経営の健全性・効率性について
大津市では、農業集落排水事業を市内1箇所で実施してきたが、老朽化した処理施設の更新費用に対する収入が見込めないため、平成28年4月に公共下水道への切り替えを行い事業を廃止することとした。収益的収支比率は、概ね100%以上となっているが、一般会計からの繰り入れを行っているからであり、使用料収入だけでは維持管理が困難な状況となっている。経費回収率は、100%を下回っており汚水処理費の削減が必要であることが分かるが、類似団体においても50%程度であることから本事業において100%に近づけるのは困難と考えられる。汚水処理原価は概ね類似団体を下回っており、また、施設利用率も類似団体と比較し相対的に高く、効率性は良いと考えられる。水洗化率はほぼ100%となっており、汚水処理が適切に行われていると考えられる。
老朽化の状況について
収入は、ほぼ処理施設の維持管理経費に充てており、管渠の改善までは経費が回せない状況にある。平成27年度は公共下水道切り替えのための経費が増えたため一時的に管渠改善率が上がっている。
全体総括
処理施設の老朽化が著しく更新が必要であるものの、処理区域内人口は減り続けており、使用料収入だけでは費用が足りず、また、更なる受益者負担金を強いることも困難であり、事業を廃止し公共下水道に切り替えたことは妥当と考える。