静岡県裾野市の財政状況(2010年度)
収録データの年度
財政比較分析表(2010年度)
財政力
これまでは企業の堅調な業績に支えられ、全国的にも良好な財政力を維持してきたが、平成20年度途中からの急激な経済状況の悪化から、法人市民税と中心とする市税の大幅な減収により、単年度の財政力指数は前年度の1.367から0.347ポイント低下した1.020となっている。3年平均では1.33と類似団体平均や全国平均と比較すると高い水準を維持しているが、景気の回復が遅れている中では、財政力指数の低下傾向が見込まれる。今後も市税の徴収率向上や安定した税収を確保する施策の推進に努める。
財政構造の弾力性
平成21年度は79.0%であった経常収支比率は、平成22年度は88.6%と9.6ポイント上昇している。これは、経常収支比率の分子となる経常経費充当一般財源はほぼ横ばいであったが、分母となる経常一般財源は、市税収入等が大幅に減少したことにより前年度に比べ18.4ポイントの減となり、経常収支比率を上昇させた要因となっている。市税の回復を待つだけでなく、行財政改革により経常経費の削減を図り、より効率的な財政運営に努める。
人件費・物件費等の状況
類似団体平均を大幅に上回っている主な要因は、消防・救急業務、ごみ処理業務の直営、教育充実のため小学校低学年多人数学級対応の補助講師配置、小学校給食の単独調理、待機児童ゼロを図るため公立の保育園・幼稚園の園児入所措置などを積極的に行うために臨時職員を配置していることなどによる。住民の安心・安全に直結する事業のため、短期間での大幅な見直しは困難ではあるが、指定管理制度の導入や事業評価制度により事務事業の見直しを進め、経費の縮減に努める必要がある。
給与水準(国との比較)
類似団体との比較では例年4ポイント指数が高めに推移していたが、H22は約2ポイント差となった。一方、地域手当を加味し、総務省でも参考として算出している「地域手当補正後のラスパイレス指数」については96.7と大幅に100を割り込んでいる。今後は、年功序列的な昇給の見直しや、職務職責や勤務成績に応じた地方分権時代にふさわしい給与制度の確立を目指していくとともに、職員数や各種手当ての適正化を推進し人件費の縮減に努める。
定員管理の状況
類似団体との比較では例年約0.5人多く、これは当市の広域的な地域性及び政策上の理由により、消防職・衛生職の職員数が比較的多いことからきているものと捉えている。地方主権一括法や静岡県の条例委譲による急激な権限委譲など、全国的に権限委譲による事務量増と行政改革による定員削減とのギャップが顕在化してくると思われるが、今後も、こうした厳しい社会情勢と当市の独自性の高い要件を考慮した上で、民間委託、事務事業の見直しなどの行政改革を推進するとともに、定員管理適正化計画に基づく職員数の適正化に努める。
公債費負担の状況
類似団体平均(10.1%)を1.0ポイント下回る9.1%であるが、対前年度比では1.2ポイント上昇している。これは、実質公債比率の分子の大半を構成する公債費が対前年度比2.1%の増とほぼ横ばいであったが、分母の大半を構成する標準財政規模が、市税収入の減少等により対前年度比20.8%の大幅減となったことが主な要因となっている。今後は新規発行の抑制や事業の適債性を見極め、健全な財政運営に努める。
将来負担の状況
類似団体平均を大きく下回っているが、今年度は景気の低迷による市税収入の不足を補うために、財政調整基金の取り崩しを行ったことにより、充当可能財源が減少したことなどにより、比率が1.9%に上昇した。当面の間は、税収の不足を補うために財政調整基金等の取り崩しや起債の発行による財政運営が予想されるため数値の上昇が見込まれる。将来への負担を軽減するために、事業評価制度等により事務事業の見直しに務め、健全な財政運営を図る。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2010年度)
人件費
当市の人件費は類似団体と比して低い率で推移してきた。これは、進出企業等からの税収に支えられ財政状況に比べ、人件費の割合が過小となっていたためである。しかし、リーマンショック以後、税収の大幅な減少により人件費の割合が上昇した。併せて、団塊の世代や市制施行時の大量採用者による、当市のいびつな職員分布により、平成20年から22年までの間に大量の退職者を出しており、定年間近な職員による人件費の圧迫が拍車をかけている。定員管理適正化計画に基づき職員数の削減を実行中であり、今後については逓減していく見込みである。
物件費
