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地方財政ダッシュボード

静岡県裾野市の財政状況(2022年度)

🏠裾野市

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 末端給水事業 簡易水道事業 公共下水道


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

令和4年度の財政力指数は0.96となっているが、過去3か年の単年度の財政力指数は令和2年度は0.990、令和3年度は0.957、令和4年度は0.924と年々下落傾向にある。近年の普通交付税の再算定による基準財政需要額の増額の影響もあるが、令和元年の法人税率改正によりこれまでの法人税収の水準が維持できなくなったことが要因である。今後においても普通交付税の交付団体を見込むため、財政力指数は1.00を下回る想定をしている。

経常収支比率の分析欄

分母分子別に経年比較をすると、まず分母側では市税が令和3年度から令和4年度にかけて667百万円増加している。これは為替変動による市内企業の営業利益増収の影響によるものである。歳入全体としては前年度から585百万円増加した。また、分子側の歳出については物価高騰の影響により光熱水費等が増加したものの、人件費や物件費の減少により歳出全体で200百万円減少した。以上の要因により経常収支比率は前年度から5.8%回復したものの、やはり分母側の市税の増加による影響が強いため、今後は90.0%前後で推移すると見込んでいる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

物件費は前年度に対し、物価高騰により光熱水費等が上昇したものの温浴施設の指定管理委託料が減少したため全体としては51百万円の減少となった。人件費は普通退職等による職員数の減少や通勤手当の適正化による諸手当の減少により全体で103百万円の減少となった。人件費は民生費や教育費の分野で県平均より高い傾向にあることを把握している。今後、小中学校や幼稚園・保育園の再編を実施する予定のため、施設数の減少に合わせて人件費や物件費も適正化していく見込みである。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度からの数値の変動は採用者数と退職者数による割合の変動が影響している。平成29年度に給料表改定等の給与体系の独自見直しを実施し給与水準の適正化を図ったため、令和2年度からは数値が100.0を下回っている。ただし、経験年数等の各階層別では数値に差があるため職員の階層の切り替わりによって数値が増減する可能性もあるため、毎年度の指数の変動には注視する必要がある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成28年度に近隣市町と消防広域組合を設立し、平成29年度から消防職員が身分切替により組合職員となったため、類似団体平均を下回っている要因と考える。一方、人件費及び人件費に準ずる費用の分析においては類似団体平均を上回っている状況にある。これは定員管理の職員数には計上されていない前述の消防職員や会計年度任用職員の人件費が影響していると考えられる。今後は小中学校や幼稚園・保育園の再編事業に着手し、職員数を含めた人件費全体の適正化に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

単年度の数値でも令和2年度は10.9%、令和3年度は12.9%、令和4年度は12.2%と年々上昇傾向にある。公債費は過年度発行分の償還予定により令和11年度まで現在の水準で高止まりする見込みである。地方債については今後の元利償還金に対し発行予定額が上回らないように制御する方針であるため将来的には公債費は減少する見込みであるが、実質公債費比率への影響は数年を要する。元利償還金が減少するまでは今後しばらく実質公債費比率は現在の水準で推移すると見込んでいる。

将来負担比率の分析欄

分母となる標準財政規模は前年度から減少しているため、数値上昇の要因となるが、分子側の地方債現在高が1,262百万円、公営企業債等繰入見込額が459百万円減少しているため、前年度から10.9%減少した。地方債については今後の元利償還金に対し発行予定額が上回らないように制御する方針であり、地方債残高は減少する見込みである。また、分子側の充当可能基金は前年度から増加したものの、今後学校教育施設整備基金や都市施設建設基金をはじめとするその他特定目的基金の取崩を予定しているため、分子側の控除額も減少していくものと見込んでいる。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費は普通退職等による職員数の減少や通勤手当の適正化による諸手当の減少により経常経費充当一般財源等は前年度から136百万円減少した。職員数の減少に伴う経費の減少は一時的なものであるが、今後は幼稚園・保育園の再編等を含めた施設の適正化により職員数や人件費にも影響があると考えられる。また、業務の効率化による時間外勤務手当の縮減等により、人件費全体の一層の適正化を図っていく。

