地域において担っている役割
精神科救急医療システムの基幹病院として、精神科救急病床を県内で最多の16床設置し、救急患者を積極的に受け入れるとともに、思春期医療を実施するほか、難治なうつ病等を対象とするストレスケア医療、アルコールや薬物等の物質依存症やギャンブル依存症を対象とする依存症医療、医療観察法医療といった専門的な医療の提供に加え、統合失調症の薬物療法の難治患者に対するクロザピンを用いた薬物療法を実施するなど、神奈川県の精神科医療の中心的役割を果たしている。また、認知症の早期発見に向け、「もの忘れ外来」における鑑別診断の推進を図っている。
経営の健全性・効率性について
新型コロナウイルス感染拡大の状況下においても、外来患者の増加等による医業収益の増加等により、②医業収支比率は前年度を上回り、⑤、⑥入院・外来患者1人1日当たり収益も前年度を上回った。①経常収支比率は、補助金等収益の減少等により前年度を下回ったが、毎年100%を超える水準で推移している。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率ともに前年度を上回ったが、類似病院の平均を下回っている。今後は、機器等の稼働状況や耐用年数を考慮し、計画的に更新していく必要がある。
全体総括
新型コロナウイルス感染拡大の状況下においても、入院・外来患者単価の改善に加え、外来患者が増加し、医業収益が増加したものの、補助金等収益の減少や経費、減価償却費の増加等により、経常収支比率は前年度比で微減となった。今後も引き続き、患者確保の取り組みを行うことに加え、地域の医療機関との連携強化によって効率的な病床運用を行い、収益を向上させるとともに、経費の抑制にも努め、安定した収支の確保を図る。