経営の健全性・効率性について
単年度収支を表す「①収益的収支比率」は、地方債償還金に対する一般会計繰入金の依存度が高いため、黒字であることを示す100%を下回り75%前後で推移しています。「②累積欠損金率」、「③流動比率」については、法非適用企業であるため該当数値がありません。当市の下水道事業は、供用開始後22年経過しましたが、国等の補助の範囲内での整備に努め、それに比例した企業債の借入れを行っているため、料金収入に対する企業債残高の割合であり、企業債の残高である「④企業債残高体事業規模比率」は類似団体に比べ低く抑えられています。一方、その影響から整備が進まず、使用料で回収すべき経費を、どの程度使用料で賄えているかを表した「⑤経費回収率」や、施設が一日に対応可能な処理能力に対する、一日平均処理水量の割合である「⑦施設利用率」は低くなり、逆に「⑥汚水処理原価」は類似団体と比べ高いものとなっています。なお、現在も整備中であるため、「⑤経費回収率」及び「⑦施設利用率」の各指標とも年々上昇傾向にあります。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」、「②管渠老朽化率」については、法非適用企業であるため該当数値がありません。「③管渠改善率」は、当該年度に更新した管渠延長の割合を表した指標で、管渠の更新ペースや状況を把握できるものですが、当市の管渠については、最も古いものでも22年と新しく更新時期に至っていないため、該当数値がありません。しかし、下水道管の老朽化は年々進んでいくため、今後はストックマネジメント手法を取り入れた管路等の更新計画を策定し、施設の適正な維持管理に努めていく必要があります。
全体総括
当事業は、施設も新しく老朽化も進んでいない状況ですが、経費回収率、施設利用率が低く、整備した施設が現状では適切な水準の料金収入に結びついていない状況です。効率的な整備をすすめるとともに、運営体制のあり方や今後の投資のあり方を検討し、経営戦略やストックマネージメント手法に基づく更新計画の策定をすすめる必要があります。