物件費の分析欄

物価高騰による増額があったものの、温浴施設の指定管理者変更による指定管理委託料や母子保健事業に係る妊婦検診等の委託料が減少したため、物件費の経常経費充当一般財源等は68百万円減少した。一方、全体では文化スポーツ施設の指定管理料や公共施設の土地借地料が類似団体平均を上回っている要因と考えている。今後、包括管理委託の導入や指定管理者制度における費用対効果を検証し、経費の適正化に努める。

扶助費の分析欄

経常経費充当一般財源等は前年度から69百万円減少している。事業費基準では自立支援給付費は前年度から93百万円増加し、児童手当は38百万円減少している。それぞれ対象者の増減によるものである。令和元年度に着手した行財政構造改革により単独事業としての扶助費は減少したが、今後扶助費全体の経費としては県平均や類似団体平均の水準に近似していくものと推計する。

その他の分析欄

その他のうち、後期高齢者医療事業特別会計や介護保険特別会計への繰出金は上昇傾向にあり、繰出金に係る経常経費充当一般財源等は前年度から10百万円増加している。民生費に係る繰出金全体としては県内の住民一人当たりコストで比較すると低い水準にあると把握しているが、繰出金は上昇傾向にあるため、今後は県平均や類似団体平均に近い数値に推移すると見込んでいる。

補助費等の分析欄

経常経費充当一般財源等は前年度から29百万円増加している。そのうち一部事務組合に対するものが22百万円増加している。特に裾野市長泉町衛生施設組合に対する負担金が物価高騰による光熱水費の上昇の影響により増加傾向であった。補助費等は一部事務組合に対するものや近隣団体で構成する夜間救急センター運営負担金が大部分を占めるため、今後一部事務組合等の事業規模によって変動があるものと想定している。

公債費の分析欄

平成14年度借入臨時地方道整備事業債、平成22年度借入庁舎耐震化事業債の償還終了による減少があるものの、令和2年度借入新火葬施設整備事業債や富岡第一小学校耐震・改造事業債の償還開始により経常経費充当一般財源等は前年度から55百万円増加している。公債費は過年度発行分の償還額により令和11年度までは現在の水準を維持するため、今後も現在の水準で推移すると見込んでいる。

公債費以外の分析欄

分母となる経常一般財源等が前年度から585百万円増加しているため、経常収支比率そのものが前年度から減少している。さらに個別の性質別経費で比較すると人件費や扶助費の減少も数値減少の一因である。ただし、人件費や扶助費は一時的な要因による減少であるため、公債費以外の経常収支比率の数値は今後上昇することが見込まれる。物件費も含め、全体の経費の適正化に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

