地域において担っている役割
千葉県における精神科救急医療システムの中核医療施設として運営に当たり、24時間体制での救急受診相談、受け入れ医療機関のコーディネート及び当センターでの救急受診等に尽力している。入院患者に対しては短期集中医療を提供し、早期の地域移行を行っている。また、退院後の患者については、一般外来診察の他、デイホスピタルにおける通院によるリハビリテーションやアウトリーチセンターを中心とした訪問看護指導を実施し、患者の地域生活の支援や再発・再入院防止に取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、令和3年度においては前年度と変わらず104.8%となっており、単年度収支が黒字となっている。収益について、外来収益はR2年度において新型コロナ感染症の影響で受診間隔を伸ばしていたことが起因して、⑥外来患者1人1日当たり収益は前年度比で481円減となった。入院については、④病床利用率が前年度比で3.8ポイント増の91.2%となっている。加えて、急性期患者数も増加していることから、⑤入院患者1人1日当り収益は693円増となり、依然として類似病院平均値と比較しても高い水準で推移している。費用については、⑦職員給与比対医業収益比率は前年度比で5.7ポイント減となっているが、類似病院平均値と同程度となっている。⑧材料費対医業収益比率は、ジェネリック医薬品の採用拡大や千葉県立病院全体での共同購入の推進により低下傾向にある。以上のことから、経営の健全性、効率性は確保されている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率および②機械備品減価償却率は上昇傾向にあり、老朽化が進行している。当センターは、近隣の県立病院である千葉県救急医療センターとの一体的整備により、令和5年度中に新病院としてのオープンが予定されている。そのため、一体的整備が完了するまでは現行施設で県立病院としての機能を適切に維持していく必要がある。従って、施設の老朽化や安全性を適切に評価し、健全経営を維持しながら施設修繕・設備更新を効率的に進めていく必要がある。
全体総括
経営状況としては、令和3年度の医業収支比率が前年度から増加したこともあり、昨年に引き続き経常収支が黒字となった。今後も令和3年度に策定された「千葉県立病院改革プラン」の遂行に尽力し、引き続き収益増に取り組むとともに、費用の縮減を徹底していく必要がある。また、「老朽化」への対策については、近隣の県立病院である千葉県救急医療センターとの一体的整備に合わせて進めているところであり、一体的整備が完了するまでは、現行施設を適切に維持管理していく必要がある。