経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は横ばいの状況であり、企業債残高対事業規模比率及び施設利用率は、類似団体と比較して、同程度又は低い状況である。汚水処理原価は、7処理区処理施設のの老朽化に伴い施設補修費が必要となっており、類似団体平均値を上回る傾向となっている。現在、7地区で農業集落排水事業を実施しているが、地区により水洗化率の差が生じているため、結果として、水洗化率が類似団体平均値を下回ることとなった。経費回収率・汚水処理原価は、H27年度に改善したが、普及率の伸び悩み及び行政人口の減少に伴う水洗化人口の減少により分子となる料金収入が減少しているため、大幅な改善は見込めず、類似団体平均値を下回っている状況である。
老朽化の状況について
施設の老朽化に伴い、計画的な改修が必要となっているので、H27年度に機能診断を実施し、今後は最適整備構想の策定を予定している。
全体総括
行政人口の減少に伴い処理区域内人口は減少傾向にあり、大幅な料金収入の増加は見込めない状況にあるので、水洗化率の低い地区に対して普及率の向上を図り、料金収入の増加に努める必要がある。汚水処理原価については、施設の老朽化に伴い維持補償費が必要となっているので、計画的な改修が必要となっている。また、事業の性質上、市街地の人口密集地ではなく農村部での事業実施となるため、公共下水道に比較して事業費が高コストとなる。そのため、公共下水道との接続を長期的には検討する必要がある。