議会費は住民一人当たり3,997円で前年度から540円増加しているが、これは議場改修による増加である。民生費は住民一人当たり141,323円で前年度から4,635円減少している。住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金給付事業や子育て世帯への臨時特別支援事業の終了により減少したものである。土木費は住民一人当たり91,605円で前年度から11,849円増加している。企業版ふるさと納税を活用した岩波駅周辺整備事業の進捗により増加したものである。土木費は裾野駅周辺整備事業や岩波駅周辺整備事業の進捗により今後も上昇傾向にある。教育費は住民一人当たり48,205円で前年度から1,905円増加している。これは物価高騰による光熱水費の上昇や民間こども園への幼児教育施設等補助給付費が増加したものである。教育費は小中学校等の学校再編事業に着手予定であるため、今後上昇傾向にあると見込む。公債費は住民一人当たり47,665円で前年度から1,181円減少している。これは令和2年度借入新火葬施設整備事業債等の償還が開始されたが、平成14年度借入臨時地方道整備事業債や平成22年度借入庁舎耐震化事業債が償還終了したことによるものである。公債費はこれまでの地方債発行額から今後も同水準を維持する見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出総額の住民一人当たりの決算額は450,176円であり、令和3年度から8,124円減少している。主な増減としては、扶助費10,967円の減少、積立金5,423円の上昇が挙げられる。個別に経費の推移を見ていくと、人件費では職員数の減少や通勤手当の適正化による減額があり前年度から1,139円減少している。補助費等は裾野市長泉町衛生施設組合への負担金が物価高騰による光熱水費の上昇の影響を受け増額となったが、前年度に実施した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業の終了により前年度から846円の減額となった。普通建設事業費は岩波駅周辺整備事業の進捗により新規整備分が前年度から7,460円上昇しているが、裾野駅周辺整備事業の事業費抑制や橋梁改修工事の完了により更新整備分は前年度から9,400円減少した。公債費は平成14年度借入臨時地方道整備事業債や平成22年度借入庁舎耐震化事業債の償還終了により前年度から1,181円減少した。物件費は物価高騰による光熱水費の上昇の影響があるものの、温浴施設の指定管理者変更による減額があったため微減する結果となった。積立金は企業版ふるさと納税地方創生基金への積立を行ったことが数値上昇の要因である。物件費については包括管理委託の導入や指定管理者制度の見直し、公債費については地方債の計画的発行を行うことにより、引き続き歳出規模の抑制を図り、財政運営の適正化に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

令和3年2月に発出した財政非常事態宣言により一層の歳出抑制に努めたため、令和4年度における実質単年度収支は平成20年度以来の黒字となった。合わせて財政調整基金残高も前年度より増加となった。ただし、この要因として市税が令和3年度から令和4年度にかけて667百万円増加しており、これは為替変動による市内企業の営業利益増収の影響であるため、数値については今後も注視していく必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度決算は会計全体としては黒字比率が増加している。一般会計は市税が前年度から667百万円増加した影響により実質収支が前年度から増加し黒字比率を上昇させる要因となった。しかし、令和4年度の市税収入は一時的な要因であるため、今後の黒字比率は減少傾向にあると見込む。国民健康保険特別会計においては被保険者数の減少により国民健康保険税の減少している。一方、歳出については対象者の高齢化等の影響により医療費全体が前年度から上昇しているため、今後も黒字幅は減少する見込みである。水道事業会計については、現金預金が増加したことにより流動資産が282百万円増加したことが黒字比率上昇の要因である。下水道事業会計については、資金剰余額は減少しているものの標準財政規模が減少しているため当該値は横ばいとなった。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和元年度から着手している行財政構造改革により普通建設事業費の抑制及び地方債発行の抑制に取り組んでいるため、将来的には地方債の元利償還金は減少傾向する見込みである。一方、過年度の地方債発行により元利償還金は令和11年度まで現在の水準が維持される見込みである。一方、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は減少傾向であるため、実質公債費比率の分子の上昇を抑制する一因となっている。算入公債費も今後数年は同水準を維持できるものと見込んでいる。以上のことから、実質公債費比率の分子については令和11年度までは現在の水準が継続されると見込んでいる。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度の将来負担額は23,508百万円で前年度から1,681百万円減少している。一般会計等に係る地方債の現在高が1,262百万円減少しており、今後も地方債の元利償還金が地方債発行額を上回ると見込んでいるため、地方債の現在高は減少傾向にある。一方、基準財政需要額に算入される地方債の現在高も減少しており、基準財政需要額算入見込額は減少傾向にある。また、充当可能基金である財政調整基金やその他特定目的基金を毎年度取崩していることから、充当可能財源等は全体として減少傾向にある。このため、地方債の現在高の減少額ほど将来負担比率(分子)への影響は少ないものと見込んでいる。今後、行財政構造改革により歳出の抑制を行い財政調整基金の残高を確保することで、将来負担比率の分子の上昇抑制に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金は市税等の歳入の増加により積立金が増加し前年度より541百万円の増加となった。その他特定目的基金の内、裾野市都市施設建設基金は裾野駅周辺整理事業に85百万円充当したことにより前年度より74百万円の減少となった。また、裾野市企業版ふるさと納税地方創生基金は企業版ふるさと納税の積立により1,189百万円増加し、裾野市特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金は予防接種事業やこども医療費助成事業への充当と積立に伴い26百万円減少した。また、防衛省所管の再編関連訓練移転等交付金を原資とした裾野市再編関連訓練移転等交付金事業基金を創設したため同基金へ11百万円を積立てた。基金全体では1,617百万円の増加となった。(今後の方針)令和4年度は財政調整基金の取崩はなかったが、今後の財政見通しにおいては財政調整基金の取崩しが想定されるため、行財政構造改革の取り組みを推進し取崩し額の減少に努める。また、公共施設の大規模改修事業実施のため、裾野市都市施設建設基金や裾野市学校教育施設整備基金は当該事業の財源として活用することを見込んでいる。

