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静岡県静岡市:末端給水事業の経営状況(2023年度)

🏠静岡市

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経営比較分析表(2023年度)

経常収支比率

累積欠損金比率

流動比率

企業債残高対給水収益比率

料金回収率

給水原価

施設利用率

有収率

経営の健全性・効率性について

①は、過去5年間100%以上となっており、黒字かつ類似団体の平均以上である。令和2年度の料金改定により令和3年度に大きく上昇したが、令和4年度は台風15号の影響、令和5年度は物価高騰による動力費の増加や労務単価上昇による委託料の増加により低下した。③は、類似団体と比べ良好な値を示している。令和4・5年度は建設改良費の増加に伴い流動資産(現金預金)が減少したことで指標が低下した。今後も、建設改良事業及び企業債償還金の増加により、指標の低下が見込まれるため、現金預金など流動資産と併せて注視する必要がある。④は、類似団体と比べると高水準が続いている。令和2・3年度は料金改定により給水収益が大きく増加したため指標は低下した。令和5年度は、企業債の借入額が建設改良費の増加に伴い増加したため企業債残高が多くなり指標は上昇した。⑤は、過去5年間は100%以上を維持していることから健全な経営を続けているといえる。令和2・3年度は料金改定による供給単価の増加により指標が上昇したが、令和4・5年度は物価高騰による動力費の増加や労務単価上昇による委託料の増加等に伴う給水原価の増加により指標は低下した。⑥は、本市の水源が良好なことから給水原価が低く、類似団体と比べ良好である。令和3年度は口径100ミリ以下の配水管の布設替えを収益的支出から資本的支出へ一本化した影響で指標は低下したが、令和4年度は電気料金の高騰や被災した水道施設の復旧経費、令和5年度は物価高騰による動力費の増加や労務単価上昇による委託料の増加で経常費用が増加したことなどにより指標が上昇した。⑦は、類似団体に比べ良好な値である。令和4年度は漏水量は減少したものの、有収水量の減少に伴い配水量が減少したことで指標は低下したが、令和5年度は漏水量が減少し、事業用水量の増加に伴い配水量が増加したため指標は上昇した。⑧は、類似団体と比べ低い水準にあり、水道管の老朽化に対して更新が追いついていない状態である。令和5年度は漏水量が前年度より減少したものの、管路更新事業の増加に伴う事業用水量の増加により、前年度よりさらに低い値となった。

有形固定資産減価償却率

管路経年化率

管路更新率

老朽化の状況について

①は横ばい状態であり、今後、施設の更新需要の増加が懸念される。令和2年度は、「水の総合運用事業」北部ルートの供用開始により償却対象資産(管路)の増加に伴い低下しているが、令和3年度以降、当該資産の減価償却が始まったことにより、指標は上昇している。令和5年度は、清水谷津浄水場排水処理機械設備(汚泥脱水機)等の供用開始による償却対象資産(機械設備)の増加に伴い低下した。②は、類似団体に比べて高い値で上昇傾向であり、管路の高齢化が進んでいる。③の管路更新率が令和5年度大幅に上昇しているものの、管路経年化率が上昇していることから、AIを活用した水道管路劣化予測などの新技術を検証・導入し状態監視保全を行い、管路更新について最適化を図る必要がある。③は、類似団体と比べ前年度までは低い値となっていたが令和5年度は高い値となった。年度当初に工事着手が可能な債務負担行為の活用や大規模工事及び概算数量設計による工事発注を新たに実施し、年間を通して発注が可能となる環境を整えたことにより、指標は着実に上昇傾向である。今後も入札不調対策を引き続き講じ、将来の更新需要に備えアセットマネジメント手法を用い更新時期を平準化させながら更新率を向上させていく必要がある。

全体総括

財務の健全性に係る指標は、継続して黒字経営を続けているため健全な経営であるといえるものの、人口減少等による水道料金収入の減や、物価高騰・労務単価の上昇による維持管理費の増、さらに今後発生が想定される南海トラフ地震等に備えるための耐震化に係る建設事業費の増が今後の懸念事項である。また、有収率は過去5年間低い水準となっているため、指標改善のため原因を調査し取り組むことが課題である。資産の健全性に係る指標は、管路経年化率は過去5年間増加し続けており、法定耐用年数を経過した管路を多く保有しているため、多額の資金を要する老朽化した管路の計画的な更新が本市の課題となっている。今後は、これらの課題を踏まえつつ、令和5~16年度までの「静岡市上下水道事業経営戦略(水道編)」に基づき、水道管や水道施設の老朽化・減災対策などを限られた財源で計画的に設備投資を行い、引き続き持続可能な事業運営に努めていく。また、適正な使用料体系については、有識者による外部の「知」を活用しながら投資・財政計画を見直し、その結果をもとに、「市民生活への影響」と「水道事業への影響」を勘案した上で、適正な時期での料金体系の見直しを検討していく。

出典: 経営比較分析表,

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