経営の健全性・効率性について
平成29年度決算における経営比較分析表について、各指標の数値が改善されているような推移となっているが、これらは平成30年4月からの公営企業会計移行に伴う打切決算の影響によるもの及び分流式下水道等に要する経費の算定方法の変更によるものであり、決して経営の健全化が進んだ結果によるものではない。本町下水道事業は、平成25年度に料金改定を実施したこと及び企業誘致により使用料収入が増加した。しかし、今後は人口減少が緩やかに進むと予想され、使用料収入も減少することが見込まれる。また、企業債償還額はピークを迎えておらず、今後も相当な負担となることから、一般会計繰入金に依存した経営状況となっており、汚水処理原価を抑えるには、相当な期間を要すると考えられる。経営の健全化を図るため、経費節減、企業債の縮減に努めるとともに、適正な使用料の検討に取り組む必要がある。
老朽化の状況について
下水道整備は昭和50年から開始し、平成29年度末時点で管渠の総整備延長は約192kmに達した。そのうち鉄筋コンクリート管は約31kmであり、全体の16%を占めている。老朽化の状況を把握するため、平成24年度に下水道管路施設の長寿命化対策計画を策定。平成25年度から平成27年度の3ヵ年で、調査・診断により対策の必要なボリュームの把握。平成28年度に策定したストックマネジメント計画に基づき計画的・効率的な管理を行っていく。
全体総括
平成25年度の料金改定により若干の改善は見られるが、企業債償還が相当な負担となっており、汚水処理費用も使用料で回収できていない状況である。今後も企業債償還が増加する見通しであるが、平成30年4月から公営企業会計に移行することにより、経営状況の明確化を図り、収支ギャップの解消に向けた取組や料金設定の必要性を中長期的に検討する。個別訪問・広報活動による下水道未接続の解消に向けた取り組みを継続的に実施し、水洗化率の向上に努め、一般会計繰入金への依存を少しでも改善する必要がある。