経営の健全性・効率性について
住民の経済状況や高齢者のみの世帯が多くなっていることや人口減少等により水洗化率等が思うように伸びておらず、そのことに伴い料金収入も減少している。ただ公債費については平成27年度に県の無利子貸付金事業に伴う繰上償還をおこなったことから一時的に悪化しているものの、償還ピーク(第1回目)が過ぎたことから、その点においては今後収支の改善が図られる見込みである。本市は流域下水道の上流端であり、他市町村に遅れて公共下水道の整備を開始している。そのため建設単価が軒並み高くなってからの整備となり、企業債残高対事業規模比率が高くなっている。経費回収率が低いことについては、水洗化率が低いためであるが、水洗化率の微増に伴いわずかずつではあるが改善している。汚水処理原価については、マンション等高層の住居が少なく、大口の事業所が少ないこと等から有収水量及び水洗化率が伸びないことで高くなっていると考えられる。また、平成27年度については前述の繰上償還をおこなったことにより一時的に公債費が増加したことも、汚水処理原価が悪化した要因の一つとして挙げられる。
老朽化の状況について
建設開始が昭和58年度、供用開始は平成4年度であることから現在、築30年以上経過する管渠は全体の1.7%であり、管渠の閉塞・陥没等の事例は無い。
全体総括
現在の経営状況を改善させるためには、料金改定及び加入促進の強化の必要性を感じている。今後、近隣市の動向や住民理解を考慮した上で使用料改定を考えていきたい。類似団体に比べると、料金水準の適切性・費用の効率性・水洗化率が低い事を踏まえ、更なる加入促進の強化を行いたい。今後の老朽化対策については、調査を重ね計画を策定し、老朽管渠の更新を行っていく。