地域において担っている役割
民間医療機関では対応困難な精神科救急医療を担うとともに、早期退院、地域移行を積極的に進めている。また、難治性精神疾患、アルコール等の依存症、児童・思春期精神疾患等の患者の治療や認知行動療法等、専門性の高い医療を提供し、県精神科医療の中核病院としての役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
減少傾向が続いていた入院患者数が令和3年度に増加したことから、医業収支比率も上昇に転じている。経常収支比率に関しては、一般会計からの繰入が行われていることもあり、100%を超えた水準で推移している。患者一人当たりの収益は、入院、外来ともに増加傾向である。
老朽化の状況について
施設、設備で老朽化が進んできており、有形固定資産減価償却率に関しては、依然類似病院平均値を上回っている状況である。今後、固定資産の修繕費や更新費が増加していくと考えられる。
全体総括
令和3年度においては、減少傾向にあった患者数が若干増加したものの、依然として病床利用率は50%台で推移しており、病棟再編の検討など経営の健全化に取り組む必要がある。また、建物等への大規模な投資は平成14年前後以降は行われておらず、施設の老朽化が進んでいるため、今後、建物や構築物等の修繕・更新に費用を要することになると考えられる。精神科における県の中核病院としての機能を果たすために、中期経営計画に基づき経営改善を進め、医療機能の強化を図っていく。