財政調整基金

(増減理由)為替変動による市内企業の営業利益増収の影響により法人市民税が増加し150百万円を積立て、また決算積立により390百万円積立てを行ったことにより前年度より541百万円増加となった。(今後の方針)今後の財政見通しにおいて財政調整基金の取崩しを見込んでいるが、行財政構造改革の集中取組期間を定めており、期間中に歳出抑制に取組み財政調整基金の取崩額を減少させる方針である。また、災害時に必要となる財政出動を考え標準財政規模の20%程度の残高を確保する。

減債基金

(増減理由)運用益の0.1百万円により前年度より0.1百万円の増加となった。(今後の方針)運用益以外の積み立ては予定していない。

その他特定目的基金

(基金の使途)裾野市企業版ふるさと納税地方創生基金:企業版ふるさと納税を活用した地方創生事業の推進裾野市都市施設建設基金:都市施設建設事業の推進裾野市公共施設マネジメント基金:裾野市公共施設等総合管理計画に定められた公共施設等マネジメントの推進裾野市学校教育施設整備基金:学校教育施設の建設、取得、改修その他の整備裾野市特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金:防衛施設周辺整備調整交付金を財源とした公共施設の整備または事業の実施(増減理由)裾野市企業版ふるさと納税地方創生基金:企業版ふるさと納税による寄附金を1,546百万円積立てたことによる増裾野市都市施設設建設基金:裾野駅周辺整備事業へ85百万円充当したことによる減裾野市公共施設マネジメント基金:運用益を0.2百万円積立てたことによる増裾野市学校教育施設整備基金:小学校・中学校高圧電気設備修繕事業等と幼稚園の大規模修繕工事に12百万円充当したことによる減裾野市特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金:予防接種事業やこども医療費助成事業へ150百万円充当し、次年度の同事業への財源として防衛9条交付金を137百万円積立したこと等による増減(今後の方針)現在、法人市民税減少に伴い一般財源が不足しており定期的な積み立ては難しい状況にあるが、遊休地の売却等を行い積み立て可能な財源を確保する。特に、その財源の性質や経緯などを勘案し、今後も継続実施される裾野駅周辺整備事業や学校教育施設再編事業に充当するため、裾野市都市施設建設基金及び裾野市学校教育施設整備基金並びに裾野市公共施設マネジメント基金について優先的に積み立てを行う。また、企業版ふるさと納税を活用して岩波駅周辺整備を行うため、裾野市企業版ふるさと納税地方創生基金に計画的に積み立てを行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については、類似団体平均より低いが、年々数値が上昇している状況である。また公営住宅など高い数値を示している施設もあり、対応が急がれる施設が存在する。公共施設等総合管理計画において2016年度から2045年度の30年間で公共施設全体の延べ床面積を30%削減することとしており、今後策定の個別管理計画を基に施設の適正化を推進していく。

