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近年の財政力指数は1.00前後と、他の政令市と比べ高い水準で推移していますが、臨時財政対策債発行可能額が大きいことが要因の一つであり、財政力指数が高いことが単純に良好な財政状況であることを表しているものではありません。
経常収支比率は94.0%とほぼ前年と同様になりました。東日本大震災の影響などが一部あったものの企業収益が堅調であったことや、市税収納率が過去最高となったことなど、市税収入が堅調に推移したことによるものです。一方で、生活保護費やワクチン接種費用、子ども(児童)手当の通年化、保育所運営費の増加などの福祉に係る扶助費等に充当する経常的な経費が年々増加しています。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、92,628円と前年度と比較して1,033円増加しましたが、依然として類似団体内で最小額となっています。これは、ワクチン接種費用の通年化、東日本大震災に伴う22年度定年退職の一部延期したものを23年度に実施したことによる退職手当の増加などが要因となっています。今後も、効率的な予算の執行に努めていきます。
国が時限的な給与改定特例法による措置を行っているため、前年度と比べて8.2ポイント上がっています。国の時限的な給与改定特例法による措置が無いとした場合の横浜市のラスパイレス指数は103.5で前年度と比べて0.3ポイント下がっています。横浜市は、特殊勤務手当など諸手当の引下げを他都市に先駆けて行ってきたため、給料月額(本給)のみで算出する給与水準は高い指数となりやすい傾向がありますが、実際に職員に支給される諸手当を含めた平均給与月額では、指定都市の平均を下回る水準となっています。
「横浜市中期4か年計画」(22~25年度)において、増大する行政へのニーズに対応しつつ、スクラップ・アンド・ビルドにより職員定数を抑制するという目標を掲げ、効果的・効率的な執行体制の構築を進めています。その結果、人口千人当たり職員数(普通会計)は、類似団体内で最少となっています。今後も、新規事業や重点施策へ対応するための人員は既存事業の見直しにより捻出するという考え方に基づき、すべての分野・職域で既存施策・事業のあり方、仕事の進め方を見直すことにより、効果的・効率的な執行体制づくりを行っていきます。
横浜市は、過去の急速な人口増加に対応するためインフラ整備等を急ピッチで進めました。この際発行した市債の返済に係る公債費負担が大きいためなどの影響により、類似団体の中で実質公債費比率は高い水準となっています。
将来負担比率は213.0%と類似団体平均値よりは上回っています。昭和20年代~40年代の急激な人口増に対応するため、下水道や地下鉄をはじめとした都市基盤整備を急ピッチで進めたことによる地方債の償還負担が大きいこと等が主な要因です。財政の健全化に向けて、市債の発行抑制と、企業会計や外郭団体等の借入金の返済への着実な対応に取り組んできた結果、年々比率は改善しており、今後も数値は減少していく見込みです。
定数削減を行ってきたことなどにより、人口1,000人当たり職員数が類似団体では一番に低く、それに伴い人件費に係る経常収支比率も21.9%と類似団体平均である25.3%を大きく下回っています。23年度は東日本大震災への対応として平成22年度定年退職を平成23年度に一部延期したことによる退職金の増により、突発的に人件費比率が上昇しました。
物件費に係る経常収支比率が平均を上回っているのは、指定管理など業務の民間委託化を推進し、職員人件費等から委託料などの物件費への振替が進んでいることによるものです。このことは人件費比率が低いことにも現れています。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体の平均を上回っている要因として子ども手当制度の通年化による支出額の増、保育所開設に伴う保育所運営費の増、生活保護費の増などがあげられます。各制度の適正な運用と、就労支援などを進めることで、財政需要の抑制を図ります。
補助費等に係る割合が類似団体の中で最も高いのは、本市が運営する地下鉄、病院や大学にかかる運営費が多いことによるものです。今後は、企業会計等に対する補助費等については、経営計画の見直し等により、補助金の縮減を図ることとしています。
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