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分母となる基準財政需要額のうち、生活保護費をはじめとする社会保障経費が少ないことなどにより、類似団体平均を上回っている。28年度は臨時財政対策債発行可能額(分母から控除)の減に伴い、分母となる基準財政需要額の増加を分子となる地方消費税交付金などの基準財政収入額の増加が上回ったことにより、27年度を0.01ポイント上回り、微増となった。(単年度財政力指数:26年度0.912、27年度0.918、28年度0.919)。引き続き課税客体の適正な把握に努め、安定的な財政基盤の維持に努めていく。
生活保護費をはじめとする社会保障経費にかかる扶助費が少ないことなどにより類似団体平均を下回っている。近年ほぼ横ばいで推移してきたが、27年度は分子となる扶助費などに要する一般財源が増加したが、分母となる経常一般財源が地方消費税交付金の増などに伴い増加したことにより、26年度と比べ0.6ポイントの減、28年度は分子となる公債費などに要する一般財源が減少したが、分母となる経常一般財源が、市税や地方消費税交付金の減などに伴い大幅に減少したことにより、27年度と比べ2.5ポイントの増となった。扶助費など社会保障関係経費は今後も増加が見込まれるため、行財政改革やアセットマネジメントの取組などを推進し、事務事業に要する経常的経費の抑制に努めていく。
近年は類似団体平均の近似値で推移してきたが、27年度は緊急情報防災ラジオ普及や防災必需品備蓄など防災対策に係る物件費などの増により、類似団体平均を上回った。28年度も、消防救急広域化に係る人件費の増などにより、類似団体平均を上回った。引き続き、行財政改革推進大綱実施計画による事務事業の見直し・統廃合、民間活力の活用、適正な定員管理等により経費の削減に努めていく。
28年度は、103.6と前年度に対し0.2ポイントの減少となったが、27年度に引き続き政令指定都市中一番高い値となっている。これは、本市が独自給料表を採用していることから給与制度の総合的見直しにおける給料表の引下げの改定方法に相違があったことが主な要因と考えられるが、給与の総合的見直しを実施した結果、平均給料月額では国とほぼ同水準まで引き下がるに至った。なお、20政令指定都市における比較ではラスパイレス指数は一番高いが、諸手当を含めた平均給与月額では15位と平均を下回る水準となっている。今後も、人事委員会勧告に基づく給与改定を行うことで地域民間給与との均衡を図りつつ、引き続き給与の適正化に努めていく。
本市では、これまでに第一次定員管理計画(17年度~21年度。420人削減)、第二次定員管理計画(22年度~26年度。165人削減)の二次にわたる定員管理計画を実施し、職員の削減を進めてきた。27年度からは、職員適正配置計画により4年間で50人の減員を目標としている。人口千人当たりの普通会計職員数が平成27年度実績に比べ3.94人増加しているのは、小中学校の教職員の県から市への権限移譲(2,776人)が大きな要因である。なお、当該権限移譲に係る増員は職員適正配置計画の対象外としている。
借入期間を延長したことによる元利償還金の減少などの影響により、25年度より類似団体を下回っている。近年、借入期間延長に伴う元利償還金の減などにより減少傾向で推移してきたが、28年度は、下水道事業債の減に伴う公営企業債の元利償還金に対する繰入金や債務負担行為に基づく支出額の減少などにより、27年度と比べ0.6ポイントの減となった。合併特例債や臨時財政対策債の発行による市債残高の累増に伴い、今後は元利償還金が増加する見込みである。また、権限移譲に係る義務教育職員の退職手当債の発行増も見込まれるため、市債残高の抑制や償還額の平準化を図り、計画的な財政運営に努めていく。
将来負担比率は、下水道事業債残高が少ないことなどを要因として、分子となる将来負担額が少ないことなどから、類似団体平均を下回っている。近年減少傾向で推移しているが、これは、地方債残高が増加しているものの、緊急防災・減災事業債等の交付税措置の高い起債を活用することにより、実質的な地方債残高の圧縮に取り組んでいること及び企業債償還に要する一般会計からの繰出金や退職手当見込額等が減少したことによるものである。今後も後世への負担を軽減するよう、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、類似団体平均を上回る数値で推移している。28年度は、給与制度の総合的見直し(平均2.0%減(一般行政職の率))を実施したが、人事委員会勧告に基づく給与改定(勤勉手当0.1月の増)の実施及び消防広域化に伴う職員の増などにより、前年度を上回る数値となっている。今後も定員及び給与の適正化を行い、人件費の削減に努めていく。
物件費に係る経常収支比率は、清掃工場運転経費などの清掃費や、各種予防接種費などの保健衛生費に係る物件費が比較的大きいことなどから、類似団体平均をやや上回る数値となっている。近年、横ばいに推移してきたが、27年度は清掃工場施設の年数経過による管理費増により増加したが、28年度は住民情報システム整備費の減などにより27年度と比べ0.3ポイントの減となった。引き続き、行財政改革推進大綱及び実施計画による事務事業の見直し・統廃合などによる経費の削減に努めていく。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体中最小位で推移している。これは、類似団体と比べ、生活保護費をはじめとする社会保障経費が少ないことなどが要因としてあげられる。近年、自立支援給付費や生活保護費が増加傾向にあること、27年度から子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、私立こども園・保育所等給付費などの増が見られ、今後も増加が見込まれることなどから、今後についても、少子高齢化社会に対応した適切な執行に努めていく。
その他に係る経常収支比率は、介護保険事業会計や後期高齢者医療事業会計への繰出金が比較的大きいことなどから、類似団体平均をやや上回る数値となっている。近年、介護保険事業会計などへの繰出金は増加傾向にあるが、継続して各事業の経費の見直しを行うとともに、適正な執行に努めていく。
補助費等に係る経常収支比率は、本市に交通事業に対する繰り出しがないことなどから、類似団体平均を下回る数値となっている。近年、横ばいに推移してきたが、27年度は下水道事業負担金の減により26年度と比べ減少したが、28年度は、地方独立行政法人へ移行した静岡病院運営費負担金の増により、27年度と比べ0.3ポイントの増となった。今後も補助金の見直し等を実施し、経費の削減に努めていく。
公債費に係る経常収支比率は、合併特例債や臨時財政対策債の発行による市債残高の累増の影響から、類似団体平均値をやや上回る数値で横ばいに推移している。今後も、フローとストックに留意し、市債発行額の抑制及び市債残高の適正な管理に努めていく。
公債費以外の経常収支比率は、扶助費に係る経常収支比率が低いことなどが影響し、類似団体平均を下回っている。しかし、扶助費や繰出金など社会保障関係経費は増加傾向にあることから、事務事業の見直し・統廃合など歳出の合理化等行財政改革や、公共資産の総資産量適正化・長寿命化のためのアセットマネジメントの取組などを推進し、経常的な事務事業に要する経費の抑制に努めていく。
将来負担比率及び実質公債費比率は、ともに減少傾向にある。将来負担比率の減少は、地方債残高が増加しているものの、緊急防災・減災事業債等の交付税措置の高い起債を活用することにより、実質的な地方債残高の圧縮に取り組んでいることによるものである。また、実質公債費比率の減少は、借入期間延長の影響による元利償還金の減などによるものである。今後も引き続き、実質的な市債残高の抑制や償還額の平準化を図り、計画的な財政運営に努めていく。
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