債務償還比率の分析欄

公共施設の大規模改修等により市債発行額は増加傾向であったが、令和3年度より市債発行額を抑制したことにより将来負担率が低下したため、令和3年度から令和4年度にかけ債務償還比率が低下した。今後も市債発行額を抑えることにより、持続可能な財政運営に努めたい。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

充当可能基金残高の低下に対し、小中学校校舎の大規模改修や土地区画整理事業、道路橋梁事業などのインフラ整備に係る市債発行により地方債残高は上昇傾向にあり、将来負担比率も上昇傾向にあったが、R3年度より地方債の発行額が償還額を下回るよう発行を計画的に行うことで地方債残高が減少したことから将来負担比率は今後も低下傾向となる見込みである。また、小中学校校舎を含む公共施設は大規模改修を実施しているが、類似団体に比べ有形固定資産減価償却率の上昇を抑制できていない状況である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

毎年度の財源不足を財政調整基金等からの繰入で補填していたため、将来負担比率は年々上昇傾向にあったが、R3年度より地方債の発行を抑える政策をとっていることから地方債残高が減少し、また14年ぶりに財政調整基金からの繰入れなく残高が増加したこともあり、将来負担比率は低下した。また、実質公債費比率は、基準財政需要額算入見込額(公債費等)の減等により、充当可能財源等が減少したため、前年度に比べ実質公債費比率が上昇した一因となっている。公債費自体が年々増加しておりR5年度にピークを迎えるため、実質公債費比率も同様にR5年度まで上昇する見込みであるがR6年度以降は低下する見込みである。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

