地域において担っている役割
精神医療の基幹病院として精神科救急医療や児童・思春期医療などの専門的な医療提供を行うとともに、筑波大学などと連携しながら地域の医療人材の教育研修機能を担っている。・精神保健福祉法の規定に基づく救急応需病院・医療観察法指定入院医療機関・専門研修基幹施設・連携施設等
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、医業外収益の増等により、前年度に比べて3.2ポイント上昇した。②医業収支比率は、前年度比4.0ポイント低下した。病床利用率の向上など、医業収益の増に努めていきたい。③累積欠損金比率は、類似病院の平均値を下回っているものの、解消に向け経営努力に努める必要がある。④病床利用率は、類似病院の平均値を上回っているものの、前年度比5.4ポイント低下しており、病床利用率の向上に努めたい。⑤入院患者1人1日当たりの収益は、前年度より増加しており、類似病院の平均値を上回っている。病床利用率の向上など、引き続き医業収益の増に努めていきたい。⑥外来患者1人1日当たりの収益は、類似病院の平均値を下回っているが、院外処方を実施しているためであると考えられる。⑦職員給与費対医業収益比率は、給与費の増等により、前年度比3.9ポイント上昇しており、改善に向け経営努力に努める必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、上昇傾向にあり、類似病院の平均値を上回っていることから、計画的な施設の更新等を行っていく必要がある。②器械備品減価償却率は、上昇傾向にあり、類似病院の平均値を上回っている。医療機械備品の老朽化が進んでいることを示していることから、計画的な医療機械備品の更新等を検討する必要がある。③1床当たりの有形固定資産は、類似病院の平均値を上回っていることから、改善に向けて検討する必要がある。
全体総括
医師確保、診療報酬のマイナス改定、消費税増税などに加え、新型コロナウイルス感染症に対応するための医療体制の整備が求められるなど、昨今の医療機関を取り巻く経営環境は、大変厳しさを増すとともに複雑となっている。本県の精神科医療の基幹病院としての使命を果たすとともに、病床利用率の向上や各種加算の取得など収益向上に努めるほか、各種経費の節減に取り組むことで、収支の改善を図っていきたい。また、本院は比較的新しい施設であるが、今後は、個別施設計画に基づき、計画的な補修等を行っていく必要がある。