経営の健全性・効率性について
当市の農業集落排水処理施設の維持管理費については全て使用料で賄われているが、起債の元利償還金については一般会計からの繰入金に依存している。そのため、平均よりは上であるものの、⑤経費回収率及び①収支比率は100%を下回っている。また、施設の建設事業は完了しているものの、据置期間が終了し今後更に返済が開始されていくので、元利償還金の返済額は増えていく。なお、接続率は比較的良いため、⑥汚水処理原価及び⑧水洗化率は平均より良い数値となっている。ただし、供用地区も例外なく少子高齢化が進んでおり、使用者数も減少傾向にあるため、年間総排水量も減少し、⑦施設使用率も平均値を下回る結果となった。また、今後も使用者数の減により、収入の減少に歯止めがかからない状況である。
老朽化の状況について
当市の農業集落排水処理施設は、供用開始から8~32年経過しており、耐用年数を経過した機器類や経年劣化が心配される中継ポンプ・管渠があり、年々修繕費が増加している。管渠についてはH26に高速道路工事に伴う一部補強工事を行ったものの、それ以外現時点までに更新は実施されていない。またその他として、宮川2処理区におけるマンホール監視システムを電波法上、H34までにアナログからデジタルへ更新する事及び停電時における非常用エンジンポンプ等の設置の必要性なども懸念されている。
全体総括
上記分析に基づく今後の改善に向けた取組【料金水準の適正化】使用料金の3年ごと見直し、適正な料金体系への引き上げを検討する。【基準外繰出の解消】引き続き資本費平準化債を活用していく。【施設の長寿命化】機能維持を目的とした機能診断の実施(H29)及びそれらの結果に基づく最適整備構想の策定(H30)に取り組む事により計画的な対応を検討し、安定的な維持管理体制の確立を目指す。