全体的に道路・橋梁のインフラ資産に対し、建物等の施設系の老朽化が進行している状況にある。道路は、令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を5.6ポイント下回っている。これは、類似団体に比べ土木費の普通建設事業費が高いことが要因であるが、市民一人当たりの道路延長は類似団体の数値をやや下回っていることから、今後も適正な建設投資に取り組んでいく。認定こども園・幼稚園・保育所は、令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を4.3ポイント、県内平均を3.8ポイント上回っている。これは、西・東・深良保育園等の建物がすでに耐用年数を超えていることによるもので、今後策定予定の幼保再編計画に従い施設の適正配置に取り組んでいく。橋梁・トンネルは、令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を10.6ポイント下回っている。これは、新東名高速道路に係る跨道橋や新愛鷹橋等の補修工事が影響しているもので、その他橋梁についても長寿命化計画に基づく補修工事が見込まれていることから適正な維持管理に取り組んでいく。学校施設は、令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を5.7ポイント上回っている。築40年以上の校舎が複数存在しており、今年度策定した学校教育施設再編基本計画に基づき学校の統廃合を行い施設の適正配置に取り組む。公営住宅は、令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を12.1ポイント上回っている。平成8年に建設された新稲荷団地以外の建物がすでに耐用年数を超えており、小修繕を行い施設保持を行っている状況である。今後、令和4年3月策定の公営住宅等長寿命化計画を基に改修を実施し、有形固定資産減価償却率の上昇を抑制していく見込みである。公民館は、令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を7.5ポイント上回っている。平成28年度以降一人当たり面積が類似団体平均を大幅に下回っているが、これは複合施設であること及び他の類型で同様の性質を持つ施設が存在することが影響している。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館は、建物建設が平成6年で令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を21.2ポイント下回っている。今後、必要に応じ設備の修繕工事を行う予定である。また、一人当たり面積の増加は用途変更によるものである。一般廃棄物処理施設は令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を9.6ポイント下回っている。施設自体は古いが定期的に修繕を行っていることによるものである。体育館・プールは令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を12.6ポイント下回っている。これは平成27~28年にかけて大規模な修繕を行ったことによるものであり、令和4年度に5.9ポイント減少しているのは老朽化した市営プールを除却したことによるものである。保健センター・保健所は令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を4.6ポイント下回っている。平成29年度から3年間大規模修繕工事を行ったことによるものである。また、一人当たり面積が類似団体平均を大幅に上回っているが、これは複合施設であることが影響している。消防施設は令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を18.7ポイント下回っているが、平成25年度に建築した消防指令センターの耐用年数が20年以上残存している影響が大きい。消防業務は近隣市町と一部事務組合を設立しているため、組合の計画に合わせ施設の適正化に取り組んでいく。市民会館は令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を19.4ポイント上回っている。平成30年度から改修工事に着手したが、現在は大規模なものは実施しておらず今後数年間はさらに上昇を続けるが、令和7年度以降、大規模改修を予定しており有形固定資産減価償却率の上昇は抑制される見込みである。庁舎は令和4年度有形固定資産減価償却率が類似団体平均を3.0ポイント上回っている。耐震補強工事等を実施し令和4年度には議場の改修工事を行っているが、庁舎自体が昭和40年代の建物であることが要因である。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額は前年度比1,286百万円の増加(1.5%)であった。資産の91.9%を占める固定資産において、有形固定資産では企業版ふるさと納税を活用した岩波駅周辺整備等の建設仮勘定が750百万円の増(117.1%)であるものの、減価償却が進み老朽化が進行しているため938百万円の減(△1.3%)であった。投資その他の資産での企業版ふるさと納税を活用した基金が1,258百万円の増(36.0%)、流動資産において14年ぶりに財政調整基金の取崩をせず541百万円積立を行ったことによる増(15.3%)が資産総額増の主な要因である。負債においては、1,349百万円の減(△6.2%)であり、令和3年度より地方債の借入額を抑制しているため固定負債の地方債が1,282百万円の減(△7.8%)となっている。また、全体会計においても水道事業や下水道事業などインフラ資産に特化した会計を含むため、インフラ資産が57.0%と高くなっており、一般会計等と同様に減価償却が進み老朽化が進行しており、下水道事業会計においては資産総額が226百万円の減(△1.8%)となっている。負債においては、公営企業会計の企業債残高の減少に伴い地方債が1,641百万円の減(△7.6%)となっている。連結会計における資産総額は112,989百万円であり、裾野市長泉町衛生施設組合など12団体を含めたものとなっている。資産の増については、裾野市長泉町衛生施設組合においての新火葬場完成に伴うものであり、全体会計に比べ負債の減少幅が小さくなっているのは富士山南東消防組合の負債が110百万円増加していること等によるものである。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は18,435百万円で、前年度比1,665百万円の減(△8.3%)となった。これは新型コロナウイルス関連の費用が減少したことによるものであり、社会保障給付費が605百万円(△12.9%)となっている。