物件費に係る経常収支比率は、全国平均や類似団体平均に比べ高い水準にある。消防・救急業務、ごみ処理業務の直営、教育充実のため小中学校への補助講師の配置、小学校給食の単独調理、待機児童ゼロを図るため公立による保育園・幼稚園の園児入所措置など積極的に行なっているため、賃金や施設運営管理経費が多いことが要因である。今後、事業評価や行政改革大綱に取り組むことにより削減に努める。
扶助費
前年度に比べ1.8ポイントの上昇となったが、類似団体の中では最も低い水準にある。これは年少人口割合及び生産人口割合が高く、老齢人口割合が低いという人口構成の特性に大きな要因があると考えられる。今後は、こども医療費助成、高齢者医療費助成などの市単独事業である福祉施策の充実により数値の上昇が見込まれる。
その他
その他には維持補修費と繰出金が含まれている。類似団体平均、全国平均、県平均を下回る数値となっている。特別会計への繰出金は、独立採算の原則から必要に応じて料金体系の見直し、保険事業においては保険料の適正化により普通会計の負担の削減に努める。
補助費等
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体平均に比べ3.9ポイント下回っている。ごみ処理、消防業務等を単独で行っているため負担金等が少ないことが要因に挙げられる。市が交付する補助交付金等については、見直しを行い、補助金等の削減に努めたい。
公債費
公債費に係る経常収支比率は、類似団体平均と比較して0.1ポイント上回っており、前年度比2.4ポイント上昇している。公債費等の決算額は前年比2.0ポイント上昇しているが、分母となる経常一般財源が18.4ポイント減少したことが数値が上昇した要因となっている。市税収の回復が遅れている中では、各種事業の推進に市債の発行は必要であるが、適債性を見極め比率の上昇の抑制に努めたい。
公債費以外
公債費を除く経常収支比率は、類似団体を0.4ポイント下回るが、全国平均、県平均を上回っている。扶助費、補助費等は類似団体平均を下回っているが、各種施策の実施のために賃金、施設管理費等の物件費の水準が高いことに要因がある。市民サービス充実のためではあるが、事業評価等を通じて事業の内容や経常経費の見直しに取り組む。
実質収支比率等に係る経年分析(2010年度)
分析欄
財政調整基金残高が前年度比10.35ポイント上昇しているのは、基金残高が666,905千円減少したが、分母である標準財財規模が2,868,992千円と大幅に減少したことによる。実質収支比率が前年度比3.63ポイント減少しているのは、予算管理を徹底し実質収支額が7前年に比べ737,807千円減少したことによる。実質単年度収支が前年度比20.49ポイント減少しているのは、平成22年度の一般財源不足を財政調整基金の1,500,000千円の取崩しで対応したことなどによる。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2010年度)
分析欄
すべての会計で黒字であった。全会計の実質収支額、剰余額の合計は前年度比642,408千円の減少となったが、標準財政規模の縮小により連結実質赤字比率はほぼ横ばいとなった。今後もこの状況を維持していきたい。
実質公債費比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
実質公債費比率の分子の額は、この数年間11億円前後で比較的一定水準で推移している。今後は、平成20・21年度に発行した減収補てん債の償還により元利償還金等の額が増加するが、交付税算入されるため参入公債費等の額も増加するので、この分子の額はある程度一定水準で推移すると思われる。
将来負担比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
将来負担比率の分子の額は、前年度に比べ1,517百万円増加している。これは公共事業の実施による地方債残高の増、退職手当負担見込額の増などにより将来負担額が増加しているが、財政調整基金の取崩しなどにより充当可能基金が減少したためである。なお平成20年度・21年度に減収補てん債の発行により地方債の残高が急増しているが、基準財政需要額算入見込額も増加しているため、減収補てん債発行による将来負担額への影響は少ない。
よくある質問
このページで何が分かりますか?
静岡県裾野市の2010年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。
データの出典はどこですか?
総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。
関連する地方公営企業も見られますか?
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