収益等の状況について
一般会計からの繰り入れにより収益的収支比率は100%に近い数値となっているが、新型コロナウイルス以降、合宿、宴会のキャンセルが相次き利用料収入は激減している。施設でも支出をできる限り抑えるため、利用料収入が減ることは覚悟のうえで、宴会など一部業務を中止したが、高熱費等の値上がりが相次いだことから、維持管理経費は昨年とほぼ変わず、結果として売上高GOP比率、EBITDAともに悪化の一途を辿ることとなってしまった。また、業務を縮小させても感染防止対策など、収益に繋がらない業務が増加しているため、宿従業員の労働時間はほとんど変わることなく、売上高人件費率は類似施設の4倍近くとである。燃料、光熱費も増加傾向にある中で、これ以上直営で経営を継続させるのは困難であることから、翌年度以降は施設の無償譲渡を基本に考え、譲渡できない場合は指定管理での経営とすることとした。
資産等の状況について
現段階では資産の数値的な分析はできていない。大規模な改修計画は今のところ予定をしていないが、施設の譲渡、廃止以外で施設を維持する場合、施設も老朽化していることから計画的な更新や修繕が必要となってくる。
利用の状況について
施設では、公衆浴場、食事、宿泊(合宿)、宴会などサービスを展開してきたが、新型コロナ以降すべての営業で利用者数が激減した。公衆浴場業務については、制限なく受け入れることで昨年より利用者数が増加したが、客単価の高い宿泊、宴会業務は、コロナが蔓延する度に予約もキャンセルとなることから、宴席業務については営業を中止し、代わりにテイクアウトを実施するなど運営方針の転換を図った。結果、客数は増加したものの、1人当たりの客単価は安価のため施設全体の売り上げとしては低調のままとなってしまった。施設を利用する大多数は村内者で、地域住民の福利厚生の場として利用していたため公衆用浴場と食事の提供は継続し実施してきたが、利用者が減少する一方でこれ以上、施設を継続経営させるのは困難と判断し、直営での運営は令和3年度限りとすることとした。
全体総括
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、営業形態を縮小・短縮しながら運営を継続してきた。必要最低限の人数で運営することで、経費削減に努めてきたが、昭和44年の施設建設以降、複数回にわたり増改築を行ってきたため、利用者数に対し施設規模が大きく必要以上に人件費、光熱水費がかかっている状況である。次年度より3年間は指定管理での経営となるが、3年後はまた直営となる可能性も出てくることから、この間に無償譲渡を進めていくことが重要だと考えている。