また区画整理事業の縮小により補償費が減少したことから移転費用のその他が426百万円の減(△50.5%)、職員数の減少により人件費が286百万円の減(△7.8)となっていることが主な要因である。なお、一般会計等の経常費用の内訳は社会保障給付費22.2%、物件費19.5%、人件費18.4%、減価償却費14.2%、補助金等12.6%となっている。また、全体会計では補助金等が42.4%となっている。国民健康保険特別会計・後期高齢者医療事業特別会計・介護保険特別会計の特別な業務を主とする会計を含んでおり、補助金の割合が高くなっている。対前年度比においても3会計合計で155百万円増加しており増加傾向にある。一方、連結会計の経常費用については、社会保障給付費29.0%、補助金等28.8%となっており、静岡県後期高齢者医療広域連合における社会保障費の影響等で全体会計よりも社会保障給付費の割合が高くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、法人市民税の667百万円の増(128.3%)等もあり税収等の財源が737百万円の増(5.2%)、純行政コストは1,740百万円の減少(▲8.9%)により財源が純行政コストを上回り昨年度に引き続きプラスとなった。前年度は企業版ふるさと納税地方創生特別会計による要因が大きかったが、今年度の差額は2,636百万円と大幅に増加しており一般会計単独でも1,088百万円のプラスとなった。全体会計でも税収等の財源が28,650百万円が純行政コスト25,783百万円を上回っており差額は2,867百万円となった。会計別では財源と純行政コストが概ね均衡している会計が多いが、水道事業会計において差額が253百万円増加している。連結会計においても、税収等の財源33,564百万円が純行政コスト30,897百万円を上回っているが、団体によっては財源が純行政コストを下回っている団体もあり差額は2,667百万円となり、全体会計に比べ差額は200百万円減少している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が5,104百万円と前年度比1,807百万円増加している。税収等の増等による業務収入が141百万円の増(0.7%)に対し、支払利息や人件費支出、社会保障給付費の減等により業務支出が1,635百万円の減(△9.4%)となったことによるものである。前年度は企業版ふるさと納税地方創生特別会計による影響が大きかったが、今年度は一般会計単独でも3,550百万円のプラスとなった。投資活動収支は収入においては財政調整基金取崩収入がなかったこと等により基金取崩収入が584百万円の減(△44.8%)など1,119百万円の減(△55.9%)、支出においては企業版ふるさと納税地方創生特別会計による公共支出等整備支出、基金積立金支出等で1,051百万円の増(29.5%)により収支が△3,729百万円となった。財務活動収支は地方債発行収入において494百万円の減(△33.1%)、支出においては地方債償還支出の減少等で127百万円の減(▲5.3%)により収支が1,271百万円となった。全体会計においては、公営企業会計(水道事業・下水道事業。簡易水道)の影響が大きく、3会計合計で業務活動695百万円、管路更新など実施していることにより投資活動収支△266百万円、企業債の償還額が借入額を上回っていることから財務活動収支△146百万円となっている。連結会計においては、業務活動収支は複数の団体でマイナスとなっていることから△10百万円、投資活動収支は富士山南東消防組合の設備投資があったこと等から△128百万円、財務活動収支は同じく富士山南東消防組合の地方債等発行収入等から88百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、昨年度に引き続き増加となった。分子である資産総額12億8,647万円(1.5%)増に加え、分母である人口が646人(1.3%)減であることが要因である。歳入額対資産比率は前年度比0.14年の増であり近年は歳入の増減により変動が大きかったが概ね類似団体平均値に近い数値となっている。有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を下回ってはいるものの年々上昇傾向にあり、資産の老朽化が進行している。資産の老朽化対策は急激な改善は難しいことから、令和4年度に新設された公共施設経営課を中心に施設の適正化に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は当年度2.0ポイント上昇した。分母である資産合計が1,286百万円(1.5%)上昇しているが、分子である純資産が税収等の増加や純行政コストの減少により2,635百万円(4.2%)増加したことが要因である。また将来世代負担比率については令和2年度まで上昇が続いたが、令和3年度から下降し、類似団体平均値と同値となった。これは分母である有形・無形固定資産合計が1.2%減少したが、令和3年度から借入額を抑制する方針により分子となる地方債残高が6.2%減少したためである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは当年度3.0ポイント下降し類似団体平均値を5.7ポイント下回った。分子である純行政コストおいて新型コロナウイルス関連対策や物価高騰対策における社会補償給付費の減少や裾野駅周辺整備事業における事業規模の縮小等により移転費用が10億4,612万円減少(△11.4%)し、17億3,962万円(8.9%)減少したことが要因である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、近年上昇傾向にあったが、昨年度の1.2ポイントに続き今年度は2.2ポイント減少した。令和3年度より借入額を抑制していることから負債の中でも大きな割合を占める固定負債の地方債が1,282百万円減少したことが要因である。基礎的財政収支においても昨年度に引き続き黒字となった。令和3年度に新設された企業版ふるさと納税地方創生特別会計による影響もあるが、一般会計単独でも2,509百万円の黒字となっている。公共施設等整備費支出が増加したが、税収等収入の増による業務活動収支がそれ以上に増加したことが要因である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は0.4ポイント上昇したが、依然として類似団体平均値を下回っている。数値の上昇については、分子である経常収益は微増だったのに対し、経常費用が社会保障給付費604百万円、物件費296百万円、人件費286百万円など1,665百万円減少したことが要因である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,