10月に実施した料金改定(減額改定)に伴う給水収益の減少が要因である。企業債残高対給水収益比率及び料金回収率は、引き続き概ね良好であり、施設利用率についても用水需要の増大に伴い改善傾向にある。一方、契約率は依然として低迷しているが、令和5年4月から基本水量契約が現在の5,200㎥/日から9,700㎥/日に増加する見込みであり、令和5年度からの大幅な改善を見込んでいる。流動比率の改善は、建設改良事業にかかる未払金の減少によるものである。経営全般としては、受水企業の経営基盤が堅固であることや、責任水量契約により料金収入が極めて安定していることから、安定的且つ健全な事業運営を継続している。
老朽化の状況について
老朽化度合を示す、有形固定資産減価償却率は60.78%で、全国平均を1.26pt、類似団体を5.4ptそれぞれ上回っている状況である。本年度策定した整備計画に基づき、計画的な施設更新を行うとともに、施設ごとの老朽化の状況に応じた、きめ細かな修繕等を行うなど、健全経営の持続化にも配慮した運営に努める。
全体総括
平成8年8月1日から事業を開始し、本年度末現在で、基本料金29円/㎥、計画水量10,000㎥/日のうち受水企業3社に対して契約水量5,200㎥/日を給水している。企業債残高は、12,574千円で令和5年度に完済となる見込みである。収益的収支は、収入が102,914千円で、支出が95,613千円、経常利益は、7,301千円となった。また、総資産は1,245,620千円で、うち現金預金は366,717千円、負債は754,611千円、資本は491,009千円となっている。中国電力(株)三隅発電所2号機の令和4年11月からの運転開始に伴い、令和4年11月にかけて契約水量が段階的に大幅増となる見込みであり、収支均衡を図るため、令和2年10月に料金の減額改定を行った。